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金曜ロードSHOW「平成狸合戦ぽんぽこ」「左」の高畑勲だから描ける真実、滅びのリアル

クリエイティブと固く結びついた高畑監督の「左」


スタジオジブリのツートップの一人、高畑勲監督が左がかった考えの持ち主というのは、ご本人も隠そうともされていないことです。
たとえば『かぐや姫の物語』でも「私がそなたを望めば、そなたは私のものになるのだ」と刺さりそうな顎でセクハラする御門や、高貴な姫君としての生き方を強いる義理の父に反発して「私は生きるために生まれてきた!」と叫ぶかぐやなど、天皇制批判やフェニミズムを隠喩どころかセリフで喋らせている。もうちょっとオブラートに包んでも……と思える直球さでした。
東大仏文科卒業後、東映動画に入社。そして労働組合に参加して委員長に就任し、盟友・宮崎駿監督と出会ったのも労働争議の中です。東映動画の劇場長編でも最高傑作の一つといわれる『太陽の王子ホルスの大冒険』のスタッフもほとんどが労組組合員で、制作期間3年、1億3千万円もの制作費(現在だと約5〜6億円)を勝ち取れたのも労組運動のたまもの。クリエイティブと闘争は2つで一つ、矛盾どころか支え合っていたわけです。
金曜ロードSHOW「平成狸合戦ぽんぽこ」「左」の高畑勲だから描ける真実、滅びのリアル
「平成狸合戦ぽんぽこ」(DVD)ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

狸コミュニティの格差社会まで抉りだす高畑リアリズム


今夜、日本テレビ系の金曜ロードショーで2年ぶりに放映される『平成狸合戦ぽんぽこ』も、そういう文脈で語られやすい高畑アニメの一つです。ときは高度経済成長期、多摩丘陵が造成されてニュータウンの開発が急激に進み、山がのっぺら丘にされて住処を奪われつつある狸たち。危機感から対策会議を招集し、何かに化けたり幻を見せる「化け学」で脅かして人間を追い出そうとあれやこれや。そして「妖怪大作戦」という一世一代のイベントをやり遂げるが、テーマパークの宣伝にすり替えられてしまい、押し寄せる近代化の波に飲み込まれていく……。

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