
自分のイカしたエピソードって話したくなります。けれど相手に興味を持たれないこともわかるのです。

今回お話を伺ったのは、大手企業で超好成績をおさめた経験をもつ元営業マンの50代男性。営業職というのは、自社の商品の良いところを、相手に不快に思わせることなく伝えるトーク術を身につけているのではと思い、お聞きしました。
「自慢にならずに自慢する方法を教えてください」
「権威あるA氏」を常に潜ませて

例えば、「A氏の著書に『○○することが重要』と記されていたので、それを実践したことの賜物です」というように、第三者(なるべく権威ある人)の手法を利用引用したことを強調しつつ、そこに目をつけた自分の成果も付け加えるのです。
あくまで例えなので、ビル・ゲイツの本にインスタグラムの「いいね」が増えるコツが書いてあるかどうかはともかく、自分の話の中に「できるだけ権威ある第三者」を巻き込み、その方を褒めるということですね。
「そこに目をつけた自分の成果」とのことですが、たしかに「権威あるA氏の話を参考にした」と聞くと、「そのA氏の話を参考にしたあなたがさすが!」と思うはずです。日頃からハイセンスな「権威あるA氏」を潜ませておきましょう。
○○で相手の反応を見極める
第三者を巻き込む術を教えていただきましたが、それを自分では実践できているつもりでも、相手にはやはり自慢話に聞こえているかもしれず、その真偽を確かめたいです。
相手がどのような反応を示したら、「成功(うざったがられていない)」と言えますか?

質問してきた内容が、具体的かつ詳細になってくるときです。
相手の「質問内容」に注意するのですね!
たしかにただの自慢話ならば、相手も「へいへいほうほう」とテキトーな態度で聞き、具体的な質問など浮かびませんね。
先ほどのインスタグラムの例の場合、「どういう写真を投稿してるの?」「『いいね』はどんな感じに増えていったの?急に?」などの反応を示されたら「成功(うざったがられていない)」と言えそうです。
ちなみにビジネスの場合は、「金銭的質問が多発したら90%は成功」とのこと。
盛るときは夢や希望をインしよう!
第三者を褒め、具体的な質問をされ、興味を持ってもらえているとわかったところまできました。そうなるともっと「すごい」と思われたくて、ついつい話を大袈裟に「盛って」しまうものでは?しかし話を盛ることで興覚めされたり、苦手意識を持たれる確率が上がらないか心配です。
ちょっと話を盛るのは、やはりよくないですか?

話を盛ることで、相手が夢や希望、勇気を与えられたなら悪いことではないです。
人目を気にしがちな筆者ですが、そうして生きていく中で、人は他人のことを自分が思うほど気にしていないという話をよく聞き、そう思えるときもあります。自慢話がそうであるように、他人の「良い話」ときたら尚のこと興味を持てないのが人間の性かと。
自分の話を盛るか削るかは相手にとってどちらでもよく、それが自分の「利益になるかどうか」がポイントというのも、これまた聞いたことのある話。話を盛るときは、相手にとって「夢や希望」と思える内容が、話の中に注入されているか確認すると、うざったがられることはなさそうです。
「寝てない」の自慢話もこの術で…

よく聞く自慢話ベスト3に入ると思うのが「忙しさゆえの睡眠不足」自慢。
「忙しくて2時間しか寝てないんだけど」、これも「ビル・ゲイツの本にあったことを参考にしたおかげで、2時間睡眠でも平気になりました」だと…あれまぁ不思議。
(武井怜)