
歌手の宇多田ヒカルさんが6日、自身のTwitterを更新。日本の芸能界の当たり前に疑問を呈し、話題を集めています。
宇多田さんは「ふと気づいた、女性のグラビアアイドルとかタレントがスリーサイズを公表してる(雑誌とかにも記載される)って日本でしか見たことない現象なんだけどこれっていつからある文化なんだろう」
これにファンが反応し、話題は盛り上がりをみせています。宇多田さんは脱ぐ仕事ではない女優などもスリーサイズを公表している点に疑問を呈しながら「そこに文字数費やすなら、ぱっと見分からない情報知りたいな、100M何秒で走れるとか15分でペヤングソース焼きそば何個食べられるかとか笑」とプロフィールに対する新たな提案を残し、ファンを共感させました。
数値のサバ読みや画像修整が当たり前に行われる時代。確かにスリーサイズの意味はと聞かれると、疑問は残りますが、本当に言いたかったことは他にあるような気もします。
今の時代スリーサイズなんて死んでいる
「芸能界は数字ばっか」とその昔言い捨てたのは、俳優の窪塚洋介さんですが、スリーサイズという数字も、その象徴の1つといえるのでしょうか。
しかし、画像加工や詐称が当たり前の今、なぜスリーサイズがこうもまだ残っているのか。そう考えると、スリーサイズは「ボン・キュッ・ボン」などのインパクトの要素にもなる反面、本当の数字を出せば、その人のサイズ感を伝えることもできる、「虚にも実にもなる便利な要素」だからではないでしょうか。
宇多田さんはつぶやきの中で、「ぱっと見分からない情報が知りたい」と言っていましたが、本来それは「特技・趣味」の欄で語ること。
「100M何秒で走れる」などはまさに特技の域であり、意識していたかはわかりませんが、つまり「最近の芸能人はパッと目を引く魅力を持った人が少ない」という言葉の言い換えをしていただけにも感じられます。
ネット発のタレントや、親近感を感じるアイドルなどが増える今、圧倒的に魅力を持った人物というのはなかなか生まれにくい時代背景があるように思います。
スリーサイズに変わる情報とは
スリーサイズ問題から今の時代の空気感が読み取れたところで、何かスリーサイズに変わる要素を発掘できないか。
ついそんなことを考えてしまいます。そもそもスリーサイズは女性しか使用する意味がなく、男女平等な時代においてはもしかしたら不便かもしれない、そんな発想もできます。
●頭身アピール
スリーサイズに変わるものと考えて、1番初めに思い浮かんだのは頭身アピールです。これならモデルやスタイルをアピールしたい男性にも有効。しかも加工時代に嘘がつきにくいというプラスの要素も持っています。
ただし、アイドルやグラビアタレントなど、もともとスタイルの良さをアピールしたいわけではない人には不向きでもあるため、人を選ぶ数値ではあります。
●黄金比表示
続いて考えるのは、体の黄金比を数値化して載せるというもの。
男女どちらも体には美しく見える数値があります。
女性であれば、ウエストの幅を1とすると、肩幅が1.6、バストが0.8、ヒップが1.4、また肩から胸、胸から腰、腰からヒップの縦幅が全て均一だと、女性は美しく見えるそうです。
これはワコール人間科学研究所が開発した「トルソバランス」といわれるメソッド。グラビアアイドルなどはこの例には漏れてしまいますが、女優やモデルなど美しさをポイントにした職種の人、スリーサイズよりもこちらの方がアピーポイントになるかもしれません。
こうして考えると、実はスリーサイズという当たり前の数値は、時代とともに変化があってもいいのかもしれませんね。
しかし今の時代、1番説得力のあるキャッチコピーは悲しいかな「加工がなくても絶対かわいい! どんなときでも美しい!」なんて触れ込みなのかもしれません。芸能界という世界は難しいですね。
(おおしまりえ)