
■氷室京介/【KYOSUKE HIMURO LAST GIGS】ライブレポート
2016.05.23(MON)at 東京ドーム
俺たちはまだまだ氷室京介を卒業したくない!
ソロ、そしてBOØWY時代の楽曲を織り交ぜて繰り広げられた3時間半、35曲の最高のロックンロールショー
2014年に耳の不調からライブ活動の無期限休止を発表した氷室京介。本来であれば、ツアーファイナルの横浜スタジアム公演で活動の区切りをつける予定であったが、自身の怪我によるコンディションの不十分さや落雷による公演中断で、リベンジを宣言。
泣いても笑ってもこれでアーティスト氷室京介はライブ活動にひとまず区切りをつけることになる。バックステージまで解放し、55,000人を収容した東京ドーム。ステージ横のスクリーンにこれまでのライブツアーのアーカイブが流れはじめると、やはり、これが最後なのかと感傷的な気持ちになる。
大歓声の中、「最高の夜だぜ! 騒ごうぜ!!」の第一声と共に始まったのは「DREAMIN'」。BOØWYの3rdアルバムであり、故佐久間正英氏がプロデュース、ベルリンでレコーディングされ、バンドのブレイクスルーとなった『BOØWY』のオープニングナンバーから本編はスタート。サビでは思いの丈と共にステージ上の氷室に届けと言わんばかりの大合唱だ。ブラックレザーの衣装に身を包んだ姿はどこまでもカッコよく、お得意のアクションで観客を沸かせていく。

2003年以降、信頼のおける相棒としてステージを支えるDAITAのギターに、ステージ上手のYTのリフが重なり始まった「RUNNAWAY TRAIN」。BOØWY時代とは肌触りが違うハードなアレンジに会場が揺れ、「BLUE VACATION」「TO THE HIGHWAY」へと続いていく。
「いくぜ! TOKYO!!」
続いて演奏された「BABY ACTION」では、スタンド席の間際まで近づき、オーディエンスを煽る。手を伸ばせば届くような距離、ライブハウスを思わせるかのような瞬間だ。
初めて自分自身でギターやベースを弾きデモテープを作ってレコーディングに挑んだというBOØWYのアルバム『JUST A HERO』。この作品での経験がなければ35年後、ここにはいなかったと語るMCのあとに演奏されたのは、同アルバムに収録された「ROUGE OF GRAY」。パワーステーションを彷彿させるシックかつパンキッシュなナンバーだ。
ときより耳の調子が悪いのか、イヤモニを気にするしぐさが目につくものの、それを吹き飛ばさんといわんばかりのパフォーマンスを見せ、またそれに応えようと全力でこぶしを振り上げるオーディエンスたち。
「いまの気持ちは話すよりも歌で伝えたい」とのMC後に演奏された「CLOUDY HEART」はBOØWYの最後のシングルである「季節が君だけを変える」のカップリング曲。彼らがまだライブハウスで活動していた時期から演奏され続け、幾度のアレンジが加えられ完成したナンバーはソロとしてもバラードアレンジを施し、新たにレコーディングされた経緯もあるなど、本人にとってもファンにとっても思い入れ深い曲だろう。
「Thank You! なんて気持ちいいんだろう」そんな氷室の声に誘われ、DAITAのギターからはじまった「PARACHUTE」。GLAYのTAKUROが作詞したこのハードなナンバーにサビの歌詞同様に観客もイカレていく! MCでは、LAでTAKUROとB'zの松本孝弘とのエピソードも語られる中、これからは長い時間をかけて音楽を作っていきたいと、今後の活動について触れた。
「後半はビッキビッキで行くぜ!」と、「BANG THE BEAT」「WARRIORS」とソロ時代の激しいナンバーに加え、「NATIVE STRANGER」ではパイロもさく裂し、「ONLY YOU」では観客の盛り上がりも天井知らずだ。本編最後は「俺の25年の歴史はここからはじまった!」と叫び、ソロデビュー曲の「ANGEL」へ。銀テープが飛び交う中、“キング・オブ・ロックンロール”の最後のショーは最高の盛り上がりを見せた。

会場に何度もウェーブが起きる中、アンコールの1曲目に披露されたのは「The Sun Also Rises」。
2回目のアンコールでは、「今夜は死ぬまで終わんねーぞ!」と氷室が叫び、オーディエンスのボルテージもグングンと上がっていく。そこへ「VIRGIN BEAT」「KISS ME」のヒットナンバーとくれば盛り上がらないわけがない!!!
