
さて、先週放送された14話「暴走する正義」には謎の巨大ロボット、ギャラクトロンが登場。強い! デカい! 話が通じる感じがまったくしない! という三拍子揃った強敵だ。ウルトラマンオーブの運命やいかに……。
ファーストカットは『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンター風のコスプレをしたナオミ(松浦雅)が、SSPのプロモーションビデオ(?)の撮影中。
「ネバー・セイ・ネバー。できないなんて言わないで。何もしないうちから、“できない”なんて言いたくないです。そう思う私たちSSP、Something Search Peopleは、いつだって不可能に挑戦します」
「ネバー・セイ・ネバー」がSSPのポリシーなんだそうだ。なるほど、いいこと言っている。
SSPが誇る若き天才科学者、松戸シン(ねりお弘晃)は、『下町ロケット』を地で行くニッポンの中小企業、コフネ製作所へ出向中。コフネ製作所はビートル隊のゼットビートルにも部品を提供するバネのトップメーカーだ。
「バネは人間と同じだ。どんな苦難に押し潰されようとも、それを跳ね除ける力がある!」
とパワフルに語る小舟社長。演じる木之元亮は、『ウルトラマンダイナ』のヒビキ隊長役でおなじみ。40代以上の人には、『太陽にほえろ!』のロッキー刑事と言ったほうが早いかも。ヒビキ隊長もロッキー刑事も豪放磊落な熱血漢だったが、小舟社長もほぼ同じキャラクターのよう。そういえば小舟社長が可愛がっている“シン”は、『ダイナ』の主人公アスカ・“シン”(つるの剛士)と同じ名前だ。
納品が終わって焼きそばパーティーを開くコフネ製作所の人たちとお呼ばれしたSSPの面々。ガイ(石黒英雄)が鉄板の前でブルース・リー風の怪鳥音(アチョー!というやつ)を叫びながら炎をあげて焼きそばを焼いたりしているが、ギャグが入ったからといって「ギャグ回」とは限らないのが『ウルトラマンオーブ』の油断ならないところ。
「俺は命を救うために技術を提供したんだ。
ゼットビートルに部品を提供したことについて持論を語る小舟社長。とはいえ、ゼットビートルがまともに戦っているところを見たことないんですけど……。小舟社長の言っていることは、サンダーブレスターに変身するようになったウルトラマンオーブにも通じるものがある。
ウルトラマンオーブがまた負けちゃった!
すると、いきなり空中に浮かんだ魔法陣から、巨大ロボット・ギャラクトロンが登場! しばらくは大人しくしていたものの、いきなりナオミを取り込んで大暴れを始めた!
触手にからみつかれて、生体兵器の一部にされてしまうナオミ。女の子を体内に取り込んでしまう怪獣(ロボット)はいろいろあるが、やはり有名どころは『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』で前田愛(現在は『真田十勇士』の中村勘九郎夫人)を取り込んだイリスだろうか。赤井孝美監督、庵野秀明監督も参加した自主映画『八岐大蛇の逆襲』も忘れがたい。
ギャラクトロンの行動原理は、「全ての争いを止める」こと。そして、そのために争いの元である人類を滅ぼして世界をリセットしようとする! どうやら別の世界(別次元)でも前科があるらしい。タイトルの「暴走する正義」そのままの存在だったのだ。
街へ繰り出し、謎のビームでビルを破壊しまくるギャラクトロン。並んだビルを一斉に爆破して後ろに倒す特撮や、手前に野次馬を置いたままギャラクトロンに駆け寄るウルトラマンを写すショット、そして圧巻のビル越し360度回り込みショットなど、目新しい画面がたくさんあるのが嬉しい。監督はアベユーイチ。
ウルトラマンオーブもギャラクトロンには大苦戦。ハリケーンスラッシュにタイプチェンジしても歯が立たない! マガオロチ戦に続き、オーブスラッガーランスのおもちゃの売れ行きを心配してしまうほどの歯が立たなさだ。ついにオーブはギャラクトロンに捕獲され、胸を巨大な剣で一突き! ウルトラマンオーブが串刺しにされたまま、ネガポジ反転して終わり! ギャー! ウルトラマンオーブがまた負けちゃった! 一緒に見ていた娘(4歳)は泣く前に逃げていってしまった。なぜかオーブが負ける回ばっかり一緒に見ているんだよなぁ……
はたしてウルトラマンオーブはギャラクトロンを倒せるのか? どうやって内部に取り込まれたナオミを救い出すのか? そして、ロボットに夢を託していたシンの想いはどうなる? やっぱりサンダーブレスターに頼らなきゃいけないのか?
この記事が配信されている頃には放送が終わっている第15話は「ネバー・セイ・ネバー」。
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(大山くまお)