チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート


■2015 JANG KEUN SUK THE CRISHOW III“MONOCHROME”
2015.06.03(WED) at 日本武道館
(※画像11点)

俳優、歌手として活躍するチャン・グンソクが、自ら企画・演出を手掛けるソロ公演ブランド“CRISHOW”の第3弾【2015 JANG KEUN SUK THE CRISHOW III“MONOCHROME”】を全国で開催。ファイナルとなる日本武道館公演が、6月2日(火)・3(水)の2日間にわたって開催された。
グンソクが単独で武道館に立つのは今回が初。本記事では最終日の3日(水)の模様をレポートする。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

後ろ姿の男性が水面に折り紙の船を浮かべ、「僕と、僕らの本当のStoryを始めてみよう」と誘うモノクロ映像に続き、宙に浮かぶ紙船に乗ってステージに登場したグンソク。Tシャツとジーンズ、スニーカーに革ジャンを羽織った等身大でナチュラルなスタイリングで、8人のバンドを従え、背後のスクリーンに映し出される水辺を心地よく漂うかのように、屈託のない笑顔を浮かべながら、「ひだまり」を歌唱。以下、今年2月にリリースされた3rdオリジナルアルバム『モノクローム』からの楽曲を中心にセットリストは構成されていた。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

「武道館、すっごく緊張してる」と率直に語りながら、「アナログ的なモノクロームの世界を、旅行みたいに表現したかった。今までのキラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」と、今回のショーの世界観を明かす。ベンチに腰掛け、「春になれば」「一つ傘の下」を披露したのだが、奥に設置されたスクリーンだけでなく、ステージ手前にも透明で横に長い薄幕を張り、映像を投影。多層的な奥行きを感じさせる映像効果で、光の軌跡や雨が舞い降る様子などを曲に合わせて表現。幻想的な美しさには溜息が零れた。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

同時に、男女ダンサーが登場してステージを盛り立てるエンターテインメント要素も盛り込んで、グンソクの多面性を活かした多彩なショーが展開していく。また、「夜明け前」「淡い雪のように」といった大人っぽいナンバーを連打、ファルセットを多用した複雑なメロディーを歌いこなす。
流暢な日本語でMCをしながら、「日本語の歌詞で歌うのは(会話よりも)難しい」とも。コーラスワークが印象的な自作の「In my dream」、「特に特に! 一番好きな曲」(グンソク)だと力説し、ギターを掻き鳴らしながら熱唱した「My Precious」の2曲は韓国語で披露した。 

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

やがて、ドクロをモチーフとしたゴシックでダークな映像が流れると、空気が激変。髪をアップ・スタイルにし、白いロング・ジャケットを羽織ってグラマラスなロッカーに変貌したグンソクが姿を現し、「お願いMy Bus」を歌った。続けて日本デビュー曲「Let me cry」を歌いながら、ハンドマイクでステージの端まで移動すると、割れんばかりの大歓声が沸く。最後のワンコーラスを独唱で聴かせた後、スクリーンに映し出されたグンソクの鋭い眼力に、観客は陶酔。「Crazy Crazy Crazy」ではダンサー6人を従え、揃って髪を振り乱すなど、ダイナミックなパフォーマンスでも魅了した。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

4か月に及ぶツアーを振り返りながら、グンソクは椅子に腰かけると、「CRISHOWは今日で終わりですが、終わりは新しい始まりじゃない?」とファンに問い掛けた。「終わりたくないな~」とも呟きながら、目元に手をやって泣き真似をしておどけると、「Driving to the highway」「I Will Promise You」と、アコースティック調の楽曲を連打。再び「Save me」「Turn Off」とミディアム・ロックを鳴らし、メリハリをつけた展開で観客をグッと惹きつけていく。「(僕を)守ってくれてありがとう。まだこんな舞台で歌うことができるので…ありがとうございます」と“うなぎ”(ファンの呼称)たちに感謝を伝えると、「CRISHOW10まで付いて来られるの? 浮気したら蒲焼き(笑)」と笑わせた。


チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

ショーは終盤に向かい、スローバラード「Serenade」が披露されると、1番が終わった段階で早くも大拍手が起きた。逆光に照らされて髪が赤く輝き、背後には樹々が映し出されて、神秘的な美しさを醸し出している。徐々に感情が高ぶって行き、スタンドからマイクをむしり取るようにして、歌に集中するグンソク。バラの花が咲き誇る映像をバックに、徐々に上昇する台の上で渾身の歌を聴かせ、ライブはクライマックスを迎えた。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

本編最後は、「風」。ステージ手前の薄い幕に、白い羽根が舞い散る様子が映し出され、グンソクは(映像上の)鳥かごの中で歌い始めるのだが、次第にその格子は壊れ去っていく。後奏に合わせて頭をゆっくりと振りながら会場を見渡して、満ち足りたような、名残を惜しむような、穏やかな表情を浮かべたグンソク。最後、白い鳥が空へと羽ばたいていく様は、観る者に物語の続きをイメージさせたことだろう。

チャン・グンソク 初の単独武道館公演 「キラキラだった“グンちゃん”は卒業しなきゃ(笑)」/レポート

アンコールでは、黒いTシャツにバンダナというラフな衣装に着替えたグンソクが再登場。「Beautiful change」「Indian Summer」といったアップナンバーを、ダンサー陣と共に思いきり踊りながら、全身で表現していく。「一緒につくったメロディ」では、「もう一回!」の声に応えて客席エリアから再登場。「もう一回!」コールはなかなか収まらず、息を切らして肩を上げ下げしながらも、何度も応えていた。



「今日は特に最後だから、帰したくないね」と殺し文句を口にし、悲鳴のような大歓声を沸き起こした後、最後は「家に帰ろう」を披露。歌う前に、「“家(うち)”の意味を一緒に探してみよう」とファンに語り掛け、「僕にはうなぎがいるここがホームだと思うよ」と喜ばせた。「終わりは始まりだと思うから、また逢いましょうね。そして、僕の家に帰ろう」と語った後、優しく包み込むようなこの曲を観客と声を合わせた。「ただいま」という囁き声で特大の嬌声を浴び、両手で投げキッスを放ち、予定されていた公演内容は終了。止まないアンコールの声に、自身のユニット・TEAM Hの「Feel the beat」を歌い、ヘヴィーなラップを聞かせたグンソク。バンドメンバーとのカーテンコールにて、約2時間30分のステージは終幕した。


素晴らしいライティングと映像表現を駆使したあまりに美しいステージだったが、技術ばかりが目立つことは決してなく、伝わって来たのは、緻密な折り紙細工のような、あくまでも手づくりの温もり。5年前の初回CRISHOWから徐々に進化を重ね、グンソク自身が表現したいことと、求められるものとの絶妙のバランスが実現した、成熟を感じさせるステージだった。
(取材・文/大前多恵)

≪セットリスト≫
1. ひだまり
2. 春になれば
3. 一つ傘の下
4. Rain+ByeByeBye
5. 夜明け前
6. 淡い雪のように
7. In my dream
8. My Precious
9. Band Instrument+お願いMy Bus
10. Let me cry
11. Crazy Crazy Crazy
12. Driving to the highway+I Will Promise You
13. Save me
14. Turn Off
15. Serenade
16. 風
<アンコール>
1. Beautiful change
2. Indian Summer
3. 陽の射す方へ+一緒につくったメロディ
4. 家に帰ろう
5. Feel the beat(Japanese ver.)

≪リリース情報≫
■Live DVD
『2015 JANG KEUN SUK THE CRI SHOW III ~MONOCHROME~ HALLver.』
2015.10.10リリース
¥6,980(税込)

■Live DVD
『2015 JANG KEUN SUK THE CRI SHOW III~MONOCHROME~ ARENA ver.(仮題)』
2015.10.10リリース
¥6,980(税込)

■Tour Photo Book
『2015 JANG KEUN SUK THE CRISHOW III HALL TOUR BOOK』
2015.06.05発売予定
¥2,160(税込)

≪関連リンク≫
チャン・グンソク 日本オフィシャルサイト
チャン・グンソク レーベルサイト
チャン・グンソク THE CRI SHOW3 DVD特設サイト
編集部おすすめ