先週よりNHKで放送が始まった連続テレビ小説「あさが来た」は、明治から大正にかけて活躍した実業家・広岡浅子の生涯を下敷きにしている。もっとも、波瑠演じるヒロイン・今井(のち白岡)あさは、名前が変えられていることからもうかがえるように、あくまで架空の人物。ドラマは事実あるいは原案となる古川智映子『小説 土佐堀川――広岡浅子の生涯』の内容を踏まえながらも、かなり脚色されている。
「あさが来た」ピストル薩摩藩士五代友厚は、大阪で何をしていたのか
古川智映子『小説 土佐堀川』。9月末より始まったNHK連続テレビ小説「あさが来た」の原案となる伝記小説

そのなかにあってほぼ唯一、実名で登場する歴史上の人物がいる。それがディーン・フジオカ演じる五代才助、のちの五代友厚(1835~85)だ。あさと深くかかわることになるであろう五代は、第1週にさっそく登場した。

あさと五代と最初の接触は、京の両替商の娘であるあさが父に連れられて大阪(当時の表記では大坂)へ許婿に会いに行ったときのこと(9月30日放送の第3話)。初めて訪れる大阪の街にはしゃいで一人駆け出したあさは、逆方向から走ってきた若いさむらいとぶつかってしまう。そのさむらいこそ五代だった。その際、五代の持っていたピストルがあさの着物の袖のなかに入ってしまう。やがてそのことに気づいた五代があさを追いかけまわすという、とんだ初対面だった。

このあと、五代はピストルを奪い返し、そのまま立ち去ろうとするのだが、あさはどうにも釈然としない。そこでふたたび五代の前に立ちはだかり、「勝手にぶつかってきて追いかけてきて、何やベタベタ触ったうえにそのまま何も言わずに逃げてしまうなんて、それが日本男児のすることですか」と啖呵を切る。

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