
独身女性の心をグサグサ突き刺すと人気の漫画「東京タラレバ娘」。今年1月よりドラマ化され、またしても話題を呼んでいます。
ドラマでは女性の年齢設定が33歳から30歳に引き下げられているので、悲壮感は若干薄まっていますが、多くの女子が放送開始から感想を発信するなど、人気は健在。
一方で「何がそんなにヤバいの?」と響いていない男性も多いようです。
視聴率も2ケタ発進と好調のようですから、ぜひ気になる男性は魅力を抑えておいてほしいもの。そしてタラレバ娘を笑っている男性の中には、ドラマにもならない痛い口癖を連発している男性も多くいるような気がします。
「東京タラレバ娘の面白さと痛さ」
そもそもタラレバ娘の面白さは、圧倒的な共感力にあります。アラサー女性なら誰しもが感じる“あるある感”をストーリーにふんだんに盛り込み、そしてそれに泣く登場人物たち。そんな内容なので、男性が「なんで面白いの?」と疑問に思うことはある程度仕方ないのです。
仕方ないとはいえ、女心を理解するには格好の素材でもあるこのストーリー。では主にファンである女子たちはどの部分にグサッとくるのか、紹介していきます。
●全女子に共通する「いつか何となかる」感
30代に入ると、周りは本当に一斉に結婚し、子どもを出産していきます。それはまるでレースのように。そんな中スタートを切り損ねた女性の多くは、焦り、不安になり、孤独死なんかを検討し始めます(笑)。しかし、孤独死を検討したとしても、未来は不確定。
不安をひととおり想定したら「まあでも、いつか何とかなる!」という気持ちの切り替えをしはじめます。悪いことではないものの、その様がタラレバ娘にはリアルに描かれているのです。
ドラマの中では第1話の最後、3人は恋愛頑張るぞ!という気合いを込めてバッティングセンターへと向かい、バッターボックスに立ちます。
気合いの表れでのバッティングセンターなのですが、あれに似たことをやった女子は多いはず。たとえば飲み会の後に新たな決意をして、それをZARDの歌に込めるとか(笑)。
でもまあ大体そのあと何か大きな変化が起きるわけでもないのが人生なので、あの一瞬でも頑張るぞ!と思った感じとか、いつか何とかなる(してやる)という感じは、共感ポイントのひとつだと思います。
●女はみんなモテなくても偉そうにしてしまう
また原作でもドラマでも、3人の掛け合いがひとつの魅力になっています。
そのリアルさを出している要因のもうひとつが、どこか偉そう(堂々としている)な3人の主張です。
別に恋愛がうまくいってないなら卑屈になれとか謙虚になれというわけではありません。ありませんが、通常2~3年彼氏がいなければひとつくらい自分の過ちや反省点に気づきそうなもの。それが一切ない点に、偉そう感が出てしまっているのです。そして、多くの女性もやってしまっているのがまた辛い。
「無知の知」という名言を残したのはソクラテスですが、無知の知を地でいっていたのが、私たち独身タラレバ女だったのです。
でも男にもいるよね「あの頃おっさん」
タラレバ娘の魅力と共感ポイントがわかってきたところで、男性にもお伝えしたいことがあります。
男性にもタラレバ娘に匹敵する痛さがありますよ、と。
それは「あの頃おっさん」と命名しますが、とにかく男性の、それもイケてない独身者ほど思い出の中に浸り続ける方が多いのです。
同窓会などでそういうモードになるのはわかるものの、あの頃おっさんにはどんな危険があるのでしょう。
●なにかと武勇伝トークに持ち込みがち
最初の弊害は、よくある武勇伝トークで相手を不愉快にさせることです。
筆者が実際に出会った方は「学生時代はモテたんだよ!」としきりに力説する男性。女としては「だから何?」状態なのに、自分の魅力の一部として「あの頃」を引き合いに出すあたりは、ズレているとしかいえません。
●あの頃に浸ることで、価値観が固定される
彼らのヤバさは、あの頃に浸りすぎて、価値観が固定されている点にあります。
たとえば「あの頃」から飲み屋や遊ぶ街が一切変わっていない。「あの頃」から着ている洋服のブランドが変わっていない。「あの頃」からよく会う友達の面子が変わっていない。
これがあの頃おっさんの最も恐ろしい弊害といえます。
タラレバ娘だっていわば昔取ったきねづかに甘んじている人たちですが、あの頃おっさんも最終的な着地点は同じようなもの。
ただ男性の場合、年齢をある程度いっていても、そこそこ年収があったりカッコ良かったりすると人生なんとかなると思ってしまいがちなので、リアルなタラレバ娘たちよりも危機感が薄いことが多々有ります。
あなたは大丈夫か? 心配な人はドラマを見て、自分に置き換えて人生を俯瞰して見直す必要がありそうです。
(おおしまりえ)