湊かなえ原作のドラマ「リバース」第4話。深瀬(藤原竜也)らがいつも作戦会議と称して、お互いを探り合う飲み屋がある。
その名前が「他人行儀」。今さら気付いた。
今夜5話「リバース」藤原竜也が「見なくてもいいもの見ちゃう」って設定は重要とみた
原作


あらすじ


ホームに突き落とされた谷原(市原隼人)は、命に別状はないものの意識不明の重体に。入院する病院にフリージャーナリスト小笠原(武田鉄矢)が現れる。10年前に死んだ広沢(小池徹平)について聞き出そうとしてくるが、深瀬は親友であるはずの広沢について、何も知らない事に気付く。

深瀬は浅見(玉森裕太)の生徒の飲酒問題の証人として保護者会に呼ばれた。生徒の親である相良(堀部圭亮)に嘘の証言をするよう要求されるも、深瀬は金の圧力に負けず、真実を語り浅見の立場を守る。これにより、浅見は深瀬を信頼し、10年前の事件について語り出す。

第4話で明らかになった過去



浅見の告白により、10年前の事件についてわかったことがいくつかある。

・浅見と谷原が二手に別れる時、第1発見者の谷原は広沢が事故った道を選んでいる。二手に別れようと言い出したのも谷原だった。

・駅で立ち往生していたはずの村井は、パトカーよりも早くタクシーで事故現場に来ていた

・広沢が乗っていた車の爆発は、事故直後ではない

・爆発直後に村井と同じ色の服を着た人間が走って逃げていった

・事情聴取は村井が1番長かった

この事から浅見は「最初に旅行に行こうと言い出したのも村井。村井が何か仕組んだんじゃないのか?だから広沢は死んだんじゃないのか?」と疑っている。

「村井が怪しい!」と目線をそらされてしまうが、冷静に考えると谷原もだいぶ怪しい。
車を先に見つけて、浅見が来るまで何をしていたのかもわからないし、すぐに電話をしたのかもわからない。ただ、ずっとパニックに陥ってる姿は演技ではないような気もする。

事実ではないが、確かな“フィクション的事実”


「リバース」は現在4話。全10話だと仮定するとまだ半分も終わってない。当たり前だが、今のところ何にもわからない。10年前の事件の事もわからないし、警告文を送った人物も、谷原を突き落とした人物も何もわからない。それがどう繋がっているのかもわからない。

わかってる事実ってなんだろう? 広沢が死んだという事と、前述した事くらいしかない気がする。そこで、事実とは少し違うが、現在わかっている“フィクション的事実”についても触れておきたい。ちなみにこれは勝手に作った言葉だ。もっとしっくりくるのがある気もするが、このまま進めたい。

ここで言うフィクション的事実とは、登場人物が言った“なんとなく当たってそうな事”の事だ。
例えば、村井(三浦貴大)らが良く言う「深瀬ってホント、見なくても良いもの見ちゃうよな?」というやつだ。

現実だったらこの言葉には何の根拠もないが、ことドラマ内に関しては「深瀬は何かしらの見てはいけないものをこれからも見る」という事実になる。

実際に深瀬は“浅見の生徒達の飲酒”や“村井の不倫”さらに“谷原の左遷現場”などを見ている。これを見た事によってこの三人との距離感や関係性が変わって物語に影響を与えている。

おそらく、深瀬は第5話以降も何かしらを見てしまうだろう。それがキーになるはず。もしくは、何も知らない“親友・広沢の事”も何か見ているのかも知れない。記憶に残っていなかったり、今回の事件とあまりにも繋がっていない出来事を、深瀬は過去に見てしまっているのかもしれない。

今話だと、谷原が言っていたという「ホラー映画なら自分(谷原)は、序盤でやられるタイプ、村井は『外見てくる』って言って中盤にやられるタイプ。終盤まで残るけど、結局やられるのが浅見」というのも気になる。

後出しだが、事実、谷原は最初にやられている。そして中盤の5話か6話辺りで村井が誰かにやられる可能性が高そうだ。
終盤の8話か9話くらいでやられるのが浅見、最後までやられないのが深瀬だ。

決して“殺される”ではなく、“やられる”という表現なのもポイントかもしれない。たまたま谷原は線路に突き落とされ殺されかけているが、全員がそうとは限らない。社会的な抹殺もこれに当てはまりそうだ。

現在、議員である父の秘書として働く村井の生活はグチャグチャ。不倫に気付いた嫁の香織(趣里)は精神的に追い詰められはじめ、マスコミはそれを嗅ぎ付けている。これも警告文を送った犯人がけしかけたものなのかもしれない。それが出来そうなのは一体誰だろう?

素直に、1番怪しく描かれている広沢の母・昌子(片平なぎさ)?まだ登場していない誰か?それとも、1番怪しく無さそうな・・・?

いろいろ考えても当たる気がしないので、とりあえず今夜放送の第5話を楽しみにしたい。

(沢野奈津夫@HEW)
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