今回で11回目を迎える真心ブラザーズ新年恒例ライブ『今年も中野で会いましょう2016』が、中野サンプラザで開催された。

「MB」のロゴマークが輝くステージに登場したのは、YO-KING、桜井秀俊、そしてホーンセクションを含めた10人編成のバンドMB's。
今年も賑々しいサウンドで、まずは「拝啓、ジョン・レノン」からライブはスタートした。つややかなホーンとファットなビートで骨太に聴かせる「愛」、そしてファンキーな「BABY BABY BABY」と連発していき、会場はのっけから大きな盛り上がりとなっていった。

「3曲やったんですけど、MB's、絶好調! のっちゃったよ、俺」とYO-KINGが言えば、「いいんですよ」と桜井がたしなめるように語る。絶妙なふたりのやり取りもまた、絶好調だ。YO-KING曰く、「今年はとくに、普段やらない曲を用意してきた」ということで、ここからさらに「消えない絵」や「メトロノーム」など、新旧交えた曲で、MB'sならではの熱いサウンドと大人の戯れとで、聴かせていく。

中盤には、昨年リリースしたカバーアルバム『PACK TO THE FUTURE』から、アン・ルイスの「グッド・バイ・マイ・ラブ」と、石川秀美の「ゆ・れ・て湘南」を披露。カバーアルバムのレコーディングとツアーは、若手Low Down Roulettesのフレッシュなプレイが新鮮でエッジィだったが、MB'sバージョンは脂の乗ったサウンドで、こちらはオトナの味わいが増したカバーとなった。

また前回に続いての洋楽カバー(前回は、ボブ・マーリーの「Is this love」を披露)は、ザ・バンドのアルバム『南十字星』からの曲「Ophelia」。「英詞を覚えるのは大変だから、日本語で書き下ろしてきました」とYO-KING。真心節が炸裂した「Ophelia」から、グルーヴィでサイケデリックなアンサンブルで「旅の夢」へと続いていく遥かなトリップ感は、最高の流れだ。

また「のり弁女」では、ふたりとなったステージ上で、YO-KINGがアコースティックギターで、桜井がラップスティールをプレイするスペシャルなバージョンで披露。また4月から、YO-KING×桜井秀俊の弾き語りガチンコ対マン・ツアー『サシ食いねぇ!』を開催することもアナウンスされた。


そして後半は、圧巻の「FLY」から重厚なバンドアンサンブルで会場を掌握。「FLY」に対して、「いい曲書くじゃないですか」という桜井に、「シビれるよね。怪物だね、俺」とYO-KING。「怪物YO-KINGもいいんですが、僕もいい曲書くんです! 渾身の曲なんです」という桜井の叫びから、「All I want to say to you」、また「ENDLESS SUMMER NUDE」と終盤へ向かって、ハイボルテージな曲が続き会場の興奮も最高潮。ラストの「新しい夜明け」まで、華やかで贅沢なサウンドで観客を躍らせていった。

アンコールでは、今年一発目の景気づけということで、予定にはなかった「どか~ん」を演奏し、観客に最高のエネルギーをチャージした真心ブラザーズ。一年のはじまりとなる恒例のライブを、お馴染みの場所で、お馴染みのメンツで迎えられる幸せに、会場は終始、歓喜と熱気とで包まれた。
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