様々な映像作品の音楽を手掛け、近年はSennaRinやNAQT VANEのプロデュースでも注目を集めている澤野弘之。そんな彼のボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキ ヌジーク)のプロジェクト始動10周年記念ベストアルバム『bLACKbLUE』が10月2日にリリースされた。


今回のインタビューでは、10周年を迎えるまでの[nZk]のストーリーを振り返りつつ、本作『bLACKbLUE』に名を連ねるASKA岡野昭仁ポルノグラフィティ)、Aimerをはじめとした豪華アーティスト陣とのコラボレーションにまつわるエピソードも語ってもらった。さらには、TM NETWORKのトリビュートアルバムにて「BEYOND THE TIME」をカバーした件~小室哲哉から受けた影響など、澤野弘之および[nZk]のルーツについても掘り下げた貴重なテキストとなった。

ー[nZk]始動10周年記念ベストアルバム『bLACKbLUE』の話を伺う前に、今春『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』にてSennaRinさんと「BEYOND THE TIME」をトリビュートした件について話を伺わせてもらってもいいですか。

澤野弘之:参加させて頂けてすごく光栄でしたね。僕は学生時代にTM NETWORKの音楽を聴いて、小室哲哉さんのアプローチの仕方にも影響を受けました。その前にASKAさんの影響を受けて、当時はシンガーソングライターになりたいと思っていたんですけど、自分が歌うのは違うなと。そんな中でTM NETWORKを知って「キーボードで曲を創っている人がこんなに目立っているバンドがあるんだ!」と驚いて、こういう在り方を目指すのもアリかもしれないなと思ったんですよね。

ー澤野さんのスタイルのひとつのルーツになっていると。

澤野弘之:そういうTMに対する思い入れがある中で、トリビュートアルバムに参加することができた。これは本当に嬉しいことだったんですけど、運が良かったなって。きっと僕はガンダムの音楽を担当していたから声をかけてもらえたと思うんですよね。それと『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が繋がって、その主題歌だった「BEYOND THE TIME」をカバーさせてもらえることになった。
だからラッキーだったなって。

(※澤野弘之は『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダムNT』『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の劇伴やテーマ曲、お台場「実物大ユニコーンガンダム立像」の演出プログラムやテーマ曲を担当している)

ー「BEYOND THE TIME」にはどんな印象を持たれていました?

澤野弘之:自分がガンダムを観てみようと思ったのは、作曲を教えてくれていた先生がガンダム世代で「観てみれば?」と言われたのもあるんですけど、TMを聴いていく中で「BEYOND THE TIME」を知って、後追いで『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を観たんですよ。で、映像と共にあのエンディングへの入り方を目の当たりにしたら「BEYOND THE TIME」の聴こえ方が変わって。それで「BEYOND THE TIME」がこんなに支持されているのは、この作品との親和性があったからこそなんだろうなと気付いたんです。

ー今のエピソード、その後の澤野さんの劇伴やテーマ曲などの仕事にリンクする話ですよね。

澤野弘之:たしかにそうですね。映像を通して聴くと音楽の印象が変わっていく。それを実感して意識するようになった体験のひとつでした。

ーそんな「BEYOND THE TIME」をSennaRinさんとカバーしてみていかがでした?

澤野弘之:すごく楽しかったです! FANKS(※TM NETWORKファンの呼称)の皆さんに伝わっていたら嬉しいと思うのは、TMのバージョンは宇都宮隆さんがそんなに激しく歌わずクールに歌ってるイメージなんですけど、僕らがカバーするならソレの逆をやろうと。敢えて激しくエモーショナルに聴こえるように歌う。なので、キーの設定もクールに聴こえるように落とすんじゃなくて、SennaRinの中でも激しい声を出さなきゃいけないぐらいのキーに設定しました。だから、Aメロから大変そうではあるんですけど、そのほうが違いが出るし、僕らがカバーする意味もあると思ったんです。


ー実際にそれを感じ取っているFANKSは多いと思います。オリジナルはストーリーテラーのように俯瞰的に歌っている印象に対し、SennaRinさんはその世界の主人公のように主観で歌っている印象を受けるんですよね。

澤野弘之:それを感じ取ってもらえたのなら嬉しいです。あと、TMのトリビュートの話をする機会がこれまでなかったので、ここで語らせえてもらえて有難いです!

