■2014.10.18(SAT) at 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
(※画像8点)
10月18日(土)、VAMPS主宰による国内最大級のハロウィン・イベント【HALLOWEEN PARTY 2014】の2日目公演が幕張メッセにて開催された。スクリーンに映し出されているジャックオランタンが、人気アニメ『妖怪ウォッチ』のキャラクター・ジバニャンの声で「皆さん、元気に死んでるか~?」と本パーティーの合言葉を告げ、異空間へと誘う。
まずはピーターパンがランウェイに登場し、幕が上がると、ボリューム感ある赤い羽根付きの帽子にベロア・ジャケット、ゴージャスな口ひげをたくわえたフック船長に扮するDAIGOのお目見え。ピーターパンとの死闘の末、「今日は、飲んで騒いで暴れまくるぞ!」と剣を高く掲げ、1曲目の「REVOLUTION EVOLUTION」を投下、ビシビシと体に響くエレクトリック・ビートで攻める。フラッグを振り回しながらランウェイに歩き出て観客を沸かせると、MCで「HALLOWEEN PARTYが終わったら2014年は終わったようなもの」と、本イベントのレギュラー的存在の彼らしく、並々ならぬ想い入れを口にする。
新曲「CHANCE !!」、ダンサーを交えて披露した「BUTTERFLY」と二枚目路線で畳み掛けた後、「世界に一つだけの花」の物真似コーナーに突入。木村拓哉→GACKT→福山雅治→桑田佳祐、トリはHYDEという豪華ラインナップで笑いを誘った。ラストの「無限∞REBIRTH」ではステージを降りて「声出せ!」と煽りながら客席通路を練り歩き、会場を沸かせると、最後は「最高~うぃっしゅ!」で締め括る。一番手としての役目を充分に果たし、DAIGOはステージを去った。
続く「HALLOWEEN COLLECTION 2014」では、骸骨メイクにタキシード姿のMC・やまだひさしが登場し、仮装姿をランウェイで披露する、観客によるファッションショーがスタート。メンバー自らが審査員を務める予選を通過した強者揃いなのだが、小さな男の子が花魁仮装で登場すると、その愛らしさにひときわ大きな歓声が湧いた。
一般参加者に加えて、『101匹わんちゃん』に登場する悪女・プエルタに扮したダルメシアン・コート姿の明希(シド)と、『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』ショックの仮装のYUKI(DUSTAR-3、Rayflower)も登場し、観客を魅了した。
続く2番目のアクトはMay J.。
MCでは、自信を喪失していた時期に「最後のチャンス」と思って挑んだカラオケ採点番組をきっかけに運が開けたことなどを切々と語ったMay J.。「『踏ん張っていれば必ず誰かが見てくれてるんだ』と、自分らしさの大切さに気付かせてくれた、人生を変えてくれたこの曲を歌います」とのコメントから、『アナと雪の女王』の主題歌「Let It Go」を熱唱、その美声で会場を引き込んだ。
続けて、「THE ROAD TO HALLOWEEN」と題したコーナーではAnge★Reveなる5人組アイドルグループが登場。本イベントに先立ち開催されたネット空間での投票に基づき、上位を獲得した者が参加できる登竜門的コーナーだ。続けて、Tommy heavenly6によるこの日3番目のアクトが開幕。馬車に乗って登場したTommyは、ダークなアレンジを施したミニーマウス風の仮装姿。ヘヴィなオルタナティブ・ロック・サウンドと甘い歌声のコントラスト、そして、複雑に展開する魔性のメロディーが、ハロウィンに相応しい濃厚な空気を醸し出していた。
対して、MCでの彼女は、リハーサル後に修正を伝え忘れた後悔の念を素のテンションで吐露したり、「疲れた~…」と呟いたりするなど、フリーダムそのもの。そのギャップがシュールだった。気を取り直すようにして「ハロウィンをテーマにした曲を連続でババッとやるので、楽しんでください」とコメントすると、暗くドラマティックな「I’M YOUR DEVIL」「Lollipop Candy BAD girl」を連打。
続けて、ランウェイでは観客参加型のカラオケコーナーがスタート。「AHEAD」と「Let It Go」の合わせ技によるミニコントのような歌唱を披露した出場者や、「THE JOLLY ROGER」を歌ったHYDEコスプレの男性など、趣向を凝らしたパフォーマンスが次から次へと繰り広げられるので、幕間とは言え休む暇もない。
そんな中、『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』のジャックに扮したある人物が颯爽と登場。その抜群のスタイルですぐに逹瑯(MUCC)だと見破った会場から歓声が飛ぶ中、アニメソング「ガッチャマン」を熱唱。ユニークなサプライズで会場を沸かせた。また、MCやまだとの掛け合いでは、前日の公演で「逹瑯がAnisに見惚れていた」とTwitterに投稿されていた、などの振り返りトークで自由に盛り上がった。
