藤井フミヤ 4年ぶりのオリジナル・アルバムは大人だからこそ歌える『大人ロック』/インタビュー1

■藤井フミヤ/New Album『大人ロック』インタビュー(1/2)

“大人”だからこそ歌える『大人ロック』

藤井フミヤが4年ぶりにリリースするオリジナル・アルバム『大人ロック』。そのタイトル通り、一曲一曲から“大人”の雰囲気が醸し出される一枚となっている。曲を提供している作家陣も、今作のプロデューサーを務めた大島賢治(ex. THE HIGH-LOWS)を筆頭に、B'zの松本孝弘や、coba、屋敷豪太ら大人な顔ぶれが並ぶ。だが、意外にも最初からテーマを持って作り始めたのではなく、作っているうちに自然と“大人”になっていたとのこと。そう聞くと、そんなふうに何となくから“大人”を匂わせることができることが、藤井フミヤが“大人”だからこそと思ってしまう。バラエティに富んだ内容ながら、総じて“大人”な説得力があり、色気を感じる11曲を楽しんでもらいたい。
(取材・文/瀧本幸恵)

そろそろみんなニューアルバムも聴きたいだろうな、と思って(笑)。

――オリジナル・アルバムの発売は『Life is Beautiful』以来、4年ぶりです。久しぶりのリリースですが、その間もツアーをやったり、イベントやテレビに出演されたり、企画ものの作品のリリースもありましたし、どちらかと言うと意欲的に活動をされていた印象です。

藤井フミヤ:そうだね。コンサートツアーは昨年は休んだけど、たくさんライブもやってたもんね。

――では、オリジナル・アルバムがこのタイミングになったのは?

藤井フミヤ:この4年間は特に新しい曲が必要がなかったっていうのもあるんだよね。30周年のツアーやクラシックのコンサートはどうしてもベスト盤的なセットリストになっちゃうしね。でも、そろそろみんなニューアルバムも聴きたいだろうな、と思って(笑)。

――聴きたかったです(笑)。作り始めようと思ったきっかけになった曲とかってあるんですか?

藤井フミヤ:「GIRIGIRIナイト」かな? 3年くらい前に大島(賢治)くんからもらってて。俺のコンピューターに入れっぱなしだったから、大島くんは「あれはボツったんだろうな」って思ってたらしいんだけど、俺はずっとやる気があったの。それで、いよいよレコーディングしようかって時期になったときに、ディレクターから「あの曲はどうする?」って言われたから、「やるよ! やるやる」って。でもその前に、KANIKAPILAっていう新人の女の子バンドの曲を俺と(弟の)尚之の二人で作って、それを大島くんにアレンジしてもらったっていうのがあったり。そのあとにまた、今度はフジテレビの番組(藤井と、とんねるず・木梨憲武、ヒロミの親友3人が旅をするロケバラエティー)用に「友よ」って曲を急きょレコーディングすることになって、これも大島くんにお願いしようって。

――大島さんがいつもいい感じのタイミングにいらっしゃるんですね(笑)。

藤井フミヤ:そうやって大島くんにいろいろとお願いしてたら、(新しいアルバムの)レコーディングも始まるってことで、「大島くん、なんか曲ないの?」、「これもアレンジしてよ」みたいに、この曲もあの曲も大島くんってなっていって。気付いたら結局、今度のアルバムは大島くんプロデュースだって(笑)。

――最初からではなく一曲ずつやっていたら、大島さんがプロデュースするような形になっていた、と。

藤井フミヤ:そうそう。だから、今回のアルバムで2曲だけ俺が作曲した曲があるんだけど、それだけは先にあった曲だったから、大島くんがアレンジじゃないんだよね。

藤井フミヤ 4年ぶりのオリジナル・アルバムは大人だからこそ歌える『大人ロック』/インタビュー1

全体的に余裕のある感じが大人っぽいなと思ったんだよね

――そんな流れだったんですね。では、“大人ロック”という発想はいつ生まれたんですか?

藤井フミヤ:最初は何も考えずに好き勝手に作ってて、気付いたら普通の恋愛の歌が少なくて、歌詞の内容がそんなに若くないというか、ちょっと大人らしい余裕のある、軽い哲学入ったようなポップ&ロックなんだよなって思って。全体的に余裕のある感じが大人っぽいなと思ったんだよね。それで「GIRIGIRIナイト」っていう曲の仮タイトルが“otonarock”だったこともあって、「『大人ロック』はどう?」って話になって。最初はどうかな?とも思ったんだけど、なんかこう、横文字の感じも洒落すぎててサラッと流れちゃうじゃない。そういうのも嫌だな、引っかかりが欲しいな、みたいな。それで、他にいいのも浮かばないし、「いいか、『大人ロック』で」って(笑)。

――「いいか」って(笑)。でもそんな気張らない感じも大人ですよね。

藤井フミヤ:よく聞いてみるとそこまでロックロックした感じでもなくて、ポップだったりもするんだけどね(笑)。でも、80年代の雰囲気もするし、当時若者だった人たちは、今はもうみんな大人になってるしね。そんな意味も込めて。

――作家陣の方は皆さん大人な方ばかりですけど、これは狙ってオファーされたんですか?