ーちなみに、TM以降の小室哲哉さんは幾多数多のアーティストのプロデュース楽曲をリリースしてきました。澤野さんも今回のベストアルバム『bLACKbLUE』のトラックリストを見れば分かる通り、幾多数多のアーティストと楽曲を制作していますが、そういった面でも何らかの影響は受けているんでしょうか?

澤野弘之:本当に偶然なんですけど、今日ここに来る前に小室さんのドキュメンタリーをたまたま観ていたんですよ。その内容も含めて話すと、小室さんはプロデューサーとしてアーティストを売る為にはどうしたらいいか、それをすごく考えられていた。でも僕には、もちろんひとりひとりのボーカリストのことを考えて楽曲制作されていたと思うんですけど、小室さんが主役として存在しているように見えるところもあったんです。

ー真ん中にいるイメージでしたよね。

澤野弘之:プロデューサーだけど、主軸にいるイメージ。いろんな人に合わせてカメレオンみたいに曲を提供できるプロデューサーも凄いと思うんですけど、僕は「小室哲哉、ここにあり」みたいな姿勢でプロデュースしている存在に憧れていたんですよね。小室さんはプロデューサーだけど、やっぱりアーティストなんですよ。そこは自分がのちのち音楽活動をしていく中でも影響を受けていたと思います。
別に出しゃばるわけではないけれども、自分という存在をちゃんと感じ取ってもらえるような音楽活動を劇伴にしても、プロデュースにしても、この[nZk]にしてもやっていたい。そういう気持ちは常にどこかにある気がします。

ーそうした想いから生み出されてきた[nZk]の楽曲の数々が、今回のベストアルバム『bLACKbLUE』に収録されています。10年の歩みを振り返る機会になったと思うのですが、どんなことを感じたりしました?

澤野弘之:そもそもスタートしたときは10年もやれるなんて思っていなかったですし、1枚アルバムを出して、その次が必ず待っている感じでもなかったんですよ。[nZk]は基本的に作品ありきというか、タイアップがあってシングルを切ることが多かったので、他のアーティストみたいに定期的にアルバムを出すような流れが約束されていなかったんです。なので、続けられるだけ続けていく感じなんだろうなと思っていたら、あっという間になんだかんだ幸せなことに10年経っていた。でも、その10年があったからこそ広がっていったというか、変化していけた部分があって。

ーどう変化していったんでしょう?

澤野弘之:当初は著名なアーティストとコラボすることなんて全然考えていなくて、基本的には新人に近いボーカリストたちと新しいモノを創っていけたらいいなと。それでスタートしたんですけど、3rdアルバム『R∃/MEMBER』でコラボ企画みたいなことをやって、キャリアのある人とコラボするということの面白さも感じ取れたから、ソレをそのあとも全曲じゃないにしてもアルバムごとにトライしていって。その流れがあったからこそ、去年のアルバム『V』で自分が尊敬しているASKAさんとコラボできるプロジェクトにまで成長させていくことができたんですよね。それは最初の5年ぐらいでは出来なかっただろうし、10年続けてきたから得られたものなのかなと思いますね。

ー[nZk]最初のボーカリスト・mizukiさん。
今回の『bLACKbLUE』にも彼女の歌がいくつも収録されていますけど、どうやって見つけ出したんですか?

澤野弘之:紹介ですね。何人かのボーカルを提案されていたんですけど、最後の最後に「こういう子がいます」とmizukiさんを紹介されて、「この人とやったら面白いかも」と一緒にやることになりました。ちなみに、最初はボーカリストをどんどん変えていくプロジェクトになると思っていなかったんですよ。それこそ小室さんのglobeみたいな感じで、ずっと同じ体制でやっていくと思っていて。そのイメージで見つけたボーカルが彼女だったから、やがていろんな人が[nZk]の曲を歌っていくことにはなるんですけど、10年経った今も彼女にボーカルを頼むことが多いのは、そういう経緯があった事も多少関係しているかもしれませんね。

ーそんなmizukiさん。今の澤野さんや[nZk]にとってはどんな存在になっているんでしょう?

