男性の料理を促す内閣府「おとう飯」に賛否 まずは労働時間を減らしてとの声も
内閣府『「“おとう飯”始めよう」キャンペーン』公式サイトより。

料理を担当する父親を増やす「おとう飯(はん)」キャンペーンが内閣府男女共同参画局によってスタート。その内容にネット上では賛否両論の声が上がっている。


やらないよりマシ? 余計なお世話?


政府は男女が平等に活躍できる社会を実現するため、さまざまな取り組みを行ってきている。その一環として6月12日に始まったのが、男性が積極的に料理を行うように促す「“おとう飯”始めよう」キャンペーン。内閣府の公式サイトには特設ページが設けられたのだが、そのキャンペーンの趣旨として「簡単に、手間を掛けず、多少見た目が悪くても美味しければ、それが“おとう飯”」と説明されている。

忙しい主婦にとって大助かりに見えるキャンペーンだが、女性からは賛否両論の声が続出することに。男性に料理を分担してほしいという人からは、「おとう飯、うちはやってほしい。下手でもいいからご飯作れるようになってほしい。休みの日だけでもご飯作ってほしいよ」「おとう飯がきっかけでゼロだったものが1にでも2にでもなるなら、やらないよりはマシじゃないかな」といった声が上がっている。

その一方で、おとう飯が“手間いらず・見た目も悪くてOK”とされていることに違和感を覚える人もいる。「おとう飯が『簡単に出来て盛り付けが適当でもいい!』ってことは、おかあ飯は『凝って盛り付けも美しくあるべき』ってことだし、また余計なお世話がひっついてきてるよ!」「おとう飯はすべてのおかあ飯に喧嘩を売ってるな。おかあ飯は手間と見た目かよ。見た目が悪くて何が悪い。手早く適当に作ってもお腹いっぱいで文句が出なきゃいいんだよ」といった反発を招く結果に。

“イクメン”を育てるプロジェクトも


政府はこれまでにも家事をする父親を後押しする取り組みを行ってきた。
厚生労働省では2010年から、男性の子育て参加や育児休暇の取得を促す「イクメンプロジェクト」をスタート。同プロジェクトでは仕事と育児を両立しやすい企業を表彰する「イクメン企業アワード」や、部下の育児を支援する管理職を表彰する「イクボスアワード」が毎年行われている。また、個人向けには育児休暇の取り方や、イクメンになることのメリットなどを紹介したブックレットを作成し、プロジェクトの特設サイトで公開中。ただ、厚生労働省の発表によると平成28年度の育児休暇取得者の割合(男性)は3.16%。前年度の2.65%からわずかに上昇しているものの、まだまだ“イクメン”が一般化したとは言い難い。

今回始まった「おとう飯」キャンペーンは「イクメンプロジェクト」より大きな注目を集めているようだが、その効果を疑う声もある。「たまにしかできない不慣れな事より、毎日の生活で当たり前にできる役割を増やす事が大事だし、政府が出来るのはレシピ考案じゃなく労働基準法を守るよう取り締まること」「労働時間を6時間ぐらいにすれば自然と旦那も料理するようになるし、そっちをやるべきだろうと個人的に思う」といった指摘がされている。
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