
7話は、こんな話
1865年(慶応元年)の京都は、尊王攘夷をとなえる過激な武士たちとそれを打ち取る新撰組によって物騒な場所になっていた。その春、はつ(宮崎あおい/崎の大は立)とあさ(波瑠)はいよいよ嫁入りすることが決まり、花嫁修業に励んでいた。
そこへ惣兵衛(柄本佑)と母・菊(萬田久子)がはつを訪ねてきた。相変わらず冷たい惣兵衛に、あさは、はつに笑いかけてほしいと頼む。
同じ、細い目でもこんなに違う悲劇
「あさが来た」の主人公は明るく正義感にあふれ、物語の運びもそつなく楽しく見られた。なんといっても、女性にうれしい玉木宏の存在が光っていた。ところが、第1週の平均視聴率は20.3%と、20%は超えてはいるものの、「まれ」の第1週平均20.6%、「マッサン」21.3%、「花子とアン」21.6%、「ごちそうさん」21.7%と比べると意外とおとなしい。朝ドラと幕末ものが違和感あって食わず嫌いされたのだろうか。
さりげなく巧過ぎて、ひっかかりなく見てしまうのかもしれない。
7話では、4話で能面と重ねて見られていた無表情の惣兵衛(柄本佑)が、母・菊(萬田久子)と京都に能を観に来たという台詞がある。こういうところがさらっと上品なのだ。
細い目に関する対比もさりげない。
惣兵衛は「ずっと細い目をして黙ったきり」とその細い目がマイナスに捉えられているが、新次郎(玉木宏)は、「よう、くしゃっと目を細うして笑わはるやろう。
それにつけても、新次郎は出来たひと。この4年間、おりにつけあさに会いに来ていた。惣兵衛は4年間、はつと会っていなくて、久々に会ったら「辛気くさい」呼ばわりだというのに。境遇の落差があればあるほどドラマは面白いとはいえ、はつが不憫で不憫でならない。後々、ああいう態度をとったけど実は・・・となったりするのだろうか。
「朝ドラ」あるある“姑の嫁いびり”も、「わけあり(男関係があるか)」かどうかずばっと聞く菊が大活躍しそう。「艶っぽくなった」とはつの変化に敏感なのもなんだかこわい。ドラマの盛り上がりは嫁いでからだろう。
第1週の平均視聴率に関していえば、「あまちゃん」は20%超えていない(正式な第1週の平均視聴率発表がみつからず、第1週の各話視聴率を計算してみたら19%台だった)。よって、第1週平均ではまだまだ測れない。
(木俣冬)