脚本:大森寿美男 演出:守下敏行
出演:綾野剛 二階堂ふみ 柳楽優弥 川栄李奈 新井浩文 光石研 柄本明 他

罪と救済
怪物・深志研(綾野剛)の胞子の力で津軽は昏睡状態から目覚める。
病気が消え、奇跡的な症例だと医者も驚く。
研は改めて、津軽(二階堂ふみ)に 怪物になる前の記憶が戻ったことを伝えた。
「怪物になった僕は120年前サキさんを死なせてしまいました。その罪は消えません」
自分を責める研に稲庭先輩(柳楽優弥)は
「そのぶん研さんは津軽さんを救ったんだ。研さんの菌が津軽さんを救ったんだ」と励ます。
ラジオの反響は賛否両論だった。
研を支持する声も寄せられたようだが、研の菌や恋人を殺したという話を不気味だと危険視する意見も多かったようだ。
稲庭工務店も研がいるせいで顧客からのキャンセルが相次ぐ。
「出て行きます」という研を引き止める工務店社長(光石研)のセリフがかっこいい。
「人間が一生かけて働く仕事っていうのはそういうもんじゃねぇんだよ。
世間に流されてやるもんじゃねぇんだよ。
俺は研さんをここで手放したら…会社は立て直すことができても、俺と研さんの人間関係は立て直すことができねぇんだよ。そんなの我慢できねぇ」
こうして再び稲庭工務店で仕事ができる、やったね!と思いきや、世間の目は厳しい。
得体の知れない菌を保持している研を放ってはおけないと、保健所と警察官がやってくる。

研は「覚悟はしていました」と保健所の車へ向かう。
「逃げろ」「害を与えてるのはどっちなんだよっ」
警察官を突き飛ばし、稲庭先輩が叫ぶ。
研は森に逃げた。
津軽に別れを言う暇も無かったが、研はそれで良いらしい。
「津軽さんには津軽さんの人生を生きて欲しいんです」
「津軽さんの幸せを守りたいんです」
稲庭工務店で働きたい、人間とともに生きたいと願っていた研の願いは叶わなかった。
運命の再会

それから一年後。
津軽と研は森で、運命的な再会を果たす。
森へは稲庭先輩、鶴丸教授(柄本明)も津軽と同行していた。
研は鶴丸教授から「自分自身の菌の研究者にならないか」と提案を受ける。
研「僕は、人間の役に立てるんですね?」
教授「それをこれから証明するんだ」
さらに数十年後。不老不死の研の姿は変わらない。
稲庭先輩と美琴の孫だという人物が研のもとを訪ねてくる。
研究は実を結び、研の菌は世界中の患者を救うものになったいた。
怪物の持つ良い菌と悪い菌は人間の心と同じだ。
過去に悪い心のせいで人を傷つけ、そのことで苦しんでるとしても、
正しくあろうとすれば、自分も他者も救えるんじゃないか。
見逃し配信あり(日テレ無料!(TADA) 、hulu)
(イラストと文/小西りえこ)