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開戦から100年。日本にバウムクーヘンをもたらしたのは第一次世界大戦だった

       
捕虜収容所というと、捕虜が虐待を受けたり、強制労働を課せられたりといったイメージがどうしてもつきまとう。事実、第二次世界大戦では、日本軍の外国人捕虜に対する非人道的な行為が頻発した。だが、少なくとも第一次世界大戦時の日本の収容所では、そのようなことは行なわれなかった。これというのも、1907年のハーグ陸戦条約に、捕虜を人道的に処遇することが求められ、また、将校を除いて兵士は労働させることができるが、過度な労働は避けなければならないと明記されていたことが大きい。ただ、日本政府はハーグ陸戦条約を改定した1929年のジュネーブ条約を批准しなかった。第一次大戦と第二次大戦で、日本軍による捕虜への処遇が一変したのはそのためである。

大津留厚『捕虜が働くとき――第一次世界大戦・総力戦の狭間で』(人文書院)は、第一次大戦を捕虜の労働についてくわしく論じたものだ。本書は主に、ロシア各地に収容されたオーストリア捕虜兵と、オーストリアに収容されたロシア人・イタリア人・セルビア人捕虜兵をとりあげたものだが、後半では日本に収容されたドイツ人捕虜について一章が割かれている。

本書は「レクチャー 第一次世界大戦」という、第一次世界大戦をめぐるさまざまなテーマを一般向けに解説したシリーズの1冊だ。同シリーズのラインナップにはこのほか、イギリスの経済封鎖に起因するドイツ国内での飢饉をとりあげた藤原辰史『カブラの冬――第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』

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2014年7月28日のレビュー記事

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