若手漫才師の頂点を決める笑いの殿堂、「M-1グランプリ」。今年は銀シャリが優勝しましたが、準優勝のコンビ「和牛」のへりくつ漫才が話題を呼んでいます。


和牛といえば、へりくつ男・水田(ボケ)と、かれに翻弄される川西(ツッコミ)が織りなすコント漫才が十八番。なかでも2人がカップルを演じるネタでは、水田が女性に嫌われやすい「へりくつダメ男」の典型的なパターンを演じています。反面教師として、今回は「結婚式を抜け出す花嫁」のネタに学んでみましょう!

へりくつポイント1: なんでも否定から入る


恋愛ドラマでよく見かける、「結婚式を抜け出して好きな人に会いに行く花嫁」。この設定について、「僕、ああいうの素敵やなぁと思うんですよ〜」と微笑む川西に水田が一言。
M-1準優勝「和牛」の漫才「結婚式を抜けだす花嫁」に学ぶ “へりくつ男”の特徴

水田「僕はね、全然素敵やとは思わないですね」
川西「……(ん?)」

こんな風に、なんでも否定から入る男性っていますよね。「別にそこはスルーでよくない?」というところを、いちいち「でも僕は〜」と否定してかかるヤツ。女性って、自分がマウントを取るために相手を否定してかかる男性が大っ嫌いですから。この癖があるならすぐにやめましょう!

へりくつポイント2: 過去の失敗を引き合いに出して疑う


さて、式場を抜け出してきた花嫁にドン引きする水田。川西が演じる花嫁は、「水田くんと結婚したいから式を抜け出してきたの」と力説します。そこで水田が一言……。
M-1準優勝「和牛」の漫才「結婚式を抜けだす花嫁」に学ぶ “へりくつ男”の特徴

水田「そんなん言われても正直疑ってまうんよね。『俺の時の式も、また抜け出すんちゃうんかなぁ』って」
川西「えっ、なんでそんなこと言うの……」

愛情表現をしてくれる女性や彼女に対して、こんな風に「過去」の出来事を持ち出して疑いをかけたことはありませんか? また、ケンカの最中に「お前は前も浮気したからこれからも浮気をするに違いない」などと非難したことはありませんか?

“今”の話をしている最中に、過去のミスを持ち出すのはもっとも嫌われる行為のひとつ。相手に不安を感じているのなら、「君のことを疑ってしまう」ではなく「君のことを信じているから○○してほしい」と伝えましょう。言葉を変えるだけでも、まったく別の印象にかわります。


へりくつポイント3: 質問返しで追い詰める


さて、水田に拒絶されてショックを受ける花嫁は、再び結婚式場に戻ると言い出します。そこで水田は……

水田「そういう君のどっちつかずで中途半端な行動で周りがどんだけ迷惑かかってるかわかって……」
川西「ッじゃあ私! どうしたらいいの?」
水田「どうしたらいいの? じゃなくてどうしたいの? 全部他人に決断させてるやん」

で、でた〜! 正論で論破してマウンティングするオトコォ!! 女性が困っているときに「正論」でアドバイスをするのは、スマートに見えて一番間違った方法だとそろそろ気付いてください、お願いします。

男性に弱さを見せる女性、相談してきた女性が一番ほしいもの。それは正論のアドバイスではなく、気持ちに寄り添って共感するという思いやりだけ。「正論」を言われても、「あんたに言われなくても分かってるわ!」と怒りが募りますので、相手の言葉を字義通りに受け取るよりも、その言葉の背景に目を向けましょう。

へりくつポイント4: 好きだからこそ非難してるんだよ?


愛する水田に非難されまくり、ついに泣き出す花嫁。
M-1準優勝「和牛」の漫才「結婚式を抜けだす花嫁」に学ぶ “へりくつ男”の特徴

川西「ぐすん……」
水田「あぁ、泣かんといて。(略)……勘違いせんといてや、ホンマに好きやねんで。俺、この先の人生で君より好きな女性に出会うことは、もう2度とないと思ってるよ」

は〜?! こんなにディスっておいて、好きとか言うんかい! お前は典型的なDV男か!

しばしば男性のなかには水田のような「アメとムチの割合逆だろ系男子」がいます。好きだからこそ君にムチを打っているんだ、と自分に酔っていても、所詮は自己満足の幻想にすぎません。一通り否定したあとに「愛している」なんて言われたら、怖すぎて警察に駆け込みたくなります。

以上、いかがでしたか? 水田演じる「へりくつ男」のダメなポイントがよく分かりますよね〜。現代女性が嫌がるポイントが凝縮されておりました。これを改善するためのポイントをまとめましょう。


改善ポイント


・否定することでマウントを取ろうとするのは愚か!
・“今”の話の最中に過去の問題を持ち出すな
・「正論」を言うよりも「共感」して寄り添うのが正解
・アメとムチの割合は8:2に

和牛のコントは川西(ツッコミ)のドン引く様子から「現代女性に嫌われるダメ男」の特徴がよくわかります。反面教師として今後も要チェックですね。

(ヤマグチユキコ)
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