「ラブラブ♡偉人伝」今回のテーマは、「真田信之と小松姫夫婦」です。

父・本多忠勝譲りの器量を持つ娘「小松姫」
関ヶ原の合戦の少し前、上田合戦において徳川を二度撃退した信之の父・真田昌幸。真田の名が天下に知れ渡ると、敗北した徳川四天王の一人・本多忠勝は、真田家と徳川家に血縁関係を結ばせようと娘の小松姫を真田家に嫁がせることにしました。この結婚、家康自らが小松姫を養女にした上で嫁がせる念の入れよう。徳川がいかに真田を恐れ、取り込みたかったのかが分かります。当時まだ10代の小松姫でしたが、父譲りの素晴らしい器量に加えて容姿も端麗。ただ、武家の女としてプライドも高かったのか、こんなエピソードがあります。
“高嶺の花”には「ちょっと冷たく」がちょうどイイ ♡
家康は小松姫自身に夫を決めさせようと、正室を持たない大名を大広間に集めました。家康の呼びかけにより集まった大名は何事だろう? と畳に頭を付けひれ伏しています。すると小松姫が現れ、一人一人の大名のマゲを掴み、顔を覗きこんでは、「ふむふむ……。」と吟味し始めました。家康の命令で集まっている大名たちは、彼女の無礼な行動に何も言えません…。しかしただ一人、彼女の手を払いのけ、「無礼である!」と叱責した大名がいました。
実際に私の周りでも、高嶺の花の女性ほど、男性から冷たい態度や興味のない素振りを見せられると、たちまちその男性のことが気になってしまうという話はよく聞きます。普段丁寧に扱われている「高嶺の花」的な女性ほど、「ちょっと冷たく」は効果的かもしれません!
ケチと倹約は違う!メリハリある生活が高評価♡
一方、元々倹約家である信之にはさらにこんな逸話があります。ある時、信之が家臣の家を訪ねることにしました。殿の急な訪問に家臣は何を用意すべきか、頭を悩ませます。家臣が直接尋ねると、信之は用意してほしい品物の見積もりを紙に書き出しこう言いました。「本来ならそちらへ行くべきところ、今回は事情があって訪問できなくなった。この見積もり分の金額を納めてくれるか。そのお金で殿中で気晴らしをすることにしよう。」
結局訪問はせず、お金だけを納めさせる信之は、倹約というよりただのケチなのでは……? と思ってしまいますが、仮に殿が本当に訪問していた場合この金額では収まらなかったと、家臣は大喜びしました。これがきっかけで毎年家臣たちは喜んで金納するように。
これについて信之は、晩年こう語っています。「関ヶ原の戦いや大阪の陣の時も、ただ、家臣たちに戦えというだけでは士気が上がらなかった。領地や褒美、金銀を与えると士気が高まる。

倹約とケチは紙一重ですが、信之は貯めたお金を戦やピンチの時、家臣や家族にもきちんと還元します。いつの時代も貯蓄額は多いに越したことはないですよね。困った時に頼れるのはやはりお金……。それは男女二人がともに生活していく上でも同じです。節約できるときはきちんと倹約に務め、記念日や誕生日には思い切って贅沢する。そんなメリハリの効いた生活ができる男性に女性は将来性を感じます! でも、あまりに倹約に務めすぎた結果、お会計はいつも割り勘だなんてころになってしまうと女性はげんなりするので要注意です!
“マメ”な信之に正室も側室もメロメロ♡
実は、小松姫と結婚する前、信之には清音院という正室がいたのですが、身分の関係からか、小松姫との結婚後は清音院を側室にしたとされています。大河ドラマ『真田丸』では清音院は「こう」という名で登場します。ドラマの中でも側室と正室が手を取り合って信之を支えます。そんな信之は小松姫を大事にしながらも、清音院ら側室とも良好な関係を築き、その後側室そして小松姫からも実子を授かるのです。

正室・側室文化が当然だった時代とは言え、複数の女性と良好な関係を維持し続けた信之のマメさは相当なものだったでしょう。相手の女性に不安を抱かせないよう気を配り、こまめな連絡を欠かさない。小松姫のような気の強い女性でも相手の男性が素っ気なかったりすれば不安になります。