澤野弘之:パッと浮かんだ言葉をそのまま伝えると、安心する存在。「安心」という言葉がmizukiさんにとって嬉しくない言葉だったら申し訳ないんですけど、要するに信頼している。僕は歌う人を想定して曲を創るんじゃなくて、曲を創ってからボーカリストを決めるんですけど、その為のボーカルチェックをするときにどういう相乗効果が生まれるのか見えなかったり、「大丈夫かな?」と思うことも時にはあるんです。でも、mizukiさんは歌った瞬間に完成形が見えるというか、自分が目指しているものに辿り着くことが分かるんです。それはSennaRinや、最近だとLacoさんに対しても言えることですね。信頼も置けるし、時にハッとさせられるようなアプローチもしてくれる。
だからこそ、1回歌って終わりじゃなく複数の曲を歌って頂いているんです。

ー『bLACKbLUE』は、CD2枚組(※初回生産限定盤は【2024.6.2 澤野弘之 LIVE [nZk]008 at NHKホール】収録のBlu-ray同梱)となっていますが、どんなテーマでDISC1と2の収録曲を決めていったのでしょう?

澤野弘之:最初は各アルバムから昔の曲と今の曲を交互に入れるつもりだったんですけど、手に取ってくれた人にもう少し分かりやすくしたほうが面白いかもと思って、1はコラボ曲、2は普段ライブとか一緒にやっているボーカリストの曲に分けることにしたんです。そしたら、コラボを始めたのが3rdアルバムからなので、1はこの10年の中盤から今に至るまでの曲になって、2は初期から今に至るまでの曲になったんですよね。なので、1はわりと最近の僕のサウンドになっているんですけど、[nZk]を始めた当初はニッケルバックとか海外のロックの影響が強かったので、2はロックからEDMに至るまでの時代の流れを感じられると思います。

ーその1と2のどちらにも選曲されているAimerさんも[nZk]の歴史を語る上で欠かせないアーティストだと思うのですが、澤野さんにとってどんな存在だったりするんでしょう?

澤野弘之:最初に『機動戦士ガンダムUC』でAimerさんに楽曲プロデュースする流れがなかったら、そのあとソニーと「[nZk]をやっていこう」という話にも繋がらなかったかもしれないので、[nZk]にとって重要な存在です。第0弾作品として『UnChild』というガンダムとコラボしたアルバムを彼女とがっつり創れたことも[nZk]にとって重要なことでしたし。Aimerさんはそのときから曲に対しての向き合い方、取り組む姿勢に刺激を受けさせてもらっているボーカリストですね。常に自分のやったことに対して向き合いながら、それを次に生かして形にしていく人なんですよ。だからこそ今あれだけ多くの人に支持されて、いろんなアーティストたちに信頼されるボーカリストになっているんだと思います。

ーAimerさんもそうですが、こうして改めて[nZk]に参加してきたラインナップを見ると凄まじいですよね。ASKA、岡野昭仁(ポルノグラフィティ)、Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)、suis(from ヨルシカ)、アイナ・ジ・エンド、西川貴教、秦基博岡崎体育、優里、スキマスイッチ、ReoNa、たかはしほのか(リーガルリリー)、河野純喜&與那城奨(JO1)、TOMORROW X TOGETHER等々(※敬称略)。このメンツでフェスやったら伝説になりますよ(笑)。


澤野弘之:ハハハハ! でも、これだけの方たちが参加してくれることになったのは、もちろん自分の音楽性に興味を持ってもらえたのであれば嬉しいんですけど、やっぱりアニメ作品の影響が大きかったと思うんです。ひとつひとつのアニメ作品があったからこそコラボできた人たちもたくさんいますし。そこにはすごく感謝しています。あとはもちろんご一緒させてもらったアーティストの方々にも感謝ですね。皆さん、僕が創る曲にすごく寄り添ってくれたんですよ。コラボを始める前は、キャリアのある人たちには自分のやり方があるから、それを受け入れるぐらいの気持ちで挑まなきゃなと思っていたんですけど、蓋を開けてみたら「いや、澤野くんのやり方に寄せるから」みたいな。そういう方ばかりだったんですよね。必要とされることを全力でやる。その真摯な姿勢があるからこそ、皆さん、第一線で活躍しているんでしょうね。

ーASKAさんに関しては、子供の頃から憧れていたアーティストですよね。一緒に「地球という名の都」を制作されてどんな気持ちになりましたか?

