撮影／古渓一道
■BUMP OF CHICKEN／【BUMP OF CHICKEN結成20周年記念Special Live「20」】ライブレポート
2016.02.11（THU）at 幕張メッセ国際展示場9～11ホール
（※画像8点）
「20年前の4人に見せたい光景がここにありました」
バンドと観客とを強く結びつけている音楽の素晴らしさ、かけがえのなさを実感した夜だった。2016年2月11日、幕張メッセ国際展示場9-11ホールで行われたBUMP OF CHICKEN結成20周年記念Special Live『20』。
藤原基央（Vo＆G）、増川弘明（G）、直井由文（B）、升秀夫（Dr）の4人が初めて一緒のステージに立ったのが20年前の同じ日に出場した音楽コンテストの地区大会だったと直井が話していた。つまりこの2月11日はバンド結成記念日なのだ。オープニングでは藤原が「天体観測」のサビの部分をアカペラで歌い始めて、25,000人の観客もその歌声に続いた。直井も増川もこぶしを振り上げている。升が耳に手を当てて客席の歌声を聴いている。ライブ開始からわずか数10秒でコール＆レスポンスが起こり、彼らの音楽が観客に共有されていく。20周年にふさわしい始まり方だ。
撮影／古渓一道
撮影／古渓一道
何から何まで特別なステージだった。「バトルクライ」、「ランプ」、「ひとりごと」「ナイフ」などなど、久々の曲がたくさん演奏されて、曲が始まるたびに大きな歓声が起こった。バンドサウンド全開の初期のナンバーのなんとかっこいいことか。経験を積み、技術を磨いてきた今の彼らが演奏することによって、昔の曲はよりダイナミックによりスリリングになっている。それらの楽曲がみずみずしく響いてくるのは、曲を作った当時に込められた思いと今の彼らの思いとの間にまったくブレがないから、そしてバンドの絆が揺るぎないものだからなのだろう。
升の元に3人が集まって、曲のフィニッシュに向かう瞬間のたたずまいは、おそらくは20年前のそれに通じるものがありそうだ。彼らは今もなおこのメンバーでバンドサウンドを奏でることを思う存分楽しんでいる。
撮影／古渓一道
「わりと満遍なくいろんな時代の曲をやらせていただいてます。すげえ古い曲もあれば、まあまあ古い曲もあります」と藤原。
ライブ前日の2月10日にリリースされたばかりの最新アルバム『Butterflies』から「Butterfly」も演奏された。打ち込みを交えての鮮度の高いダンスビートに観客が激しく揺れていく。藤原はアコースティックギターを弾きながらの歌。レーザー光線によるカラフルな光が闇の中で羽ばたくように輝いている。サウンドは新機軸だが、その時々で生まれてくるものを偽ることなく臆することなく、勇気を持って音楽にしていくという姿勢は一貫している。だからこその説得力がこの曲にも宿っていた。続く「ロストマン」も久々の曲だ。とりわけ大きな歓声の中での始まり。
前にぐんぐん進んでいくような力強いグルーヴに胸が熱くなる。旧友と再会したようなそんな温かなエネルギーも体の中に流れ込んできた。2003年の作品だが、“さぁ 行こうか”というフレーズが20周年のこの瞬間の言葉として届いてきた。昔の唄なのに今の唄。そう感じる瞬間がたくさんあった。
撮影／古渓一道
「昔の曲をやっててすげえ楽しいです。しばらくやってなかった昔の曲をこうやって演奏して、お客さんに会わせてあげることができて、とても幸せを感じています」
そんな藤原の言葉に続いて演奏されたのはライブ初披露となる「ベル」。柔らかな藤原の歌声、温かな直井のベースなど、ニュアンス豊かなバンドの演奏がじわじわと染みてきた。ダイナミックなエネルギーがほとばしる「ダイヤモンド」、会場内が手を振りながら盛りあがった「ray」など、濃密な一体感が漂っていく。本編ラストは「ガラスのブルース」だった。増川のギターソロもみずみずしく響いてくる。バンドも観客も一緒になってこの唄を奏でていく。
撮影／古渓一道
撮影／古渓一道
アンコールでは最新アルバム『Butterflies』収録曲にして、最新シングル曲の「Hello,world!」も演奏された。さらにはCD化されていない「BUMP OF CHICKENのテーマ」、バンドがコンテストに出場した時の曲である「DANNY」も演奏された。バンドとリスナーの絆の深さを感じた夜でもあった。
撮影／古渓一道
「最高の夜でした。心からみんなのことを大切に思っています。不器用な僕らですが、これからもよろしくお願いします」とは直井。また、藤原からのこんな言葉も印象的だった。「この看板(BUMP OF CHICKENというバンド自体)は20歳になりました。始まりは4人だったんですが、その4人に一番見せたい景色がここにあると思いました。僕らが今まで作ってきた音楽、これから作っていく音楽、全部、君に会うために生まれてきました」
旧友との久々の再会、新たな友との出会いなどなど、この20年間での音楽の出会いをバンドと観客とが確かめ合うような夜となった。20年経っても変わらないことがあるのも強く感じた。それは彼らの音楽は常にリスナーとともにあるという事実だ。
（取材・文／長谷川誠）
≪セットリスト≫
1. 天体観測
2. R.I.P.
3. バトルクライ
4. ランプ
5. 車輪の唄
6. ひとりごと
7. ナイフ
8. Butterfly
10. ベル
11. 66号線
12. K
13. ダイヤモンド
14. ray
15. ガラスのブルース
＜アンコール＞
1. Hello,world!
2. BUMP OF CHICKENのテーマ
3. DANNY
≪ライブ情報≫
【BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016“BFLY”】
2016.04.09（土） 大阪府 / 京セラドーム大阪
2016.04.10（日） 大阪府 / 京セラドーム大阪
2016.05.08（日） 愛知県 / ナゴヤドーム
2016.05.22（日） 福岡県 / ヤフオク!ドーム
2016.07.16（土） 神奈川県 / 日産スタジアム
2016.07.17（日） 神奈川県 / 日産スタジアム
≪リリース情報≫
Album
『Butterflies』
2016.02.10リリース
【初回限定盤A】（CD＋DVD）
TFCC-86550 / ￥4,500（税抜）
【初回限定盤B】（CD＋Blu-ray）
TFCC-86551 / ￥5,500（税抜）
【通常盤】（CD）
TFCC-86552 / ￥3,000（税抜）
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