止まぬ氷室を求める声、3度目となるアンコールのラストは「B・BLUE」。1998年4月に開催された東京ドーム、BOØWYのLAST GIGのオープニングと同じナンバーを、この氷室京介のLAST GIGのラストナンバーとして歌いあげた。
ソロ、そしてBOØWY時代の楽曲を織り交ぜて繰り広げられた3時間半、35曲の最高のロックンロールショー。これで氷室京介の35年の歴史にひとまず区切りがつくわけだが、けっして情熱が冷めたわけではなく、時間をかけて良い音楽を作っていきたいとMCで語っていただけに期待したいところ。俺たちはまだまだ氷室京介を卒業したくない! そう思った夜だった。
(取材・文/西沢フミタカ)
≪セットリスト≫
1. DREAMIN'
2. RUNAWAY TRAIN
3. BLUE VACATION
4. TO THE HIGHWAY
5. BABY ACTION
6. ROUGE OF GRAY
7. WELCOME TO THE TWILIGHT
8. MISS MYSTERY LADY
9. “16”
10. IF YOU WANT
11. LOVER'S DAY
12. CLOUDY HEART
13. LOVE & GAME
14. PARACHUTE
15. BANG THE BEAT
16. WARRIORS
17. NATIVE STRANGER
18. ONLY YOU
19. RENDEZ-VOUZ
20. BEAT SWEET
21. PLASTIC BOMB
22. WILD AT NIGHT
23. WILD ROMANCE
24. ANGEL
<encore 1>
25. The Sun Also Rises
26. 魂を抱いてくれ
27. IN THE NUDE
28. JELOUSYを眠らせて
29. NO.N.Y.
<encore 2>
30. VIRGIN BEAT
31. KISS ME
32. ROXY
33. SUMMER GAME
<encore 3>
34. SEX&CLASH&ROCK'N'ROLL
35. B・BLUE
≪リリース情報≫
オールキャリア・ベストアルバム
『L'EPILOGUE』
2016.04.13リリース
【初回生産限定盤】2CD+1 LIVE CD
WPCL-12339~41 / ¥3,700(税抜)
※純白エンボス加工を施した豪華デジパック仕様
【通常盤】2CD
WPCL-12342~43 / ¥3,000(税抜)
□Disc-1
1. ミス・ミステリー・レディ(※新録曲)
2. 黒のラプソディー(※新録曲)
3. “16”(※新録曲)
4. CLOUDY HEART(※新録曲)
5. わがままジュリエット(※新録曲)
6. WARRIORS
7. Silent Blue
8. MONOCHROME RAINBOW(※リミックス曲)
9. FOLLOW THE WIND(※リミックス曲)
10. So Far So Close
11. ONE LIFE
12. FUNNY-BOY(※新録曲)
13. 唇にジェラシー(※新録曲)
14. WILD ROMANCE
15. REVOLVER
□Disc-2
1. ANGEL
2. DEAR ALGERNON
3. LOVER'S DAY
4. SUMMER GAME
5. MISTY~微妙に~
6. JEALOUSYを眠らせて
7. CRIME OF LOVE
8. KISS ME
9. VIRGIN BEAT
10. STAY
11. 魂を抱いてくれ
12. NATIVE STRANGER
13. ダイヤモンド・ダスト
14. SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~
15. BANG THE BEAT
16. IF YOU WANT
□Disc-3 ※初回生産限定盤のみ収録
1. B・BLUE(2004.8.22 TOKYO DOME)
2. Claudia(2004.12.25 YOYOGI NATIONAL STADIUM)
3. LOVE & GAME(2012.12.31 NIPPON BUDOKAN)
4. Bloody Moon(2012.12.31 NIPPON BUDOKAN)
5. HEAT(2008.9.14 YOKOHAMA ARENA)
6. Girls Be Glamorous(2003.11.23 YOYOGI NATIONAL STADIUM)
7. TO THE HIGHWAY(2012.12.31 NIPPON BUDOKAN)
8. PLASTIC BOMB(2011.6.12 TOKYO DOME)
9. MARIONETTE(2011.6.12 TOKYO DOME)
10. ONLY YOU(2011.6.12 TOKYO DOME)
11. SWEET REVOLUTION(2008.9.14 YOKOHAMA ARENA)
12. CALLING(2014.7.19 YOKOHAMA STADIUM)
13. SQUALL(2008.9.14 YOKOHAMA ARENA)
14. WILD AT NIGHT(2014.7.20 YOKOHAMA STADIUM)
15. The Sun Also Rises(2014.7.19 YOKOHAMA STADIUM)
氷室京介 オフィシャルサイト
氷室京介 掲載記事一覧
エキサイトミュージック レポート掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel