■グリーンボーイズ/映画『キセキ ーあの日のソビトー』レビュー

松坂桃李&菅田将暉のダブル主演で描く、GReeeeNがデビューに至るまでの実話を基に描いた“キセキの青春物語”映画『キセキ ーあの日のソビトー』が先週末、28日より公開となった。初週土日2日間(2017年1月28日~29日)で、動員数 182,044名、興行収入 2億3,286万4,600円と、このペースであれば10億円は確実という大ヒット。さらに、劇中でGReeeeNを演じるリーダー・ヒデ役の菅田将暉、ナビ役の横浜流星、クニ役の成田凌、ソウ役の杉野遥亮からなる“グリーンボーイズ”も、1月24日にシングル『グリーンボーイズ』でメジャーデビューし、さまざまなチャートのランキングで1位を獲得するなど、俳優のカバーとしては異例のヒットを記録している。

◆俳優・菅田将暉の“歌い手”としての魅力

今作でGReeeeNのリーダー・ヒデ役として主演を務め、“グリーンボーイズ”でもその歌の中核を担う菅田将暉。一聴してもらえればすぐにわかるが、歌が上手い。音程もしっかりと取れているし、ピッチも安定していて、正直、彼より下手でも歌手デビューしている人はたくさんいる。今回のレコーディングでも、原曲のキーのまま歌っていて、実際のヒデの歌声と比較しても違和感なく聴けるレベルまで到達している。だが、そこは単に合格ラインを達成してるに過ぎず、ここまでのヒットに繋がっているのは、そこにプラスアルファーされる、“歌い手”としての菅田将暉のポテンシャルがあってこそだ。これまでの出演作でも何回か歌を歌う役を演じてきた菅田。たぶん、「これまで一度も歌う役はやったことがありません」という同世代の俳優も多いはずで、実際に、今作のW主演となる松坂桃李も、今回が本格的な歌は初挑戦だったという。そんな中でも菅田に歌う役のオファーが来るのは、菅田が歌う歌に“歌”としての存在感がきちんと宿っているからではないだろうか? 昨年、auのCM楽曲が特に菅田が歌っているという告知なしで放送され、後に話題となるということもあったが、菅田将暉という名前がなくても、歌として評価される価値があるからこそだ。“歌”とは、単に技術として上手く歌えればいいものではない。“歌”には歌詞、つまり“言葉”があり、それを感情を持って伝えることができて、初めて音から“歌”に変わるのだと思う。菅田将暉は歌い手として、十分な素質を持った人であることは間違いない。それは、今回のデビューシングル『グリーンボーイズ』を聴けば、納得してもらえるはずだ。

◆映画『キセキ ーあの日のソビトー』が担う“歌”の物語

映画『キセキ ーあの日のソビトー』を簡単に説明すると、大ヒットを繰り返してもなお、世間にその姿を見せることなく、メンバーが歌手と歯科医という二足のわらじを履きながら活動する“GReeeeN”というグループがヒット曲を生むまでの物語。歌手と歯科医の両立というのが他に例がないことは、GReeeeNが注目されるひとつの要素ではあるが、物語で描かれているのは、そういう特別な存在の人のことではなく、“夢”を実現させるために、迷い、悩み、それでも進んで行く若者たちの話で、多くの人が共感できるもの。その過程で、今回の収録曲であるGReeeeNとして初めて作る曲「声」、デビュー曲「道」、そして、ヒット曲となる「キセキ」が登場する。先に記述したように単に歌としての魅力だけでも成立するこの3曲だが、映画を観たあとに聴くと、さらに違った感情も乗ってくる。一つひとつの歌が生まれる背景が見え、誕生した瞬間が見え、それが育って行く過程が見える。世の中に“歌”として存在しているものに、改めていろんな物語があることを教えてくれる映画でもある。映画『キセキ ーあの日のソビトー』とシングル『グリーンボーイズ』を両方堪能したところで、あなたが今、聴いているその1曲の物語を想像してみるものいいかも知れない。



≪リリース情報≫
New Single
『グリーンボーイズ』
2017.01.24リリース

【初回生産限定盤】(CD+DVD)
ESCL-4807~08 / ¥1,800(税抜)
【通常盤】(CD)
ESCL-4809 / ¥1,300(税抜)

[収録曲]
1. 声
2. 道
3. キセキ
<DVD> ※初回生産限定盤のみ収録
声 Music Video

≪映画情報≫
『キセキ ーあの日のソビトー』
出演:松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里、平祐奈、横浜流星、成田凌、杉野遥亮、早織、奥野瑛太、野間口徹/麻生祐未、小林薫
音楽:GReeeeN
音楽プロデューサー:JIN
製作:「キセキ ーあの日のソビトー」製作委員会
配給:東映 
(C)2017「セキ ーあの日のソビトー」製作委員会

映画『キセキ ーあの日のソビトー』オフィシャルサイト
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