■Golden Circle Vol.18
2013.10.13(WED)、14(THU) at 大阪城ホール
(※画像16点)

先日、日本武道館2日間公演を終えた寺岡呼人主宰の【Golden Circle】が11月13日(水)と14日(木)に大阪城ホールにて公演を行なった。東京公演から引き続いて参加する桜井和寿に加え、大阪では奥田民生が参戦した。


開演時間になるとステージのモニターには、寺岡呼人の友人代表としてロンドンブーツ1号2号の田村淳が現れる。このサプライズにお客さんは大喜び。田村淳のVTRによる開演の宣誓に続いて、ステージには寺岡呼人に桜井和寿、奥田民生が登場。大阪で【Golden Circle】が開催されるのは2009年のVol.13以来4年振り。そんな待ちに待った大阪のファンに向けて、それぞれ5回目の出場となる桜井に奥田という【Golden Circle】を代表する黄金の3人が顔をそろえてのオープニングだ。曲はGolden Circle名義で2007年にリリースされチャート1位となった「ミュージック」。
ステージ後ろまで埋まった客席は1曲目から総立ちとなった。

桜井と奥田は一旦さがり、寺岡は「僕がリスペクトして、やまない方です!」とステージに呼び入れたのは、日本を代表するブルース・ハープ奏者の八木のぶお。【Golden Circle】を始めた時から、ずっと呼びたかったそうで、この日ようやく共演が実現。八木の吹く艶やかでブルージーなハープが広い大阪城ホールの会場に響き渡った。

14日(木)には、今回ピアニストとしてサポートで参加している韓国のシンガー・ソングライターのKが登場。寺岡が作詞とアレンジを担当した「dear・・・」を歌う。
そして、「レディース&ジェントルマン! 日本で最もユニークなトリオを紹介します!」の場内MCに誘導され、髪を七三に分け、黒のアタッシュ・ケースを持った地味なスーツ姿の男3人が現れる。ステージ中央に立つと、眉間にしわを寄せ、親指と人差し指を顎に当てる決めポーズ。なんだか、あの日本でいちばん有名な銀行員を連想させる。この奇怪な男3人は謎の新人“ミスターテラダレン”。寺岡呼人と奥田民生は、かつて“寺田”なるユニットを組んでいたが、これに桜井和寿が加わって“寺田”の発展系新ユニットがこの夜、唐突に誕生。荒井由実の「ひこうき雲」等のニュー・ミュージックからJ-POP、歌謡曲に洋楽と、縦横無尽にカバー曲を披露。
1曲終える度に、例のポーズを3人で決め、場内は抱腹絶倒の嵐。【Golden Circle】は、”何か”が生まれることで知られるイベントだが、なんとも強力なユニットが生まれたものだ。なお、ミスターテラダレンは14日(木)公演では、アンコールに登場した。

この後は、寺岡呼人コーナー。11月6日にリリースされた20周年記念2枚組ベスト『MASTER PIECE』に収められた楽曲から演奏したのは、東京公演と同様のセットリスト。だが、東京と圧倒的に違うのは八木のぶおの存在。
寺岡の書くポップで力強いメロディが、ブルース・ハープが加わることで渋みと艶が出る。同じ曲を演っていても、見事に印象が変わるのだ。まさに音楽における幸せな化学反応。寺岡が、八木を招いた理由がよくわかった。

桜井和寿が歌った「くるみ」「Tomorrow never knows」や「星になれたら」のMr.Childrenのナンバーは、全て寺岡呼人のリクエスト。特に「星になれたら」はデビュー前の桜井と寺岡で作った思い出の曲。
20数年前、二人が別々のバンドで大阪のライヴハウスに出演した翌日、大阪城公園の城天(ホコ天)でも、この曲を一緒に演奏したそう。奇しくも20数年後のこの夜、同じ大阪城公園内で当時は野外、今は屋内で「星になれたら」を一緒に歌った。

また、奥田民生が出演していることもあって、桜井はユニコーンの「Maybe Blue」をカバー。この曲は、Mr.Childrenがあるオーディションに出場した際、ゲストに来ていたユニコーンが演奏していたという。当時の彼らは暗めの曲を書いていたそうで、ユニコーンの演奏を見て「これからは、こういう曲を作らなければいけない!」と大いに影響を受けたらしい。桜井にとっては思い出の曲だ。
「今の民生くんが、まずやらないであろう曲! 完コピします!」と原曲に忠実に歌い、会場から大喝采を浴びた。

桜井がユニコーンの曲をやるならと、奥田民生は「innocent world」のカバーを披露。なんとドラムを叩いているのは、Mr.ChildrenのJENこと鈴木英哉(13日公演のみの参加)。本家のドラマーをサプライズ・ゲストとして登場させるという、楽しい禁じ手にオーディエンスは大喜び。この勢いをそのままに、本編ラスト・ナンバーで「ヒゲとボイン」を歌うと、会場内はを熱気と興奮の坩堝と化した。また、14日の最終日公演では、この後に桜井和寿が加わって「大迷惑」を演奏し、最高潮の盛り上がりを見せた。

アンコールの1曲目は寺岡と桜井のふたりで作った新曲「バトン」。来春リリースの寺岡呼人のアルバムに収録を予定され、未来を担う次の世代に向けての応援ソングだ。続いての「名もなき詩」では、再びJENが参加。さらに奥田民生が入って「イージュー★ライダー」と、怒濤のメガ・ヒット曲攻撃。ラストは、今年でソロ・デビュー20周年を迎えた寺岡からファンに向けて感謝の想いを込めて書かれた新曲「ご贔屓に~for Fan~」を歌い、3時間超にも及んだ【Golden Circle Vol.18】が終了した。

なお、【Golden Circle Vol.18】の東京・大阪公演の模様は2014年1月3日(金)にWOWOWにて放送される。

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