
■清春/New Album『SOLOIST』インタビュー(1/4)
若い世代にはわからなくてもいいかなって気持ちでここ数年は歌詞を書いている
ソロとしては実に約3年ぶりとなるアルバム『SOLOIST』をリリースする清春。アルバムに先駆けた全国ツアー【清春TOUR 天使の詩 2015『21』】では、そのほとんどをステージで披露し、たしかな手応えを得たという。今作を通して彼が放つソロアーティストとしての想いを、余すところなく語ってくれた。
(取材・文/片貝久美子)
なぜ新譜を作るのか、たまにわからなくなる時があるんですよね
――ソロとしてのアルバムは3年ぶりということで、コンセプトやテーマは決められていたんですか?
清春:コンセプトは特にないんですよ。でも、今回のアルバムは、3年ぶりということのほかに、ミニアルバム(『light~saw the light & shade~』『shade~saw the light & shade~』)を2枚合わせて1枚とすると、9枚目になるんですね。なので、次の10枚目に向けて……そこで完成なのか、そこからもう一回スタートなのかはわからないけど、そこに向かっていく1枚になっていると思うんですよ。僕自身のキャリアもソロのほうが長くなってきて、僕がソロとして今どういう音楽をやっているかっていうのを、このアルバムで認識、評価をしてもらいたいというか。

――そう思われるのはなぜですか?
清春:やっぱり、どうしても黒夢やsadsのイメージで見られることが多いんですよね。それこそソロを始めて何年かは、新しいことにチャレンジするとか、バンド時代に対してのソロはこうだとか、コンセプトっぽいものを持って制作していたこともあったりしたんですけど、ここ数年は逆にそういうものはまったくなくて。ただ、ハードな曲をソロでやることには飽きていて、理想はミディアムテンポとか歌もの、雰囲気ものといった系統のモードなんです。だから、昔から僕のことを知っている人に関しては、このタイミングで古いデータを新しいものに書き換えてほしいし、新しく出会ってくれる人がいたなら、これを代表作だと思ってほしい。(アルバムの)枚数的にも、(自分の)年齢的にも、そういうのがそろそろできる時期かなっていう感じですね。
――失礼ながら、私も清春さんに対して黒夢であったりsadsであったりのイメージがどうしても先行してしまって……。先入観というか。
清春:うん。僕も客観的に見ると先入観ありますからね(笑)。

――そうなんですね(笑)。なので、そういう先入観を持ちながら今回の『SOLOIST』を聴かせていただいた時、正直ビックリしたんです。それこそ、バンドを彷彿とさせるハードな楽曲がほとんどなくて、それが驚きでもあり、すごく新鮮でもありました。
清春:そうなんですよね。いいか悪いかは別として、たぶん知ってる人からしたらイメージがたいぶ違うと思う。知らない人はイメージがないからいいんですけど、それでもやっぱり今はYouTubeとかがあって、知らない人が聴くとしたら再生回数の多いものになる、そうすると必然的に昔のヒット曲になっちゃうんですよね。それを例えばTwitterとかに貼られると、それが現在っぽい形で見えちゃうんですよ。なので、何をやってもずっと昔のイメージが消えないというか。もちろんありがたいことでもあるんですけど、クリエイトするほうからすると、なぜ新譜を作るのかっていうのがたまにわからなくなる時があるんですよね。長く続ければ続けるほど、いつまでも状況が変わらないことがわかるから、もう(新譜を)出しても意味ないんじゃないかなって。

――そういう気持ちを奮い立たせてくれる存在は何なのでしょうか?
清春:やっぱりファンの人がいるから。ファンのみんながまず聴いてくれるから、そこに向けて出していきたいって気持ちがあります。あとはもう、今自分がやりたい音楽、思い描いているサウンドを続けていくだけ。それを1枚にまとめたのが今回のアルバムっていう感じです。
――そういう意味では、今の清春さんのモードが凝縮されたアルバムなんですね。
清春:そうですね。僕は今もsadsをやっていて、今は一旦終了してますけど黒夢も再結成していて、その中ではやっぱりソロが自分の年齢に近い枠というか。僕が思うに、バンドって10代の時に始めるようなもので、20代30代とやっていっても基本的には若い世代に訴える方法だと思うんですよ。だから、自分が年を食った時も、幼返りしたい素振りをしないとバンドってできないようなところも正直あって……。でも、今の僕は、若い子に自分の音楽を聴いてほしいというよりは、自分と同じような世代の人たちに聴いてもらいたいというか、そういう人たちが聴いてわかるものになってるんじゃないかなって思うんです。歌詞なんかは特に、若い子にはちょっとわからないんじゃないかな(笑)。

――たしかに、全体的な印象として余白の多い歌詞というか、聴く側の経験値に委ねられているような感じがしました。
清春:シンプルに書いてるんだけどね。でも、直接的じゃない。僕、自分の娘が好きで買ったロックバンドとかのCDをたまにチェックするんですよ。そうすると、歌詞がすごく直接的だなって思うんですね。それはおそらく20代30代の人たちが10代20代に向けて書いているもので、ある意味すごくリアルだし、僕らにはもう書けない。というか、40代、もうすぐ50に足が届くようになった人が、今の10代に刺さる歌詞が書けちゃうのも逆に危ないと思うんですけど(笑)。なので、僕自身は、幅広く歌いたいと思いつつ、一方で若い世代にはわからなくてもいいかなって気持ちでここ数年は歌詞を書いてるんです。
――インタビュー2へ
≪動画コメント≫
≪リリース情報≫
New Album
『SOLOIST』
2016.03.30リリース
【初回限定盤】CD+DVD
WPZL-31150~51 / ¥4,860(税抜)
※デジパック仕様・全32Pブックレット付き
※『SOLOIST』リリースイベント握手会参加券封入(初回プレス分限定)
【通常盤】CD
WPCL-12327 / ¥3,240(税抜)
※『SOLOIST』リリースイベント握手会参加券封入(初回プレス分限定)
[収録曲]
1. ナザリー
2. 夢心地メロディー
3. EDEN
4. DIARY
5. ロラ
6. 瑠璃色
7. FUGITIVE
8. MELLOW
9. MOMENT
10. QUIET LIFE
11. 海岸線
12. メゾピアノ
13. 麗しき日々よ
<DVD> ※初回限定盤のみ収録
「SOLOIST special film」
1. 海岸線 Music Video Spot
2. ロラ Music Video -Full Version-
3. EDEN Music Video Spot
4. ナザリー Music Video -Full Version-
5. DIARY Music Video Spot
6. MOMENT Music Video -Full Version-
7. 夢心地メロディー Music Video -Full Version-
8. 瑠璃色 Music VIdeo -Full Version-
9. メゾピアノ Music VIdeo Spot
≪ツアー情報≫
【TOUR 天使の詩 2015『21』】
2016年5月2日(月)恵比寿ガーデンホール ※追加公演
≪イベント情報≫
【New Album「SOLOIST」発売記念イベント】
2016年4月2日(土)14:00~ 東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
2016年4月3日(日)14;00~ 大阪・もりのみやキューズモールBASE 1F BASEパーク
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