BUMP OF CHICKEN 結成20周年前日にニューアルバムをリリース/インタビュー

■BUMP OF CHICKEN/New Album『Butterflies』インタビュー(1/2)

「今までで一番4人が顔を付き合わせて作ったアルバム」

前作『RAY』から1年11ヶ月。BUMP OF CHICKENのニュー・アルバム『Butterflies』が完成した。
「You were here」、「ファイター」、「パレード」、「Hello,world!」、「コロニー」という既発曲を含む全11曲。1曲目「GO」やアルバムリード曲であり『Butterflies』というアルバムタイトルを引き寄せた「Butterfly」は、近年のBUMP OF CHICKENのサウンドにとって重要な要素であるプログラミングの方法論が、強大なスケール感をもって結実している。一方で、ブルーグラス然としたサウンドが印象的な9曲目「孤独の合唱」はセッションを軸にアレンジを構築していったという。アメリカンロックな開放感に満ちている8曲目「大我慢大会」のような楽曲もあるし、あまりに透徹した美しさに覆われた3連バラッド「流星群」は、バンドの繊細なアンサンブルに息を呑む。つまり、プログラミングを多用しているからといって、エレクトロ色が強いアルバムではないのだ。『Butterflies』は、この2月に結成20周年を迎える今のBUMP OF CHICKENだからこそ作り上げることができた、雄大で、強靭で、美麗なアルバムである。
(取材・文/三宅正一)

バンドの歴史が高校生よりも年上なんだって考えると、不思議

――まず、2月11日に結成20周年を迎えるわけですが、やはり感慨深いものがあります。

藤原基央(以下、藤原):単純にすげえなって思いますね。バンドの歴史が高校生よりも年上なんだって考えると、不思議な感覚があります。

升秀夫(以下、升):バンドが成人を迎えて、曲に対しては生まれてくれてありがとうと思いますし、お客さんには聴いてくれてありがとうという思いですね。メンバーとは一緒にいますけど、バンドを組む前よりもバンドメンバーとして過ごしている時間のほうが長いので。2月11日の結成記念日に幕張メッセでライブをしますが、今まではバンドの記念日とかに無頓着だったんですけど、今回は自分たちからスタッフに結成記念日に何かやりたいと提案したんです。


直井由文(以下、直井):結成日を2月11日と定義したのは、僕らが4人で最初にステージに立った日の記録が升くんの手帳に残っていたからなんです。それはいわゆるバンドコンテストみたいな大会だったんですけど、そのときの賞状も残っていて。

藤原:奨励賞的な。

増川弘明(以下、増川):そう。升くんがその日の日付を手帳に書いてなかったら、そして賞状が残っていなかったら、絶対覚えてなかったよね。

直井:それで、賞状をTwitterに載せたら、お客さんから「結成20周年ですね!」という声をもらえて。さすがに4人とも「どうする? 何かやりたいね!」ってなったんですよね。そしたら、たまたま幕張メッセという僕らの出身地である千葉県にある会場のスケジュールが空いていたので。これはもう、やるしかないと。僕は人が20年生きるだけでもすごいと思うし、どんなことでも一つのことを20年続けることもすごいなと思います。だから、この日ばかりは4人で自分たちのことを褒め合いたいですね。普段は4人とも自分たちに厳しいし、甘えの部分が少ない人たちだから。
でも、さすがにこの日は自分たちのことをかわいがって“ご自愛”したいですね(笑)。

藤原:“ご自愛”ね(笑)。でも、ホントに胸がいっぱいですよね。昨年のいつごろだったかな? 実家に帰省して、ちょっと家の手伝いをしていたんです。そのとき僕は食卓を台拭き的なもので拭いていたんですね。うちは物持ちがいい家で。僕が物心ついたときから使ってる食器もまだ健在だったりするんですよ。で、ふと台拭きを見て「あれ? これなんだっけ?」って思って広げてみたら、“96年大会出場記念”って書いてあったんですよ。それは、20年前の2月11日に出場した大会で参加者に配られたハンドタオルだったんです。醤油のシミとかすげえついてるから親に「これは俺たちにとって大事な記念品なんだよ!」って説明して(笑)。

