■Closing Night - Keeper Of The Flame Tour 2014 -
2014.12.22(MON) at 日本武道館
(※画像8点)

バンド史上最長の全国ツアーを終え、追加公演として行われた、初の日本武道館ライヴ。オールスダンディングのアリーナはもちろん、スタンド席にもこれまでにない熱気が満ちている。
暗転し、ステージ前方の紗幕に映される映像とステージ裏にある映像とが重なり合う「Roller Coaster Ride Memories」の演出に目を奪われていると、前方の紗幕が落ち、じわじわと内側から爆発していくエネルギーを秘めた「The Ivy」が始まった。火柱が上がり、一気に会場の興奮も上昇する。「The Flare」の分厚いコーラスワーク、緻密なサンサンブルを迫力で聴かせる「My Own Worst Enemy」と、彼らの強い個性が塊となって押し寄せる。

「テンションが上がり過ぎてワケわからなくなる前に言っとくわ、今日は俺たちをここ日本武道館に連れてきてくれてありがとう。リハをずっとやってたんだけど、詰まんなかったよ、お前らがいないところで演奏するのは」と、笑顔を浮かべて語りかける細美武士。

最強のバンドのグルーヴによって壮大なスケール感が生み出される「Monkeys」、細美の弾くアコギとmasasucksのエレキのアルペジオが美しく絡み合う「Deerhounds」「Bitter sweet/Hatching Mayflies」、柏倉隆史の刻むドラムの細かいフレーズにウエノコウジの安定感あるベースと伊澤一葉の温かみのあるキーボードが混ざり合って構築されていく「Superblock」など、丹念に織り込まれた音と言葉の輝きが楽曲ごとに伝わってくる。

さらに、「Horse Riding」では手話通訳者がステージに登場するという試みを行い、「Tales Of Sorrow Street」「Souls」ではジェイミー・ブレイク(元ザ・レンタルズ)をゲストに迎え、ライヴの可能性を広げていく。

「神様がいるかいないかわからないけどさ、神様が必ず実行してくれている法則があるなと思って。すげえ頑張ったり努力していれば、ちょっとぐらい強くなれるじゃん、それだけは守ってくれている。だからthe HIATUS、来年も頑張ります。今日は来てくれてありがとう」という細美のMCから「Thirst」が始まり、エレクトロな要素を加えながらバンドが描く景色が刺激的になっていく。「Unhurt」でさらにその傾向は強まり、ダンスビートへと変化しながら会場を揺さぶっていく。


そして、ラストに向けて高まっていく「Insomnia」。細美のシャウトともに会場全体が合唱しジャンプを繰り返す場面はライヴハウスで見慣れた光景だが、武道館で見るとその感動もさらに大きい。その熱気は「紺碧の夜に」でピークに達する。高揚感あふれるメロディとサウンドが果てしない快感を与え、本編ラストの「Ghost In The Rain」で光に包まれて終了した。

2度のアンコールで「武道館はやってみて楽しかったけど、お前たちまでは遠い。またどこかの町の、汚い路地裏で会いましょう!」と述べて去った細美。しかし、武道館であっても、彼らの持つ深い表現力と、音が鳴った瞬間に聴き手をひきつける魅力は決して変わらない。すべてのオーディエンスを沸かせ、その感動をしっかりと残すthe HIETUSの音楽に、会場の規模は関係ないと改めて思わせてくれたライヴだった。
(取材・文/岡本明)

≪セットリスト≫
1. Roller Coaster Ride Memories
2. The Ivy
3. The Flare
4. My Own Worst Enemy
5. Storm Racers
6. Centipede
7. Monkeys
8. Deerhounds
9. Bittersweet / Hatching Mayflies
10. Superblock
11. Horse Riding
12. Tales Of Sorrow Street(feat.Jamie Blake)
13. Souls(feat.Jamie Blake)
14. Thirst
15. Unhurt
16. Lone Train Running
17. Something Ever After
18. Insomnia
19. 紺碧の夜に
20. Ghost In The Rain
<アンコール>
1. Twisted Maple Trees
2. Silver Birch
3. iting For The Sun

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