澤野弘之:プロの作曲家として仕事を始めたときから、どれだけ多くの人に曲を聴いてもらえるか、どれだけ澤野弘之の音楽を認識してもらえるか、それを目標に今も活動しているんですけど、そこへ向かっていく中で、自分が音楽を始めるきっかけとなったASKAさんといつかご一緒できたらいいなっていう想いは、ずっとどこかにあったと思うんです。それが去年、作曲家を始めてからカウントすると18年目で実現することができたので、音楽を続けてきたご褒美のように感じられました。ASKAさんも「今回は澤野くんのプロデュースだし、澤野くんのプロジェクトに乗っかるわけだから、澤野くんが思うようにやってくれていいし、何か違うところがあったらいくらでも言ってくれ」みたいな感じで、僕の楽曲に寄り添って表現してくれたんですよね。それも含めて本当に感慨深かったです。

ー初回生産限定盤のBlu-rayに収録されている【2024.6.2 澤野弘之 LIVE [nZk]008 at NHKホール】でもASKAさんと共演されていますよね。しかもCHAGE and ASKAの名曲「WALK」まで披露されていますが、どんな気持ちだったんですか?

澤野弘之:僕も演奏しなきゃいけないので、さすがにライブ中に泣いたりはしなかったんですけど(笑)。でも、今でも愛聴しているぐらい好きな曲なんですよ。[nZk]の2ndアルバムのタイトル『2V-ALK』はこの「WALK」の影響で付けたぐらい。あと、昔のインタビューとか読んでみると、ASKAさんはある時期までヒット曲に捉われていたらしいんですね。なかなかヒットシングルが生まれなくて、結構模索していたんだけれども、この「WALK」を創るタイミングぐらいから「自分たちが良いと思うモノを創っていこう」という姿勢になったみたいで。そしたら数年後に「SAY YES」が爆発的にヒットして、その流れで発売当初ヒットしなかった「WALK」もめっちゃ売れるんですよ。そういう自分の音楽を信じ続けていく姿勢には、僕も背中を押してもらえたというか、自分もブレずに「これが良い」と思うモノを創っていこうと思えたんですよね。

ー様々な影響を受けているんですね。

澤野弘之:そういう意味でも大好きな曲なので、ASKAさんとライブでご一緒させて頂く際に1曲はASKAさんの曲をやりたいと思っていたんですけど、お客さんに親切なのは「SAY YES」や「YAH YAH YAH」だろうなと思いつつも、どうしても「WALK」をやりたくて。このライブ用にアレンジして披露したんですけど、とにかく嬉しかったし、楽しかったです! ASKAさんを迎えるから「どれだけ緊張するのかな?」と思っていたんですけど、このライブは緊張から解放されてとにかくずっと楽しかったというか、お客さんも楽しんでいることを物凄くダイレクトに感じられたんです。そういう意味でも万全な体制でASKAさんに出てもらえて、「ASKAさんのあのライブ、観ていたんだよなぁ」と思い出したりしながら「WALK」も演奏させてもらいました。

ーまた、本作には、ボーナストラックとして澤野弘之×Awich「Twin Fates」が収録されています。この異種コラボはどのような流れで実現に至ったのでしょうか?

澤野弘之:これは『マジック:ザ・ギャザリング『エルドレインの森』アニメーショントレーラー起用楽曲』で、Awichさんサイドから僕のところに話が来たんですよね。Awichさんは芯のある女性像をしっかり持っている方じゃないですか。自分の意見をしっかり発する格好良いアーティストなので、僕の提出した曲に対して「ちょっとこれは」ってなるかもしれないなと思っていたんですけど、その曲に自分なりの表現をどうぶつけるか真剣に考えて下さって。プロ意識の高さをすごく感じましたね。

