「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)1月12日(火)第28話「激怒!! 姉のついたウソ」より 原作・脚本:中島丈博 演出:藤木靖之
幼児的な感性で漫画を描いてる女王様って誰「新・牡丹と薔薇」28話
イラスト/小西りえこ

カラダからとてもいい興奮


「ひどいひどい、キャラが違う。私の読者はこんな逸脱した台詞を受け入れられるわけないじゃない」

富貴子(黛英里佳)の新ボーイフレンド・清塚雅弘(中山卓也)はアニメの仕事をしている設定。
28話では、「最後の晩餐」の絵が飾ってあるバーで、富貴子相手に熱い原作者批判をします。
「モナリザ」に次ぎ「最後の晩餐」。これらはレプリカでしょうから、富貴子がぼたんのレプリカということの暗喩でしょうか。
清塚は、自分が苦しめられている原作者は、ほとんど女王様で、幼児的な感性で漫画を書いているから、ものすごく固執しちゃって、そこが侵害されるとパニックになる とこき下ろします。痛烈ですね。
それはまるで美輪子(逢沢りな)のようと、富貴子は大いに共感。しかも、困ったちゃんだけど可愛くて手を貸してあげたくなるところも同じ(さんざん下げておきながら、フォローも忘れません)と、すっかりお互いの似た境遇に気分は高まり、強いお酒も手伝ってキスしてしまうふたり。はからずも、美輪子がふたりの仲を近づけてしまったという皮肉な結果になってしまいました。
「ぼたんのカラダからとてもいい興奮が伝わってくるわ」
美輪子は、富貴子が瀬尾綱輝(片岡信和)とデートすると言って出かけていきながらすっぽかして他所に行っていたことを知りながら、嫌味な感じにデートの様子を探ります。
キスしたのか? と聞くと、富貴子は「したわよ」と高笑い。
美輪子は逆上し「覚えてらっしゃいぼたん、ただじゃ済まないからね」と呪いの言葉を吐きます。

うわーーー、またまたいやな予感しかしません。

だから、どうして富貴子は男関係の話を美輪子にあけすけにしてしまうのでしょうか。
知らず知らずに、母親(伊藤かずえ)を独り占めしていた美輪子を憎んでいるのかなあ、なんて思ってしまいます。
美輪子に対しても、育ての親に対しても、従順ないい子なんだけれど、どこか心を開いてないように見えて、それは、生まれてすぐに本当の親に捨てられてしまったコンプレックスが、カラダを締め付けているのかなあ、なんて。
実のところ、美輪子も富貴子も、深い傷を負った者同士。そうは言っても、美輪子は自業自得なんだけれど。
なんだかんだで、目下、一番気になるのは、富貴子に疑似恋愛的なものを感じていると世奈子(田中美奈子)に本心を読まれる崑一(岡田浩暉)。彼が今後、どう出てくるか気になってなりません!!!  やっぱりいやな予感しかしません。
(木俣冬)
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