Jazztronik 女優すみれをヴォーカルに迎えた、5年ぶりオリジナルフルアルバム/インタビュー1

■Jazztronik/New Album『Keystone』インタビュー(1/4)

Jazztronikの過去と未来を繋ぐ意欲作

1998年に活動を開始し、洗練されたサウンドと独自のスタンスで日本の音楽界を泳ぎ続けてきた野崎良太によるミュージックプロジェクト、Jazztronik。テレビドラマ『ファースト・クラス』のサントラを手掛けたことも記憶に新しいJazztronikが、前作『Dig Dig Dig』以来、約5年ぶりとなるオリジナルフルアルバム『Keystone』を完成させた。
本作では縁深い面々を揃えてJazztronikの多様な音楽性を改めてアピールする一方、女優のすみれをヴォーカルに迎えるなど、新しいことにもチャレンジ。Jazztronikの過去と未来を繋ぐ意欲作が生まれた経緯や、現在の音楽への向き合い方など、たっぷり語ってもらった。
(取材・文/猪又 孝[Do The Monkey])

『Keystone』では、僕のサウンドの要となっているものを表現できた

――オリジナルフルアルバムとしては5年ぶりになりますが、新作はいつ頃から制作を始めたんですか?

野崎:自分の中でコンセプトが固まってきたのは昨年末ですね。

――ということは、実質3、4ヶ月ほどで一気に作り上げた感じですか?
野崎:僕はいつもそんな感じなんです。ひょっとしたら3ヶ月かかってないかも。時間をかけると、どんどん違うものに変えたくなっちゃうんです。

――違うアイデアがバンバン生まれてきて?

野崎:そう。「あそこをこうしたい」とか「ここをああしたい」とか。今回もすでに出てきてるんですけど(笑)、そういうところをライブで補っていこうと思っているので、いつもCDとライブがだいぶ違うカタチになるんです。

――今回はどんなコンセプトで作り始めたんですか?

野崎:あと2年で活動20周年になるんですが、こうして音楽を続けていられるのは何故だろう?と考えたときに、ミュージシャンやボーカリストに支えられているからだと思ったんですね。そういう僕のサウンドや活動の要になっている人たちをもっと前に出せて、もっと知ってもらえるような内容のアルバムを作れないかと思ったんです。

――その思いが『Keystone』というタイトルにも反映されてるわけですか。


野崎:そうなんです。Keystoneを日本語にすると「かなめ石」で。
Jazztronik 女優すみれをヴォーカルに迎えた、5年ぶりオリジナルフルアルバム/インタビュー1

――アーチの最上部にはめ込まれている石のことですね。

野崎:実際、今回のアルバムでは、僕のサウンドの要となっているものを表現できたと思っていますし、僕のサウンドの要となってくれているミュージシャンたちにも、ほぼ全員参加してもらえたんです。あと、Keystoneという言葉に「鍵盤」という意味はないですけど、僕は鍵盤奏者だから「キー」という言葉も入っていていいなって思って。

――前作『Dig Dig Dig』は、ご自身のルーツにあるダンスミュージックを掘り下げたアルバムでしたが、今回はそのときの振り返りモードとは趣向が違うんですね。

野崎:ダンスミュージックはあくまで僕がやりたい音楽の中のひとつなので、『Dig Dig Dig』のときはその1点だけにフォーカスしたんです。今回は振り返りでもありつつ、未来をめざしたアルバムでもあって、僕には2年後の20周年のときに超大編成のコンサートをやりたいというビジョンがあるんです。ひとつのステージに大編成の弦楽器隊がいて、ビッグバンドもいて、ドラムもいて、ベースもいて、ギターもいて、さらにDJセットがあってっていう。

――Jazztronikの音楽性の集大成をみせようと。

野崎:ウルトラマンや仮面ライダーが時空を超えて大集合するときがあるじゃないですか。 

――春休みとか夏休みに映画で集結しがちですね。


野崎:そう(笑)。僕、あの状態がすごく好きで、それをミュージシャンでやりたいんです。そのために僕がやっているひとつひとつの活動の知名度を上げようという取り組みを2年くらい前からやっていて。ビッグバンドはビッグバンド、弦楽器隊は弦楽器隊、僕とドラムとベースで組んでいるテクノトリオはテクノトリオというふうに全部別々にライブをやっているんです。そのプランがちょうど中間まで来たので、だったら、こういう音楽をこういう人たちとやってますっていう現状報告を今回のアルバムでしたいと思ったんです。

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
『Keystone』
2016.06.08リリース
WPCL-12396 / ¥2,778(税抜)
[収録曲]
1. Now
2. Metamorphosis
3. Lost melody
4. DGA
5. PeachBoy
6. The City Beyond-幻(maboroshi)
7. WARP ~The warp riders adventures on the dance floor~
8. Parade!
9. Splash the Blue
10. A New Phase of Life

≪ライブ情報≫
【New Album「Keystone」Release Live】
2016年7月4日(月)赤坂BLITZ
2016年7月22日(金)ビルボードライブ大阪
2016年7月23日(土)福岡スカラエスパシオ
2016年7月24日(日)鹿児島 指宿白水館・薩摩伝承館

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