一同:(笑)。

藤原:「そんな大事なものなら、自分で持っておきなさい!」って言われて(笑)。
それからは僕が保管してます。さっき升くんからもありましたけど、これまでの僕らは結成記念日について意識したことなかったんです。でも、20周年ということを自覚したときに意識の変化があって。あのハンドタオルだって実家では何度も見てきたはずなのに、初めて意識して自分で持っておきたいと思った。そうやって、今まで気に留めてなかったような日常的なこととか些細なことを意識するようになったんですよね。これは常に感謝してることなんですけど、作品を出せばそれを聴いてくれて、ライブをやればそこに来てリアクションをくれる――僕らが何かをするたびに愛をもって見守ってくれるお客さんがいて。そういうみんなの存在の大きさも、改めてタオルを通して実感しましたね。

BUMP OF CHICKEN 結成20周年前日にニューアルバムをリリース/インタビュー
Butterflies【初回限定盤】


4人でここまでやってきた事実は誇るべきなんじゃないかと

――メモリアルな日といえば、4人はメンバーの誕生日をとても大切にしてますよね。

藤原:そうですね。バンドの結成日を意識したことはなかったけど、メンバーの誕生日は大切にしてきました。実年齢でも、30歳になったときは否が応でも感じるものがあったんですよね。今回、バンドが結成から20年経ったと知ったときに、バンドという得体の知れない生命体が20年生きてきたということを不思議な客観性をもって捉えることができたんですよね。


増川:だからこそ、20周年の記念日を大事にしないとバチが当たるんじゃないかと思ったんですよね。4人でここまでやってきた事実は誇るべきなんじゃないかと。

――昨年末に『NHK紅白歌合戦』に初出演したことも、20年経った今だからこそ意義深いというか。たとえば2001年に「天体観測」のタイミングで紅白に出ていたら、当時はバンプらしくないと思う人がいっぱいいたと思うんです。でも今は、フェス会場からの中継でしたけど、紅白で「ray」を歌うバンプに必然性を感じられるから。

藤原:ありがとうございます。4人の個人的な気持ちに立ち返ると、自分たちが白組の一員だったことにものすごく違和感を覚えるんですけど(笑)。それほど紅白を観て育ってきたので。今回、白組は負けてしまったんですけど(笑)。

直井:俺たちも力不足だったね(笑)。

増川:負けたと思うとやっぱり悔しいよね(笑)。

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
New Album
『Butterflies』
2016.02.10リリース

【初回限定盤A】(CD+DVD)
TFCC-86550 / ¥4,500(税抜)

【初回限定盤B】(CD+Blu-ray)
TFCC-86551 / ¥5,500(税抜)

【通常盤】(CD)
TFCC-86552 / ¥3,000(税抜)
BUMP OF CHICKEN 結成20周年前日にニューアルバムをリリース/インタビュー
Butterflies【通常盤】


[収録曲]
1. GO
2. Hello,world!
3. Butterfly
4. 流星群
5. 宝石になった日
6. コロニー
7. パレード
8. 大我慢大会
9. 孤独の合唱
10. You were here
11. ファイター
<DVD、Blu-ray> ※初回盤のみ収録
『Music Video』
You were here / ファイター / パレード / Hello,world! / コロニー
『Special Live 2015 at Yokohama Arena』
パレード / Hello,world! / ハンマーソングと痛みの塔 / 才悩人応援歌 / morning glow / ファイター / 太陽 / ギルド / ハルジオン / embrace / 虹を待つ人 / 乗車権 / supernova / ガラスのブルース / ray
<ENCORE>
コロニー / メーデー

≪ライブ情報≫
【BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016“BFLY”】
2016.04.09(土) 大阪府 / 京セラドーム大阪
2016.04.10(日) 大阪府 / 京セラドーム大阪
2016.05.08(日) 愛知県 / ナゴヤドーム
2016.05.22(日) 福岡県 / ヤフオク!ドーム
2016.07.16(土) 神奈川県 / 日産スタジアム
2016.07.17(日) 神奈川県 / 日産スタジアム

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