ですが、何かこう、一定水準以上の面白さを確実に提供してくれる感、とでもいいましょうか。『投稿!特ホウ王国』にしても、『ウリナリ!!』や『気分は上々』にしても、2人がMCを務める番組に、「外れ」はありませんでした。
「企画やブレーンに恵まれた」と理由を求めるのはカンタン。しかし、それだけでは単純に言い表せない魅力が、このブツブツ&鼻デカ色白コンビにはありました。あえて言葉にするならば、タレントとしての器用さと、MCとしての安心感を兼ね備えていた、といったところ?……いや、それでもまだ、表現し切れている気がしません。とにかく、何か人をひきつける不思議なパワーが、当時のウンナンにあったのです。
名企画の数々に彩られた『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー』
そんな、ウンナンの「外さない番組」の一つだったのが、かつてテレビ朝日系列で毎週火曜日に放送していた『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー』です。通称『炎チャレ』と呼ばれ、人気を博したこの番組。一般人やタレントが、様々な「チャレンジ」に挑戦し、見事クリアしたら、現金100万円を獲得するという内容でした。
放送期間が1995年~2000年と、5年にも及んだため、企画されたチャレンジの内容は実に多彩です。子供向けの「肝だめし泣かずにゴール出来たら100万円」や、セクシーアイドル限定の「水上ロデオ乗り続けたら100万円」といった、“ポロリ”があるものまで……。なんという幅の広さでしょうか! この時のテレビが、今よりもずっと自由だったことが分かります。
他にも「小学生クラス対抗30人31脚」という、スピンオフ的にスペシャル番組化し、本体である『炎チャレ』終了後も生き残ったコーナーもあるように、番組が持つ、企画を生み出す基礎体力はずば抜けたものがありました。中でも、もっともヒットしたのが、「電流イライラ棒」でしょう。
日本中が魅了 金属製コースフレームに棒を通すだけの「イライラ棒」
電流イライラ棒のルールは、金属製コースフレームに電極棒を入れ、フレームに触れないようにゴールを目指すというもの。失敗すると、けたたましい爆竹のような破裂音が鳴り響きます。
すごいのがこれ、たとえ事前にルール説明を聞かなくても、誰かが挑戦しているところを見れば、イッパツでどんなものか理解できるところ。たぶん幼児でも老人でも、アフリカ未開拓地の原住民でも「あぁ、こういうゲームか」と、すぐ分かるはずです。
それでいて、難易度はかなりの高さでした。ヘアピンカーブに、回る風車、そして、何人ものチャレンジャーを餌食にしてきた魔の二回ひねり……。攻略できそうで出来ない、ディープなゲーム性を兼ね備えており、私含め、多くの視聴者がテレビの前で手に汗握りながら、挑戦を見守ったものです。
「イライラ棒のインフレ化」がブーム終焉の引き金に
当時、その人気は目覚しく、イライラ棒を模倣したアーケードゲームが、あらゆるアミューズメント系施設に導入されていました。プレステやニンテンドー64のソフト、ミニチュア版のおもちゃも発売されたと記憶しています。
しかし、こうしたブームも、クリアされるたびに、格段に難しくなっていくという「イライラ棒のインフレ化」によって、終焉を迎えます。企画終了直前にバージョンアップした「電流イライラ棒USA」などは、チートすぎて、誰もクリアできませんでした。
その後、2000年の番組終了とともに、テレビから消えていったイライラ棒。調べてみたら、アプリがあるようです。興味のある方は、やってみといいでしょう。当時のワクワクがちょっとだけ蘇るかも知れません。
(こじへい)
ライブミランカ ウッチャンナンチャントークライブ2007~立ち話 [レンタル落ち]