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個性派ゲーム『UFO』がまさかの復活!?

伝説のPS1ソフト『UFO』が27年ぶりに復活へ。「アンチR...の画像はこちら >>
 往年の家庭用ゲームをNintendo Switch 2とPS5向けに復刻するハムスターの新シリーズ「コンソールアーカイブス」が今年の2月から始まっています。

 第1弾は『クールボーダーズ』(1996年/PS1)と『忍者龍剣伝 II 暗黒の邪神剣』(1990年/ファミコン)、第2弾は『絵描衛門(デザエモン)』(1991年/ファミコン)と、なかなかマニアックなセレクトですが、今後の予定で注目を集めたのが『UFO -A day in the life-』。伝説的なアンチRPG『moon』を世に放った制作会社ラブデリックが、1999年にPS1でリリースしたタイトルで、これまで移植やアーカイブ化は行われていませんでした。


 今回のコラムは、『UFO』復刻を記念し、いわゆる“ラブデリック系”(本家ラブデリック作品を含む)の初期5本を紹介したいと思います。ラブデリック系の定義は明確には定まっていませんが、ラブデリック出身のスタッフが関わっていて、『moon』のように箱庭世界の住民となって周囲を観察していくという内容のタイトルを指すことが一般的です。

 大作のオープンワールド化が進むなか、じっくりと世界と向き合い、ささいな気づきから世界を変えていく……そんな狭く深いゲーム体験は貴重と言えるでしょう。

RPGのお約束をひっくり返したアンチRPG

●『moon』
1997年/PS1/アスキー

伝説のPS1ソフト『UFO』が27年ぶりに復活へ。「アンチRPG」の異才集団が放った“奇作”が最新ハードで遊べる衝撃
勇者に倒された動物の魂を救ってラブを集める『moon』公式サイト
「アンチRPG」という尖ったコンセプトとメッセージ性の強さで、ゲーマーの心を鷲掴みにしたラブデリックの第1作。主人公は遊んでいたゲームの世界に吸い込まれた男の子。勇者に倒されたアニマルの魂を救い、「ラブ」でレベルアップし、行動範囲を広げていきます。

 今では当たり前になりましたが、住民たちがもごもごした架空の言語で喋る演出手法は衝撃。BGMはどれも刺激的で、「MD(ムーンディスク)」を集めて切り替えられるというギミックも新鮮でした。そして、メタフィクション的なラストの展開は今でも語り草!

 長年入手困難だったタイトルですが、現在はオリジナル版スタッフによる監修&完全移植によって、Switch/Switch 2、PS4/PS5、Steamで遊べるようになっています。

辺境惑星のささやかで奇想天外な1日

●『UFO -A day in the life-』
1999年/PS1/アスキー

伝説のPS1ソフト『UFO』が27年ぶりに復活へ。「アンチRPG」の異才集団が放った“奇作”が最新ハードで遊べる衝撃
「コンソールアーカイブス」で配信予定と発表された『UFO』
 ラブデリックの2作目となったのが『UFO』。トラブルでUFOが墜落し、乗客の宇宙人50名が地球のボロアパートで行方不明に……。プレイヤーは各部屋に転移し、目に見えない宇宙人の居場所を推測し、「ばっちシーン」を撮影して救出していきます。

 アパートは人間ドラマのるつぼ。ガリ勉の息子に冷たくあしらわれる大酒飲みのとーちゃん、化粧で別人に変貌して外出するOL、布団にくるまれ黒服の男に運び込まれてきた老人……。
住民にはそれぞれ秘密があり、時間帯によって起こる事件を見ているだけでも飽きません。しかも、ゲーム終盤にアパートはとんでもないことに!?

 ラブデリックはこのあと坂本龍一さんと組んで『L.O.L. Lack of Love』(2000年/ドリームキャスト)を発売しますが、純粋なラブデリック名義は『moon』『UFO』『L.O.L.』の3作品で終わっています。

現実と非現実の狭間にあるエモーション

●『エンドネシア』
2001年/PS2/エニックス

 ラブデリックで『moon』『UFO』を開発したゲームデザイナーの工藤太郎さんが設立し、キャラクターデザイナーの倉島一幸さんも参加した制作会社バンプールの初作品。公園にいた少年がブランコをこいでいるときにふと迷い込んでしまった南国の島。ここで住民や同じ状況の人々と交流しながら、石像化した50体の神様を救っていきます。

 自然豊かな島を探索する感覚はキャンプ気分。浜辺で鳥をワニに食べさせると出現する弱肉強食の神様「ジャック・ニック」、焼きいもを島内時間でちょうど1時間で焼き上げると現れる時間の神様「Dr.ジーカン」、夜にランプ型の木をすべて灯すと踊り出す夜ふかしの神様「ナイト★フィーバー」。美しい景色と抜け感ある神様は癒し&脱力系ですが、謎解きの難易度は非常に高く歯ごたえあり。現状リメイクやアーカイブはなく、復刻が待たれます。

チュウで成長する昭和レトロの箱庭

●『チュウリップ』
2002年/PS2/ビクターインタラクティブソフトウェア

伝説のPS1ソフト『UFO』が27年ぶりに復活へ。「アンチRPG」の異才集団が放った“奇作”が最新ハードで遊べる衝撃
レトロな町の住民たちとチュウしまくる『チュウリップ』公式サイト
『L.O.L.』のスタッフを中心に設立されたスキップからさらに派生し、ゲームデザイナーの木村祥朗さんが立ち上げた制作会社パンチラインの第1作『チュウリップ』。昭和の香り漂う鶴亀町を舞台に、転校してきた学ランの少年が住民たちのトラブルを解決し、お礼としてチュウされまくって、経験を積んでいきます。

 夜中になると銃を乱射するおまわりさんに、マーライオン頭の銭湯の主人、仕事のない弾き語りミュージシャン……。登場人物は誰もがエキセントリック。そこに昭和レトロの叙情が混ざり、得も言われぬ空気感を造り上げています。
ダバダバと合唱するBGMも中毒度高め。

 この『チュウリップ』もぜひ復刻、そしてまさかの続編も期待したいところ。ゲームでなくても演劇やドラマとも相性良さそうな気がします。

大人とは何かを問いかけるオルタナティブRPG

●『ギフトピア』
2003年/ゲームキューブ/任天堂

伝説のPS1ソフト『UFO』が27年ぶりに復活へ。「アンチRPG」の異才集団が放った“奇作”が最新ハードで遊べる衝撃
大人になるため500万マネ集めることになった少年が主人公の『ギフトピア』公式サイト
 ラブデリックの中心人物であったゲームデザイナーの西健一さんが設立した制作会社スキップが開発し、任天堂から発売されたのが『ギフトピア』。南国のナナシ島で「大人式」に寝坊した少年が、大人になるための方法を模索して島を巡ります。公式ジャンルは「オルタナティブRPG」。

 テイストはここまでのラブデリック系に比べるとややマイルドですが、大人とは何か? 大人になるには何が必要か? を問いかけるテーマ性は真摯なまなざし。大人になる儀式を行うためにお金を集めることになった少年。でも本当にそれでいいのか……。エンディングは考えさせられます。

 ちなみにスキップの第2作『ちびロボ!』は「Nintendo Switch Online + 追加パック」に加入することで遊べますが、『ギフトピア』は現在のところ配信されていません。

 以上、ラブデリックとラブデリック系の初期5作品を見てきました。
作品性の高いゲーム世界にどっぷりと浸かってみたいという方はぜひ! <文/卯月鮎>

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【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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