■MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012
2012.05.25(FRI) at 東京ドーム
(※画像08点)

4月半ばからスタートした6大ドーム・ツアー【MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012】が、ファイナルを迎える直前に行われた東京ドーム公演(5月23、25、26日)。

オリジナル・アルバム発表後のツアーではないだけに(しかも、デビュー20周年という記念すべき年に行うツアー!)、彼らがどの時代のどんな曲を約2年半ぶりのドーム・ツアーで届けてしてくれるのかを、チケットを手にした時から楽しみにしていたファンも多かったことだろう。
そのワクワクした想いは、1曲目「エソラ」でライヴが華やかに幕を開けた瞬間から、大歓声と歌声に変った。MCで、桜井和寿は「イントロが鳴った瞬間に盛り上がって、いろんな想いが会場に渦を巻くようなライヴにしたくて、今回のツアーの選曲をした」と言っていた。その言葉通り、「LOVE」はいつかの恋を、「くるみ」や「365日」は大切な人への想いを、「終わりなき旅」は人生の岐路に立った頃の自分を、きっと一人ひとり胸の中いっぱいに広げてくれた曲になっただろう。メインステージから長く伸びた花道の先にある小ステージで演奏した「くるみ」「Sign」は、こんなにも多くの人たちが彼らの目の前にいるのに、まるで一対一の歌のようだった。これまでライヴで演奏したことがなかった「デルモ」や、桜井が1994年に初めて沖縄を訪れた時の記憶を刻んだ「1999年、夏、沖縄」は、発表時からずいぶん月日が経っているにも関わらず、今の時代を生きる私たちに届くメッセージを持っていた。また、「GIFT」で、桜井が<君から僕へ 僕から君へ>と歌った時、客席にいる一人ひとりの“君”に向かって掌を差し出したあと、自分の胸元にその掌をそっと置いたその姿からは、自分たちの歌を愛してくれる君と僕(Mr.Children)を繋げてくれるMr.Childrenの音楽はみんなと近い距離にあるのだと改めて思わせてくれた。また、桜井がアンコールで、東京ドームがある場所にかつてあった後楽園球場で、中学2年の時に父親と野球観戦した思い出を話した後、「東京」を弾き語りした場面は、作り手である彼もまた私たちと同じように、Mr.Childrenの歌は彼自身の大切な記憶や思い出を蘇らせてくれる歌なのだと感じられて、とても印象的だった。

約11年ぶりの【POPSAURUS】ツアーには、Mr.Childrenが歩いてきた20年の軌跡と成長があり、みんなが聴きたいと思う曲がたくさんあり、今という時代を反映させた曲や未来へと続く歌があった。デビュー20周年という大きな節目を迎えた巨大な恐竜POPSAURUS(Mr.Children)が、今のこの時代に、2012年に鳴らしたかった音と言葉は、次なる彼らの新しい作品への期待を大きく膨らませてくれた。
(取材・文/松浦靖恵)

≪セットリスト≫
1. エソラ
2. 箒星
3. youthful days
4. LOVE
5. GIFT
6. Everything(It’s you)
7. デルモ
8. End of the day
9. 終わりなき旅
10. Dance Dance Dance
11. ニシエヒガシエ
12. フェイク
13. 365日
14. くるみ
15. Sign
16. 1999年、夏、沖縄
17. ロックンロールは生きている
18. Worlds end
19. fanfare
20. innocent world
<アンコール>
1. 東京
2. 彩り
3. overture~蘇生
4. 祈り~涙の軌道

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