19時23分ごろ、いよいよVAMPSの登場。荘厳なパイプオルガンの音に乗せて、メンバーを乗せた馬車が通路を移動し、ランウェイへと辿り着くと、順にメインステージへと歩いて行く。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウに扮したK.A.Zは、強い目力と男らしい髭が際立ち、いつにも増して煽情的な佇まいだ。幕が上がり、ステージ中央で「HALLOWEEN PARTY」ジャズバージョンをセクシーな声色で歌い始めたHYDEは、『眠れる森の美女』の暗黒女王・マレフィセントの仮装姿。マキシ丈の真っ黒な衣装と大きくひねり上げられた髪の束、黒く囲まれた鋭い目元…そのハッとするほどゴージャスな姿に、会場のざわめきがなかなか収まらない。
ニュー・アルバム『BLOODSUCKERS』収録のサイバーメタル・ナンバー「EVIL」が始まると、HYDEは悠然とランウェイを歩き始める。両手を広げてレースの美しい透かし模様を露わにしながら、ランウェイ中央に辿り着いてステッキを持った手を下ろすと、いくつもの炎に取り囲まれながら歌唱。サビで「God is me!」と声を張り上げる箇所で勢いよく炎が噴き出た場面の説得力たるや…! 最後の咆哮には大拍手が鳴り響いて、会場は興奮状態に包まれた。
続けて、「HUNTING」ではギターを肩から掛けて、「かわい子ちゃんたち、食っちゃっていいかな?」と脅かしながらパフォーマンスし、K.A.Zは長い髪を顔にまとわりつかせながらギターを掻き鳴らす。HYDEがブレイクで首を傾げて舌を出し、「Where' s my Lamb?」と尋ねてニヤリとする場面が大写しになると歓喜の声が飛び交った。両性具有的な魅力を振り巻くHYDEと、脚を高く上げたりクルクルと回ったりと、アグレッシヴで男性的なタフさを見せるK.A.Z。ハロウィン仮装の魔力をひしひしと実感する瞬間が次から次へと訪れた。
「AHEAD」「ANGEL TRIP」で明るく爽快な空気を一気に解き放った後は、HYDEとK.A.Zがそれぞれのカートに乗って客席間の通路を移動、互いに接近しては行き交い、また遠ざかりながら「TROUBLE」を歌い奏で、観客との一体感を高めた。メインステージに戻ると、くぐもった水音のようなシンセサウンドが響いた後、「VAMPIRE’S LOVE」のピアノイントロが鳴り始めた。スポットライトに射られながら、胸元に一輪のバラを持って歌うHYDE。インカムを用い、ギターもマイクも持たずに歌うことで、自由になった手が心の動きを雄弁に物語り、深くその歌の世界に引き込まれてしまった。
気付くと、HYDEの背中には巨大な黒いデーモンの羽根が出現しており、跪いた体勢から歌い始めたのは、新アルバム収録の「DAMNED」。
濃密な余韻に包まれる中、やがて、ワルツの音色が聞こえて来ると、再び幕が上がった。最後は、HYDE率いるオールスターチーム、HALLOWEEN JUNKEY ORCHESTRAの出番だ。タクトを振るHYDEは引き続きマレフィセント姿なのだが、フェイントを仕掛けてメンバーのミスを誘発したり、おどけてきょとんとした表情を見せたりするなど、先ほどの鬼気迫る面影がないことに驚かされる。あの迫力は仮装によるものではなく、あくまでHYDEの内面が醸し出すものなのだ、と改めて気づく瞬間でもあった。
HYDEの指示でギターソロを弾いたYUKI、続いて明希もミスをすると、罰としてスプレーを噴射されると笑いが起きた。
この日の仮装のドレスコードはディズニー縛りだったとHYDEは明かしつつ、「アナ雪は(May J.が仮装で使うと思って)避けといたのに(笑)」と笑わせた。ピンクのチェシャ猫姿のShinya(DIR EN GREY)、『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』のサリー姿の分島花音、とHYDEは順にメンバーの仮装コンセプトに触れながら紹介していくと、共に『ナイトメア~』の登場人物である逹瑯ジャックと分島サリーが並んだ様子に「かわうぃうぃ~」と乙女のような反応。自身の仮装を振り返っては、「めっちゃ熱かった、火の中で。魔法使うのも大変だったし」とコメントした。
最後は、「HALLOWEEN PARTY」を歌いながらランウェイを練り歩き、キャンディを投げ入れて観客を喜ばせ、やがてステージを降りて客席の間を練り歩いた後、大いなる盛り上がりの中イベントは終了。
豪華出演者と観客が本気の仮装で集い、異空間を共に織り成すというコンセプトは同じでありながら、VAMPSのアクト内容も含め、初日とはまた違った新たな演出を打ち出して来た2日目。目覚めたまま長い夢を見ているような、あまりに幻想的で濃密な4時間20分だった。
(取材・文/大前多恵)
≪イベント情報≫
VAMPS主宰【HALLOWEEN PARTY 2014】
2014年10月17日(金)・18日(土)・19日(日)幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
2014年10月25日(土)・26日(日)神戸ワールド記念ホール
出演:
17日(金)VAMPS / DAIGO / ももいろクローバーZ / 氣志團
18日(土)VAMPS / DAIGO / Tommy heavenly6 / May J.
19日(日)VAMPS / DAIGO / シド / 乃木坂46
25日(土)VAMPS / DAIGO / MUCC / Silent Siren
26日(日)VAMPS / DAIGO / ゴールデンボンバー
※全公演共通:HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
■HALLOWEEN PARTY 2014 オフィシャルサイト