藤井フミヤ:それが、そんなことないんだよね。「あの人がこんな曲書いてきたよ」って感じで集まってきたのを選んでたら、いつの間にか大人ばかりになっちゃった。

――“大人”というテーマがはっきり見える作品だと感じたので、最初から“大人”を目指して、「そういうテーマだから、そういう曲書いてちょうだいね」みたいな感じで、オファーをしたのかと思ってました。

藤井フミヤ:それは違う。もう全部飲み屋で決まったような感じ(笑)。飲んでて、「そういえば曲書いてよ」「おう、いいよ」みたいな。

もっとGuns N’ Rosesみたいな曲が来んだろって思ってたのに(笑)

――そうなんですね。そうすると、松本孝弘(B'z)さんが作られた「エデンの起源」、「ひとりごと」はすごく意外な感じがします。

藤井フミヤ:でしょう(笑)。俺もめっちゃ意外だった。しかも、「(アメリカの)ロスで書いてくる」って言うから、一応のオファーは「アメリカンロックな感じでよろしくお願いします」って言ったのに、全然そんな感じじゃなくて、ポップなメロディーが来たから。デモテープを初めて聴いたとき、松本さんが藤井フミヤに書くというイメージで書いたらこうなるんだな、って。

――稲葉さんに書くのとは違うんだなっていう。

藤井フミヤ:もっとGuns N’ Rosesみたいな曲が来んだろって思ってたのに(笑)。とはいえ、「エデンの起源」の歌詞は難産だったな。メロディーがポップだからどう考えても楽しい恋愛の歌だな、ハートブレイクじゃないよな、と思って。でも、なかなかこの歳で恋愛の歌を書くっていうのが難しくて。だから、第三者として「この二人はどうなっちゃうんだろう?」って、傍から見ている感じで書き始めたのよ。だけど、最後の最後で「やっぱ自分のことにしないと面白くないな」って思って、<連れてゆこう>って言葉に変えたんだけど、ちょっと気恥ずかしくてね。

――インタビュー2へ



≪リリース情報≫
New Album
『大人ロック』
2016.07.13リリース

【初回限定盤】
XQNA-91001 / ¥4,050(税込)
藤井フミヤ 4年ぶりのオリジナル・アルバムは大人だからこそ歌える『大人ロック』/インタビュー1
大人ロック【初回限定盤】

【通常盤】
XQNA-1001 / ¥3,240(税込)
藤井フミヤ 4年ぶりのオリジナル・アルバムは大人だからこそ歌える『大人ロック』/インタビュー1
大人ロック【通常盤】

[収録曲]
1. この空の真下で
2. GIRIGIRIナイト
3. 愛しいゴースト
4. エデンの起源
5. どっちでもいいよ
6. ひとりごと
7. 消えないキャンドル
8. 命の名前
9. 友よ
10. ふるさと
11. 最終目的地
<BONUS TRACK>
12. シンデレラ(COOLSトリビュートアルバムより

≪ライブ情報≫
【FUMIYA FUJII CONCERT TOUR 2016 大人ロック】
2016.09.10(土) 大阪府 フェスティバルホール
2016.09.11(日) 大阪府 フェスティバルホール
2016.09.15(木) 埼玉県 川口総合文化センター リリア メインホール
2016.09.19(月) 北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
2016.09.21(水) 東京都 東京国際フォーラム・ホールA <追加公演> 
2016.09.24(土) 福岡県 福岡サンパレス
2016.10.01(土) 岩手県 盛岡市民文化ホール 大ホール
2016.10.02(日) 宮城県 東京エレクトロンホール宮城
2016.10.05(水) 東京都 Bunkamuraオーチャードホール
2016.10.06(木) 東京都 Bunkamuraオーチャードホール
2016.10.08(土) 奈良県 なら100年会館 大ホール <追加公演> 
2016.10.15(土) 兵庫県 姫路市文化センター 大ホール
2016.10.16(日) 香川県 サンポートホール高松・大ホール
2016.10.22(土) 神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
2016.10.23(日) 神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
2016.10.26(水) 東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
2016.10.28(金) 大阪府 岸和田市立浪切ホール 大ホール
2016.10.31(月) 東京都 中野サンプラザ
2016.11.03(木) 広島県 JMSアステールプラザ・大ホール
2016.11.04(金) 愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2016.11.06(日) 茨城県 常陸大宮市文化センター・ロゼホール
2016.11.10(木) 神奈川県 厚木市文化会館
2016.11.12(土) 京都府 ロームシアター京都 メインホール
2016.11.13(日) 兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2016.11.17(木) 北海道 幕別町百年記念ホール
2016.11.19(土) 北海道 北斗市総合文化センターかなで~る
2016.11.20(日) 青森県 弘前市民会館
2016.11.23(水) 三重県 三重県文化会館 大ホール
2016.11.26(土) 千葉県 市川市文化会館 大ホール
2016.11.27(日) 千葉県 市川市文化会館 大ホール
2016.12.02(金) 大阪府 フェスティバルホール
2016.12.03(土) 大阪府 フェスティバルホール

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