■神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~
2014.09.20(SAT) at 横浜スタジアム
(※画像6点)

ぽってりとした雨雲が空を覆った横浜スタジアム。席までの道すがら、男性ファンを多く目にし(男女のグループは特に多かった!)、客層がまた変化して、より縦にも横にも広がっているな、と改めて感じつつ中に入る。
直前、パラパラと雨が降り出すという、ちょっと不安な雰囲気の中、ライヴはスタート。オープニングには晴一作の“まどわずのもり”という、どこか昔話調のアニメーションが流れ、ちょっとホノボノした空気に。続いてステージにサポートメンバーが登場、そして晴一、最後に昭仁が現れての1曲目は「アポロ」だ。空からの水滴もほどなく止み、天空へ突き抜けるような演奏が、気持ちもカラリと爽やかに染め変えていく。「今宵、月が見えずとも」「リンク」を聴かせ、昭仁が挨拶。

「みんな元気? 雨も上がったし、行けるんでないの?」

その呼びかけにワァッと盛り上がる客席。毎回思うのだけれど、ポルノのライヴは聴き手がとにかく楽しそうで、それがステージとのいい相乗効果を生み出している。続く4曲目の「Please say yes,yes,yes」でも頭上での手拍子をしながら、思いきり弾けていた。その光景の中で聴くとまた演奏も格別で。この先どんな展開が待っているのかワクワクしてしまう。さて、9曲目のあとはこの日(9月20日)40歳になった晴一を紹介する。「おめでとう!」の呼びかけに笑顔で返してから、こんな話を。


「1週間前の天気予報が雨で、近付くにつれ晴れに変わってきて、そっからの当日雨っていう、モチベーションの維持がすっごく大変ってパターンで…でもさらに大逆転って感じじゃない? この天気は。なので、このままみんなで楽しんでいけたらいいなと思ってます!」

そんな中盤は“惑ワ不ノホーン”の面々とともに、厚く華やかなサウンドで高揚感を上昇させていく。「ラビュー・ラビュー」など久しぶりに聴く曲や、最新シングル「俺たちのセレブレーション」など新旧取り混ぜたラインナップ。特に「デッサン#1」は、デビュー前から演奏していたナンバーで、めったに聴くことが出来ないだけに、客席からも歓声が上がった。そのあとは「NaNaNaサマーガール」からスペシャルなメドレーへ。15周年を駆け足で振り返るような構成に会場のボルテージは上がりっぱなしだ。昭仁と晴一の表情も、実に気持ち良さそうで嬉しくなる。そのまま「ミュージックアワー」」「青春花道」など、アップチューンを聴かせて本編を締めくくった。

アンコールの1曲目は11月5日リリースの「ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~」。女性目線の詞といい、ピアノが印象的なサウンドといい、まるで映画を観ているような、切ないミディアムナンバーが胸をキュッと締めつけた。それが終わると晴一のためにみんなからの「ハッピーバースデー」が歌われ、テンションもライヴ自体も最高潮。ゴージャスなブラスが否応なしに盛り上がる「Mugen」、不動のラスト「ジレンマ」で、この夜のステージは熱く熱く結実したのだった。
エンディングで上がった花火が咲いた空は、冒頭の重苦しいものではなく、涼やかな初秋の夜空に変わっていた。
(取材・文/向出早那)

≪セットリスト≫
1. アポロ
2. 今宵、月が見えずとも
3. リンク
4. Please say yes, yes, yes
5. ダリア
6. 痛い立ち位置
7. グッバイサマー
8. ラビュー・ラビュー
9. 黄昏ロマンス
10. 俺たちのセレブレーション
11. PRISON MANSION
12. アゲハ蝶
13. ROLL
14. デッサン#1
15. メドレー (NaNaNaサマーガール~Sheep ~
Song of teenage love soldier~この胸を、愛を射よ~
サウダージ~メリッサ~Jazz up~PRIME)
16. ワンモアタイム
17. ミュージック・アワー
18. ハネウマライダー
19. 青春花道
<アンコール>
1. ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~
2. Mugen
3. ジレンマ

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