ー澤野さんとヒップホップアーティストが絡むこと自体もレアなので、貴重なコラボだなと思いました。

澤野弘之:たしかに。僕自身がヒップホップにそこまで傾倒していないので。でも、例えば、1998年版映画『GODZILLA』のエンディング曲「カム・ウィズ・ミー」には影響を受けていたりするんですよ。レッド・ツェッペリンの「カシミール」をサンプリングしていてめっちゃ格好良いんですよね。でも、あれはラップももちろん格好良かったんですけど、僕はそのトラックに惹かれたんです。作り込まれたトラックやエモーショナルなサウンドの中でラップをアプローチする曲は好きなんですよね。例えば、エイジアン・ダブ・ファウンデイションもバックトラックがポップで好きですし。自分も劇伴では、Davidというラッパーにロックっぽいサウンドでラップしてもらったりはしていて。なので、このタイミングでAwichさんとコラボできたのは嬉しかったです。

ー本作には、SennaRin初の[nZk]参加楽曲「B-Cuz」も収録されています。2022年のメジャーデビュー時よりプロデュースしている女性アーティストですが、そもそもどういう流れで澤野さんがプロデュースすることになったんですか?

澤野弘之:[nZk]はひとりのボーカリストをフィーチャーし続けるプロジェクトでは無いので、それを今やってみたときに何が見えるのか知りたかったんですよね。で、エイベックスの人に相談している中で形になったのがNAQT VANEで、ソニーの人に相談している中でプロデュースすることになったのがSennaRinだったんです。SennaRinはいろんなことに挑戦できる歌声だなと思ってプロデュースするようになって、それから3年ぐらい一緒にやってきているんですけど、常に「こういうことをやったら面白いんじゃないか」と思わせてくれるんですよ。海外のアーティストって真面目に歌うだけじゃなくて、ふざけた声を出したりするじゃないですか。それがフックになったりする。SennaRinもそういうことをやれるタイプのボーカリストだと思うんですよね。

ーそれは貴重ですね。

澤野弘之:彼女自身も「私はこういう表現はしたくないです」みたいなタイプじゃなくて、逆に「面白いからやってみましょうよ」と言うタイプなので、いろんなアプローチが出来るんですよ。ちなみに、今回レコーディングした「B-Cuz」は、Aimerさんと創った[nZk]第0弾アルバム『UnChild』の中に「Because we are tiny in this world」という曲があって、それも今回のベストに入れたかったんですけど、せっかくだったら新しいバージョンに変えて表現したいなと。で、SennaRinは、SennaRin from SawanoHiroyuki[nZk]の形で海外のイベントに出てもらってはいたんですけど、ちゃんと[nZk]でフィーチャリングしたことはなかったので、今回のベストでフィーチャーしようと。それで「Because we are tiny in this world」の歌詞を彼女なりに書き換えてもらって、新しい曲としてSennaRinに歌ってもらったんですよね。

ーそんな聴きどころ満載のベストアルバム『bLACKbLUE』ですが、どんな風にリスナーの皆さんに楽しんでほしいと思いますか?

澤野弘之:[nZk]ってなんでこんなにいろんなアーティストが参加しているんだ?と興味を持ってもらって、そこから「サウンドも面白いじゃん」と思って聴いてくれたら嬉しいですね。あと、今回『bLACKbLUE』というタイトルにしたのは、DISC1と2のどっちがブラックでブルーみたいなイメージを付けたかったわけじゃなくて、聴く人によって「こっちのほうが青っぽく感じる」とか自由に捉えてもらえればと思っているので、そんな風に[nZk]のいろんな面を感じ取ってもらえたらいいなと思っています。

ーでは、最後に[nZk]10周年以降のヴィジョンなどありましたら聞かせてください。

澤野弘之:これまでと変わらず、一緒にやってくれるボーカリストとこのプロジェクトを必要としてもらえる作品と、常に有意義な音楽制作をしていくことがいちばん大事だと思っていて。その中でライブも続けながら、[nZk]の音楽に興味を持ってもらえる人たちを増やしていけたらなって。なので「こうしなきゃ!」って変に気負うことなく自分がやりたいことをやりつつ、参加してくれる人たちやリスナーの皆さんにも満足してもらえる音楽を創り続けていきたいと思っています。

