日本経済新聞が、大手化粧品会社の資生堂が2018年10月を目標に本社部門の公用語を英語にすることを検討すると報道。
どの程度まで英語を使用するのかはまだ明確に発表されていないが、日常会話は日本語のまま、資料や会議での発言は英語にすることを検討していると同社社長が明らかにしたという。

ネットの匿名掲示板などでは、英語の公用語化に対して賛否両論の意見が上がっている。


英語の社内公用語化は意味があるのか? 意見は真っ二つ


同紙によると、資生堂では2015年から、アメリカ・ヨーロッパ・中国など地域ごとに収益管理や商品開発などを行う体制になっている。本社機能を持つ日本が、各国とのやり取りをスムーズに進めることが、英語を公用語化するねらいだ。

これには「本社が日本語で指示出しても海外には伝わらないしね」「販売員以外には意味あると思う」と支持する声がある一方で、「また生産性を下げることを…」「無能な経営者が陥る落とし穴」「無理だろw わけの分からない英語だらけになる」と真っ向から反対する声が上がり、意見は真っ二つに分かれた。


各企業が取り組む英語の公用語化


日本には資生堂に先駆けて、社内公用語を英語にした企業がいくつかある。
有名なところでは、幅広いインターネット事業で知られる楽天だろう。2010年に英語を公用語化することを発表した同社サイトによれば、2016年12月現在で従業員の出身国は72カ国。英語を公用語にしたことで、国籍に関わらずスムーズなコミュニケーションが可能になったという。

他にも、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングも英語の公用語化を導入している。また、武田薬品工業は2013年4月の新卒採用から、TOEICで規定の点数以上を取得していることを義務付けると発表していた。ソフトバンクでは英語を公用語化していないものの、過去にはTOEICで900点以上なら報奨金として100万円を支給するという大胆な試みを行う(現在は終了)など、社内での英語の浸透を推し進めようとする企業は多い。


英語が公用語になった企業の社員は約7割が前向き


実際に英語を使いこなさなければならない社員はどう思っているのだろうか?
日本でTOEICを実施・運営する一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が2015年5月14日に発表した「英語が社内公用語の企業で働くビジネスパーソンへの意識調査」(対象:英語が社内公用語の企業で働く20~50代の男女412名、インターネット調査)では、勤務先の企業の公用語が日本語から英語になったことについて、「良かった」が24%、「まぁ良かったと思う」が45.1%と、合計69.1%が前向きな意見。「どちらとも言えない」が24.5%で、「あまり良くない」「良くない」は合計6.4%とかなり低い結果となった。

英語の公用語化に後ろ向きなイメージを抱いている人もいるようだが、いざ自分が話す立場になれば、案外前向きに考えられるようになるのかもしれない。
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