清水翔太 『PROUD』は世界でもまだ聴いたことのない音作りを目ざした/インタビュー

■清水翔太/New Album『PROUD』インタビュー(2/4)

――インタビュー1より

このアルバムを作り始めた頃から、メロディーに対して覚醒している

――初回限定盤にミュージックビデオが入る「ANIMAL」は、どんなイメージで書いた曲ですか?

翔太:人間に対する賛歌であり、ディスも書きたいなと思ったんです。たとえば友達との付き合いで、「いいな、楽しいな」と思う場面もあれば、「くっだらねぇな、こいつら」と思う場面もあったりするじゃないですか。

――ふと冷静になったりしてね。

翔太:そう。じゃあ、お前はどっちなんだよ、って考えるんですけど、その答えは出ないんですよ。だって、自分にもどっちもあるから。自分も欲望のままに生きるときもあるし、そういう自分を「バカだな」と思うときもあるし。じゃあ、もう人間をディスりながら絶賛しようと思って(笑)。人間の動物的なところ、理性が働かないような部分を批判しながら誉めようと思って書きました。

清水翔太 『PROUD』は世界でもまだ聴いたことのない音作りを目ざした/インタビュー

――ラストの「lovesong」は、ブルースフィーリングを感じたし、ラップもポエトリーリーディングに近いなと思ったんです。これはどんな曲を目ざしたんですか?

翔太:リアルな曲を作りたいなと思ったんです。これは結構、僕の実話で。それを本当に生々しい感じで表現したいなと思って関西弁を入れてみたりしたんです。

――「Drunk」でも関西弁は出てくるよね。

翔太:今回はそういうところも意識してたんですよ。自分が本当に思っていることを、自分の言葉で言うっていう。それがたとえエッジの立ったことでも言っていくっていう。「lovesong」はこのアルバムで一番くらいに気に入っている曲ですね。メチャいい曲だと思ってます。

――今回は全体的に音色選びがすごく独特だと思ったんです。ざっくり言えば、曲調は今どきのR&B/ヒップホップにカテゴライズされるものが多いけど、ひとつひとつの音色や、それらの掛け合わせ方が、現行シーンのそれとは違うものになっている。

翔太:そうなんです。世界でもまだ聴いたことのない音とか、そういう音作りを目ざそうと思ってましたから。結構新しいことにも挑戦しているし、思いついたことは全部やってみるっていう。

――海外で流行ってる楽曲をあまり聴かずに作ったんですか? それとも聴いた上で敢えて違いを出そうと考えたんですか?

翔太:聴いてるけど、研究はしてないっていうことですね。

清水翔太 『PROUD』は世界でもまだ聴いたことのない音作りを目ざした/インタビュー
PROUD【初回生産限定盤】

――「最近のドラムはこういう音が流行ってるな」と分析して、それを再現させようとする作り方じゃないっていう。

翔太:そう。僕は本当のアレンジャーさんに比べたら知識はないんですよ。ソフトにしても自分が触れる範囲だけでやってるし、わかってないところがいっぱいある。でも、わかってないからこそ、より感覚的に作れるところがあるし、だからこそそこを武器にしようっていうのはありました。あと、今回のアルバムを作るにあたって、とにかくすごい数の音源を買ったんです。

――昨年末に自宅スタジオをリニューアルしたと言ってましたよね。

翔太:そのタイミングでソフトとかメチャクチャ買い足したんです。それを使って、とにかく音から作っていった感じはありますね。

――新しく買ったソフトの音を鳴らしていって、「おっ」と思うものを探していくような作業からスタートしたの?

翔太:そう。で、良い音があったら、それで1曲作っちゃうっていう作り方。インスピレーションを刺激する音を見つけたら、とりあえず何かフレーズを打ち込んで、それをずーっとループさせて、気持ちいいか気持ちよくないかっていうところで判断するっていう。そこでフリースタイルで、適当な英語でラップしてみたり、歌ったりしてみて、「これ、いいかも」となったら作り込んでいく。だから、今までみたいにコード進行をまず考えて、っていう作り方じゃない。そういう意味では作り方もヒップホップな感じだったかもしれないです。

清水翔太 『PROUD』は世界でもまだ聴いたことのない音作りを目ざした/インタビュー
PROUD【通常盤】

――音色という観点で、我ながらユニークとか異端だなと思う曲は?

翔太:自分にしか作らないだろうなっていう音は「キミノセカイヘ」。あとは「thinking bout you」もそうかな。「なんでそうしちゃうの?」みたいな(笑)。そういうのが面白かったんですよね、今回は。

――その2曲はサウンドや音色が凝っていることに加え、メロディーも素晴らしいと思ったんです。というか、それは今回のアルバム全体にも言えると思っていて。音色は実験的だったり変態的だったりするんだけど、メロディーセンスの良さもあふれだしているアルバムだなって思ったんです。

翔太:ありがとうございます。実はこのアルバムを作り始めた頃から、メロディーに対して覚醒していて。すごく洗練されたメロディーに目覚めたんです。

――そういうメロディーが自然と出てくるの?

翔太:そう、出てくるんです。J-POPからの離脱ということでそうなっていったのかわからないんですけど、「もっとキャッチーにしたほうがいいな」とか「もっと高音域でまとめたほうがいいな」とか、そういうことを考えずに自由に音階を辿れるんだと思った瞬間に、コードに対してすごく斬新で、でもキャッチーで無駄がないメロディーが出てくるようになって。今のメロディーセンスは自分でもすごく好きだし、今まで使ってきたコード進行もまた使いたい、みたいな気持ちになってるんですよね。

――インタビュー3へ


≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
New Album
『PROUD』
2016.03.30リリース

【初回生産限定盤】CD+DVD
SRCL-9016~17 / ¥3,600(税抜)
【通常盤】CD
SRCL-9018 / ¥3,000(税抜)

[収録曲]
1. Feel Good
2. PROUD
3. Damage
4. Good Conversation
5. ANIMAL
6. Drunk
7. thinking bout you
8. N.E.E.D
9. 花束のかわりにメロディーを
10. MONEY feat. 青山テルマ , SALU
11. BYE×BYE
12. キミノセカイヘ
13. lovesong

≪ライブ情報≫
【清水翔太 LIVE TOUR 2016“PROUD”】
2016年5月18日(水)東京・Zepp Tokyo
2016年5月23日(月)愛知・Zepp Nagoya
2016年5月25日(水)大阪・Zepp Namba
2016年5月29日(日)北海道・Zepp Sapporo
2016年7月1日(金)千葉・市原市市民民会館
2016年7月10日(日)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2016年7月12日(火)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2016年7月15日(金)宮城・仙台サンプラザホール
2016年7月21日(木)福井・フェニックス・プラザ 大ホール
2016年7月30日(土)静岡・静岡市民化会館 大ホール
2016年8月14日(日)香川・アルファあなぶきホール 大ホール
2016年8月17日(水)広島・広島文化学園HBGホール
2016年8月25日(木)鹿児島・鹿児島市民文化ホール 第1ホール
2016年8月27日(土)福岡・福岡サンパレス
2016年9月8日(木)日本武道館
2016年9月9日(金)日本武道館
2016年9月26日(月)大阪城ホール

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