<リリース情報>

SawanoHiroyuki[nZk]が語る10周年ベストアルバム、小室哲哉、ASKAからの影響


SawanoHiroyuki[nZk]
BEST ALBUM『bLACKbLUE』
2024年10月2日(水)発売
https://sawanohiroyuki.lnk.to/bLACKbLUE_PKG
●初回生産限定盤(2CD+Blu-ray)
品番:VVCL-2581~2583 金額:7700円(税込) 7000円(税抜)
●通常盤(2CD)
品番:VVCL-2584~2585 金額:5500円(税込) 5000円(税抜)
[CD]
DISC 1
1. 地球という名の都 by SawanoHiroyuki[nZk]:ASKA
2. EVERCHiLD by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano (ポルノグラフィティ)
3. Chaos Drifters by SawanoHiroyuki[nZk]:Jean-Ken Johnny
4. B∀LK by SawanoHiroyuki[nZk]:suis (from ヨルシカ)
5. FAVE by SawanoHiroyuki[nZk]:AiNA THE END
6. s-AVE by SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
7. NOISEofRAIN by SawanoHiroyuki[nZk]:Takanori Nishikawa
8. COLORs by SawanoHiroyuki[nZk]:Hata Motohiro
9. 膏 by SawanoHiroyuki[nZk]:okazakitaiiku
10. 7th String by SawanoHiroyuki[nZk]:ReN
11. Till I by SawanoHiroyuki[nZk]:優里
12. never gonna change by SawanoHiroyuki[nZk]:スキマスイッチ
13. LilaS by SawanoHiroyuki[nZk]:Honoka Takahashi
14. time by SawanoHiroyuki[nZk]:ReoNa
15. OUTSIDERS by SawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜&與那城奨 (JO1)
16. Trollz by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
17. Avid by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
18. LEveL by SawanoHiroyuki[nZk]:TOMORROW X TOGETHER
[bonus track]
19. Twin Fates by 澤野弘之×Awich

DISC 2
1. aLIEz by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
2. Into the Sky by SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
3. DARK ARIA by SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
4. Pretenders -eO1- by SawanoHiroyuki[nZk]:mica
5. Club Ki3ε by SawanoHiroyuki[nZk]:Gemie
6. FLAW(LESS) by SawanoHiroyuki[nZk]:Yosh
7. i-mage by SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
8. ёmot1on by SawanoHiroyuki[nZk]:Eliana
9. NEXUS by SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
10. Keep on keeping on by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
11. Next 2 U -eUC- by SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
12. LEMONADE by SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
13. Summer Tears by SawanoHiroyuki[nZk]:mica
14. VV-ALK by SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
15. CRY by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
16. N0VA by SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
17. odd:I by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano (ポルノグラフィティ)
18. Christmas Scene by SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki & Tielle
19. B-Cuz by SawanoHiroyuki[nZk]:SennaRin

[Blu-ray] ※初回生産限定盤のみ収録
2024.6.2 澤野弘之 LIVE [nZk]008@NHK ホール
[Introduction] Battle Scars (Vo. Laco)
Trollz (Vo. Laco)
Never Stop (Vo. Laco)
FAKEit (Vo. Laco)
TRACER ~ BITE DOWN (Vo. Benjamin&mpi)
RUSH (Vo. Benjamin&mpi)
Inferno (Vo. Benjamin&mpi)
DOA (Vo. Aimee Blackschleger)
Light your heart up (Vo. Aimee Blackschleger)
Release My Soul (Vo. Aimee Blackschleger)
DARK ARIA (Vo. XAI)
LEMONADE (Vo. XAI)
Cage (Vo. XAI)
Avid (Vo. mizuki)
EGO (Vo. mizuki)
Keep on keeping on (Vo. mizuki)
IVORY TOWER ~ NOD (Vo. SennaRin)
mЁЯR0r (Vo. SennaRin)
Reaper ~ Call of Silence (Vo. SennaRin)
地球という名の都 (Vo. ASKA)
EVERCHiLD (Vo. ASKA)
WALK (Vo. ASKA)

澤野弘之オフィシャルサイト:http://www.sawanohiroyuki.com/
SawanoHiroyuki[nZk] オフィシャルサイト:http://www.sh-nzk.net/
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