「私は16年前にワンピースのアニメと映画の主題歌をやっていて、今回、16年ぶりに先輩方の背中を見ることができて、嬉しく思っています」
7月23日(土)、遂に公開された『ONE PIECE FILM GOLD』。

70を超えたおっさんがこの作品に参加できた
16年前、とは満島ひかりがまだ「Folder5」のメンバーだった頃。TVシリーズと映画『ONE PIECE ねじまき島の冒険』で、主題歌「Believe」を担当。16年が過ぎても『ONE PIECE』の勢いは一向に衰えず、一方、満島ひかりはアイドルから女優へと転身を果たした。
先日発刊された『大ONE PIECE新聞(第2号)』でもインタビューに答えた満島は、「私、役者になったんだ、“麦わらの一味”の隣に呼ばれるようになったんだと思いました。自分の今までの頑張りと、まだまだ大きい背中を見せてくれる先輩たちが、うれしかった」と、自身の「変化」を語っていたのが印象深い。
同様に、ゲスト声優を務めた濱田岳、菜々緒、ケンドーコバヤシ、そして北大路欣也らも、『ONE PIECE』に参加できた喜びを初日舞台挨拶で語った。
濱田「子どもの頃から見ていた作品。その舞台挨拶に立てるということが、特別なことというか、とても感慨深い舞台挨拶だなぁと思って」
菜々緒「この作品に携われるだなんて夢にも思っていなかったことなので、本当に嬉しいです。(菜々緒が演じた、運気を吸い取る能力者の)バカラよりも自分がラッキーなんじゃないかと思って。今日は皆さんのラッキーを吸い取って帰りたいと思います(笑)」
ケンドーコバヤシ「皆さん、僕の『気持ティー』は気持ち悪かったですか? 皆さんの反応が嬉しくって、声も出ません(笑)」
北大路欣也「70を超えたおっさんがこの作品に参加できた、というのが、僕にとっては夢のようなことです。皆さんの笑顔を見て、あぁ、いい作品に出られたんだなぁということを感謝したいと思います」
北大路はさらに、今回の映画の魅力についても言葉を続けた。
「台本を読んで、愛があった。
「野郎共へ 女に会って来る 必ず戻る」
もちろん、この日の舞台挨拶では、ルフィ役の田中真弓をはじめ中井和哉(ゾロ)、岡村明美(ナミ)、山口勝平(ウソップ)、平田広明(サンジ)、大谷育江(チョッパー)、山口由里子(ロビン)、矢尾一樹(フランキー)、チョー(ブルック)という、「麦わらの一味」レギュラーキャストも勢揃い。
田中が「お前はおれの大嫌いなヤツらにそっくりだ!」と、劇中の決めセリフを叫ぶと、他のメンバーも同様に劇中でのセリフを披露し、観客を喜ばせた。
その中で、あえて劇中にはないセリフでファンを沸かせたのが、サンジ役の平田広明。“帰ってきた”という意味では、満島ひかり以上にファンが待ち望んだ存在だ。
というのも、先頃ようやくTVシリーズでも幕を閉じたドレスローザ編中盤以降、主要キャラでありながら2年近く登場シーンがなかったのがサンジ。原作では今、サンジの出自を巡る秘密が明らかにされる「サンジ祭り」ともいえる状況だが、TVシリーズはまだそこに追いついていない。
ファンが飢えに飢えていたサンジの声。そんな状況で、平田が披露したセリフが「野郎共へ 女に会って来る 必ず戻る」。
TVシリーズではまだ描かれていない、今後の物語の重要パートを先行披露。「いずれアニメでも言いたいと思います」と続け、この日一番の歓声があがった。
皆様のお力で、ゴールドを、金メダルを取ります
間もなく開幕するリオ五輪と映画のタイトルをかけ、「『ONE PIECE FILM GOLD』、どの色のメダルを狙いますか? タナカさん」と司会から振られ、反応したのが主人公・ルフィを演じる田中真弓と、敵海賊「タナカさん」役を演じた濱田岳。どちらが答えるべきかで譲り合い、笑いを誘った。
「ゴ、ゴ、ゴールドです!」と詰まりながら叫んだタナカさんこと濱田岳。
「そりゃぁ、ゴールドでしょう。皆様のお力で、ゴールドを、金メダルを取ります」と力強く宣言した田中(真弓の方)。
最後はそんな田中の首に、北大路欣也が金メダルをかけて観客を盛り上げ、初日舞台挨拶は幕を閉じた。

世界33の国と地域での公開も決定したという『ONE PIECE FILM GOLD』。この夏、全国743スクリーンという邦画史上最大規模のスクリーン数で上映される。
(オグマナオト)