しかも昨年末には、世界的な旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が発表した「トラベラーズチョイス(TM) 人気上昇中の観光都市2014」で1位を獲得。同ランキングは前年と比較して口コミでの評価や注目度が特に上昇した観光都市をランキングしたものであり、旅行者からの注目も熱い街なのだ。

魅力のひとつは美しいビーチ。白い砂浜が続くダナンのビーチ沿いには、高級ホテルが次々と建てられ、ビーチリゾートとしての人気も急上昇中。またベトナム中部は、国内に8つある世界遺産のうち4つが集まっており、見どころの宝庫。ダナンはそれらの観光の拠点にもなる。
加えて、ダナンという街自体もおもしろい。いわゆる定番の観光スポットは少ないが、今まさに新たな観光スポットが続々生まれているところ。どれも派手でユニーク、好景気を感じさせる勢いがあり、一見の価値がある。
2013年3月に完成したドラゴンブリッジも新名所のひとつ。

今回は残念ながらスケジュールが合わなかったが、土日の夜には一時的に橋を通行止めにし、ドラゴンが火を吐く演出もあり、毎回地元の人や観光客でにぎわう。火を数回吐いた後には大量の水も吐き、近くで見ているとずぶ濡れになるが、これが現地の人には大ウケだとか。暑い国ならではのパフォーマンスだ。
ドラゴンブリッジのすぐ近くに住んでいるという現地ガイドさんも、「みんなこの橋ができて嬉しいと思ってるね。友だちとか来たら絶対に見せにくるよ」とにっこり。どうやら地元の人にとっても自慢の橋のようだ。
橋のすぐ近くには、今年4月にできたばかりの新スポット、通称「マードラゴン」の像もある。口から勢いよく水を吐く姿は、どこかシンガポールのマーライオンを彷彿とさせるが、こちらは半分がドラゴンで、半分が鯉。正式名称は「カーチェップホアーロン」という。

「カーチェプホアーロン」とは、日本語に訳すと「鯉ドラゴン」。
ドラゴンブリッジ同様、こちらも時間と共に色が変わるカラフルなライトアップが見もの。口から吐く水もかなりの量で、風向きによっては結構濡れるが、みんなお構いなしで記念撮影に夢中。むしろ濡れることを楽しんでいるようにすら見える。
さらにその横には「愛の桟橋」なる新スポットも登場。こちらは橋の欄干に南京錠をつけて永遠の愛を誓う恋人向けのスポットである。欧米ではよく見るが、アジアではちょっと珍しい。ただ、昨年、パリで同様の橋がカギの重みで壊れるというニュースもあったから耐久性などは気になるところだ。

こうした派手な夜景を一望できるのが、昨年6月にオープンした「SKY36」。「ノボテル・ダナン・プレミア・ハンリバー」の35階と36階にあるルーフトップバーで、166メートルの高さはなんとベトナム一。ドレスコードが設けられ少々ハイソ感が漂う店内では、アッパーなヒップホップやEDMがガンガンにかかり、ノリはクラブっぽい(が、踊っている人はほとんどいなかった)。

こうしたダナンの新スポットに加え、見ごたえのある世界遺産巡りもできるのがベトナム中部の醍醐味だ。
また、ダナンから約1時間のフエは、ベトナム最後の王朝の都がおかれた町で、いわばベトナムの京都。1993年にベトナム初の世界遺産に登録されたフエの建造物群や宮廷料理を堪能できる。

ビーチに世界遺産にバブリーなイルミネーションに……と趣の違うベトナムを一度に楽しめるダナン。ホーチミン市やハノイに比べると、日本における知名度はまだそれほど高くないが、ダナンへは成田空港からはベトナム航空が週に5便(※7~9月の夏季は毎日)直行便を飛ばしており、フライト時間も約5時間半と近い。

今まさに次々に新しい見どころが生まれているダナンの街。大ブームになる前にぜひチェックしてみては?
(取材協力:ベトナム航空)
(古屋江美子)