ヘッドライナーはサカナ! クリープ、KANA-BOONら CDJ 15/16 3日目/ライブレポート
ORANGE RANGE

■【COUNTDOWN JAPAN 15/16】ライブレポート
2015.12.30(WED)at 幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール
(※画像7点)
写真提供:rockin'on japan

過去最高の入場者数を記録! 4日間で一番人気だった3日目

2015年12月28日~2016年1月1日早朝までの4日間開催された【COUNTDOWN JAPAN 15/16】の3日目。総合プロデューサー・渋谷陽一氏の前説によると、この日の来場者予定数は4万6000人で、過去最高記録を更新したという。
チケットは10万人以上から申し込みがあり、4日間開催のうちで一番人気の日だったそうだ。

ヘッドライナーはサカナ! クリープ、KANA-BOONら CDJ 15/16 3日目/ライブレポート
クリープハイプ

クリープハイプは、来場者を集めたアーティストの一組であろう。尾崎世界観(Vo.&Gt.)はステージに現れるや否や、観客に向かって大胆な投げキスをした。これには「きゃー!!」と興奮した黄色い声が飛ぶ。そして水色とピンク色のシャツを着た彼は「どうも、ローソンの店員です」と挨拶。「2万円の服を買ったのにキメきれない」と話す不器用な彼に、またファンはぐっと来てしまうのだろう。1曲目に選んだのは「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」。独特のハイトーンボイスが色っぽくて、聞き入ってしまう。「季節外れの曲やっていいですか?」と前置きしたうえで、歌ったのは夏の歌「ラブホテル」。曲の途中で、なぜか尾崎世界観は父・マサルさんとケンカしていることを明かした。「なんとか今年中に仲直りしたい。親孝行したい」と話して、再び大サビへ。
恋愛ソングは世の中にたくさんあるけれども、彼らほど一言では言い表せないどろどろした気持ちを歌ってはくれないだろう。

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東京スカパラダイスオーケストラ

2015年の活躍を称えるのは、back numberだろう。先日発売した5thアルバム『シャンデリア』は、オリコン初登場1位を記録。そんな彼らが1曲目に選んだのは「青い春」。大勢の観客たちが一斉に飛び跳ねたため、地面が揺れるのを感じた。清水依与吏(Vo.&G.)は、「すごいね、すごいもんだね。すごい景色だ。(どのアーティストを見るか)いろいろと迷ったと思うけど、来てくれてありがとう」と、満員のEARTH STAGEを眺め、感動している様子をみせた。「昨年のライブのときは、人生で一番声が出なくて。自分的にかっこ悪かったと思っていて、年を越せた気がしなくて。バカにされても実はそんなに悔しくないけど、期待に応えられないときは苦しい」と吐露。「だから、俺たちに力を貸してください。
幕張いいですか!」と投げかけ、オーディエンスは拍手で応えた。そして、歌い始めたのは「高嶺の花子さん」。再び、会場はどっと盛り上がりをみせた。いま最も勢いのあるバンドであることは間違いないback numberが“国民的ロックバンド”と称される日は近そうだ。

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湘南乃風

続いて、EARTH STAGEに登場したのはKANA-BOON。CMソングでも話題の「なんでもねだり」で幕があがる。キャッチーなメロディーに、フロントエリアだけでなく、ホール後ろの方までステップを踏んで楽しむ観客の姿がみられた。「俺らはモニターで見られているのに、俺らは(ホールの)うしろの方が見えないのって不公平じゃないですか。なので、見えるやつ買ってきました」といいながら、双眼鏡を取り出した飯田祐馬(Ba.&Cho)。「メンバー分も買ってきた」と言うと、なぜか古賀隼斗(G.&Cho.)だけは万華鏡。他3人が双眼鏡で観客を見るなか、古賀だけ「あ、きれい」と万華鏡を覗いている。このコント(?)で会場はほのぼのムードに。
その後、「フルドライブ」「ダイバー」などを演奏し、オーディエンスは再び熱狂の渦へ。また新曲「ランアンドラン」を初披露。4つ打ちを封印し、じっくり聞かせる楽曲で、2016年は彼らの新しい時代に突入するかもしれないと感じさせた。

ヘッドライナーはサカナ! クリープ、KANA-BOONら CDJ 15/16 3日目/ライブレポート
back number

そしてこの日、EARTH STAGEのヘッドライナーは、サカナクション。草刈愛美(Ba.)の出産により活動を休止していたため、久しぶりのフェス出演となる。1曲目は「ミュージック」から始まる。PCが乗ったテーブルをステージ前方に5台並べ、サングラスをかけたメンバーはまるで近未来から来たようだった。その後は各ポジションへ移動し、「アルクアラウンド」「夜の踊り子」などを演奏。ここまででも、CDを再生したかのように正確にきこえる音色と歌声に、彼らがパワーアップして帰ってきたのが伝わった。まさに、“EARTH STAGEのトリにふさわしいバンド”だと思った。

ヘッドライナーはサカナ! クリープ、KANA-BOONら CDJ 15/16 3日目/ライブレポート
KANA-BOON

「まだまだ踊れる?」と山口一郎(Vo,&Gt.)。するとステージにはダンサーの舞妓さんが現れて踊り出し、和太鼓も登場した。
体にずんっと響く和太鼓とトランスがコラボレーションする。それだけでも圧倒的なショーだったが、ばちが徐々にライトセーバーのように光りだし、その光る棒を山口が、勢いよく振り回すと“COUNTDOWN JAPAN 15/16”の文字が浮かび上がった。斜め上をいくパフォーマンスを必死に目で追うも、もう何がなんだかわからない。まさに、サイケデリック。

ヘッドライナーはサカナ! クリープ、KANA-BOONら CDJ 15/16 3日目/ライブレポート
サカナクション

そんな彼らに圧倒されたなか、「アイデンティティ」を演奏が始まり、会場はヒートアップする。「無事帰ってきました。2015年は僕らにとって山から谷へ下りていく経験をし、音楽を続けていくのは大変だと思う一年でした。ライブをやっていなかったのに、こんなに人が集まってきてくれるなんて、こんな幸せなことはありません」と山口。そして2016年にはアルバムを作ること、3月には台湾公演、4月には幕張メッセ公演が行われることが発表された。 EARTH STAGEのトリにふさわしいバンドどころか、日本を代表するロックバンドではないか。

終演後、観客からは「感動した!」という感想が飛び交った。大勢の観客の心を震わせたヘッドライナーだった。

(取材・文/名久井梨香)

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