連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第1週「常子、妹のために走る」第7話 4月11日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓
所属事務所の法則が?「とと姉ちゃん」7話
とと姉ちゃん part1―連続テレビ小説 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版

とと姉ちゃんの活躍


昭和10年、4月。

お弁当美味しそう〜、わっぱのお弁当箱すてき〜
とはしゃいだ気持ちになった第2週。
しかもすでに、常子の口癖「どうしたもんじゃろの〜」に慣れ親しみかかっていることに驚く。
三人姉妹に対抗した玉置三兄弟の登場もドラマを盛り上げる。カメラが、常子と鞠子(相楽樹)と三兄弟を追いかけて動くのも小気味よかった。
今の時期なら、6人兄弟を出して、三人姉妹VS「おそ松さん」みたいにしてもよかったのかもしれない。
というふうに、小ネタ系はまあまあ充実していることに満足して、本筋へーー。
西島秀俊演じる「とと」こと竹蔵が亡くなって、その代わりに小橋家の家長となった常子(高畑充希)。消防組に入って、男たちのなかにまじってたくましさを発揮している。

ととが亡くなって4年経ったものの、残された妻と娘たちは、ととを忘れることはない。とくに、末娘の美子(子役・根岸姫奈)には父不在が影を落としていた。
「話せば減ってくばかりでなくなっちゃう。とととの思い出はもう増えないもん」という台詞にはうるっとなる。

そんな美子を励ます常子。「妖怪おはじきばばあ」のつまらなさで笑わせる技はすばらしいアイデアだ。
常子は、「とと」としての責任を全うすべく、立派な目標も掲げている。

家族を守る。一、鞠子、美子を嫁に出す。一、家を建てる。

妹を嫁に出すことまで引き受けるのもすごい(この時代戸主になった女性は嫁にいくのではなく婿をもらう決まりだった)が、家を建てるもすごい。まだ十代だっていうのに、常子、がんばってるなあ。
こうして、わずか15分の間に、とと姉ちゃんを応援したい気分になっていた。西田征史の脚本が巧みだし、高畑充希にも吸引力があるようだ。

さて。今週から、早とと(BSプレミアム)の前の朝ドラ再放送が03年放送の「てるてる家族」になった。

こちらは四人姉妹の物語。ヒロインの石原さとみが初々しい〜。
そうそう、ミュージカル仕立てだったなー、とか、わ、また、ラサール石井出てきた!  とか早とと前にひとしきり楽しんだのだが、ふと気づいたことがある。

石原さとみも、高畑充希も、所属事務所がホリプロだ。朝ドラではないが、壮大なファンタジーがはじまったと話題の「精霊の守り人」の綾瀬はるかもホリプロ。向井理も、関連会社のホリエージェンシー。ついでに言えば、西田征史もお笑い芸人時代、ホリプロ所属だった。ホリプロの名前が、ラサール石井以上に脳裏にこびりついて離れない。いや、脳裏というより、NHKドラマにホリプロの名がこびりついて離れない。
は! ラサール石井は、ホリプロ所属ではないが、高畑充希のデビュー作・山口百恵トリビュートミュージカル「プレイバック part2 屋上の天使」(ホリプロ制作)の作、演出を手がけていたのだった。

お願い、とと姉ちゃん、ホリプロとラサール石井を忘れさせて!
(木俣冬)
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