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毒母のせいで自己評価が低い、悪夢のような容貌重視社会を生きる少女の切実

《吉屋信子少女小説集》(文遊社)全5巻の刊行が始まりました。。
第1回配本、第1巻は『からたちの花』(1933)です。
毒母のせいで自己評価が低い、悪夢のような容貌重視社会を生きる少女の切実
《吉屋信子少女小説集》第1巻『からたちの花』(文遊社)。1,800円+税。解説=川崎賢子。カヴァー=松本かつぢ。掲載誌《少女の友》で当時編集長だった内山基の回想エッセイ「『からたちの花』の思い出」を再録。

表紙画像にダマされないこと


少女小説というと、表紙絵が中原淳一や藤井千秋なんかの叙情画の、かわいらしい少女というイメージがあります。
この作品も、表紙に松本かつぢ(1904-1986)描く美少女が用いられています。
けれど、大正・昭和初期の少女小説は、ライトノベルではありません。叙情画もまた、現在の萌え絵とは少し違うものです。
どういうことかというと、表紙画は、必ずしも作中のキャラクターの姿ではないのです。
というのも、『からたちの花』は、容貌に恵まれないことを気に病む少女が主人公なのです。

少女小説版『ジェイン・エア』?


吉屋信子の少女小説の特徴は、「異性愛」の気配を必ず消していることです。出世作『花物語』しかり、私の大好きな『わすれなぐさ』しかり。
毒母のせいで自己評価が低い、悪夢のような容貌重視社会を生きる少女の切実
吉屋信子『花物語』上巻(河出文庫)。950円+税。下巻の解説は私・千野帽子がお送りしております。

にもかかわらず、吉屋信子の少女小説の多くは、ロマンスの香気を漂わせています。
恋愛なしでロマンスの香りを出すには、ヒロインが美少女である必要があるわけですが、『からたちの花』は、そこを敢えて封印した、ビターな作品なのです。
ヒロインが不美人という設定のロマンスというと、シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』(1847)がそうですが、その集英社文庫版の表紙画が美人の絵なのと同じくらい、内容とかけ離れた表紙だと思ってください。
毒母のせいで自己評価が低い、悪夢のような容貌重視社会を生きる少女の切実
シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』(吉田健一訳、集英社文庫)。857円+税。

容貌というより、自己評価の問題?

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「毒母のせいで自己評価が低い、悪夢のような容貌重視社会を生きる少女の切実」の みんなの反応 1
  • 散歩 通報

    え、あの「小さき花々」の後期未収録作品が収録されるなんて……! このレア度は凄い。 戦後の「級友物語」や「花それぞれ」に関してもどこかでいつか出してくれないだろうか……

    0
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