脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎

1、2週の舞台だった神戸の洋風でキラキラした世界からうってかわって、近江のしっとり落ち着いた日本家
屋へ。
しかも終戦直後の貧しい生活で、トーンがちょっと暗い感じになってしまった「べっぴんさん」3週め。
野上潔(高良健吾)のお父さん正蔵(名倉潤)が亡くなってしまったことも衝撃だった。こちら、流行りのナレ死ではなくセリフ死でした。
そして、いよいよはじまる本家のいびり! お父さん五十八(生瀬勝久)が東京に出かけ、すみれ(芳根京子)とゆり(蓮佛美沙子)だけのときを狙って!
余計なことをして「都会育ちで蚤に食われたこともないくせに」なんて怒られてしまうすみれ。
そのうち実家の長男は帰ってきて、一方、潔(高良健吾)も紀夫(永山絢斗)も便りがなく・・・。
長男帰還によって、長太郎(本田博太郎)に「一生甘えられても困るんや」と出ていってほしいと言われてしまう。
神戸の家も大阪の会社も焼けて行くところのないすみれたちは困ってしまうが、勝ち気なゆりは「出ていきます!」と売り言葉に買い言葉。
ひたすらギスギス。本家の人たち、五十八がいないときっていうのがずるいけど、言っていることは意外と理不尽ではなく、すみれたちが世間知らずなだけにも思えてくるから、観ているほうも不満のぶつけどころがなくてつらい。それもこれもみんな戦争が悪いのだ。
月曜の朝からキツイわ〜〜と思っていたら、潔が帰って来た! やったー!
暗いまま15分終わらないでくれて心底ほっとした。
でも、実家生活(いじめ付き)もまさかの超高速なのか?
地味にセオリー崩してくるから、油断ならない「べっぴんさん」。
(木俣冬)