大阪と紫ブドウ。この関連性をご存じならば“通”の方だろう。
ワインをこよなく愛する筆者は、『大阪紫葡萄』の名前がとても気になった。大阪にブドウ畑があるなんて聞いたこともないし、どうも大阪とワインが結びつかないからだ。
さっそくこの謎を解明するために大和葡萄酒株式会社に問い合わせたところ、驚きの事実が判明。なんと日本のブドウ古来品種6種類のうちの1つが、大阪で作られていた『紫葡萄』なのだという。つまり昔、大阪には、ブドウ畑があったのだ。
担当者は、「大阪のブドウ『紫葡萄』は、豊臣秀吉が朝鮮出兵の折、持ち帰ってきたという記録があります。この古来品種は古くから大阪に根付いてきたのですが、普及が進まず絶滅寸前に。約15年前から研究が再開され見事に復活を果たしました。当社でも甲州の地で『紫葡萄』の育成に成功し、今回3,500本、『大阪紫葡萄酒』ワインを生産することできました」とのこと。
大阪にブドウの古来品種が存在していたなんて感動! 気になるのはそのお味。
「現在日本のワインは大変注目されていますが、日本のワインは世界との格差が十分にあると考えています」(同)
大変申し訳ないのだが、筆者の国産ワインに対する評価も同じであった。ワインは今のところ海外のものの方が充実していて、全般的においしいと思っていた。さて、日本古来品種『紫葡萄』を原料にしたワインのお味はいかがだろうか。