■ISEKI/Solo Debut Album『AOR FLAVA -mellow green-』インタビュー(1/3)
キマグレン解散から2年。ISEKIがソロデビューを果たすことになった。
(取材・文/前原雅子)
今回は、素直な自分の言葉を書き連ねていく作品にしたかった
──今回のソローデビュー作に至るまで、いろいろと思うところはありましたか?
ISEKI:いろいろ悩みました。キマグレンはゼロから始まって、すべて衝動で作っている感じだったんですけど、今回そうはいかなかったというか。一度、2人組としてひとつ完成してしまったところがあるので、気持ち的にゼロから始めるわけにもいかなくて。だから最初はキマグレンっぽい曲をあえて避けたりとか。なかなか今に至る入り口に行きつかなかったですね。
──ISEKIとして、どういう形でやっていくかが見えなかった?
ISEKI:じつは公にする半年以上前に、解散という形は決まっていたので、そのあと自分はどうしようかって考え始めてはいたんです。それでどっちにしろ曲は作らないといけないと思って作ってたんですけど、納得いくものがなかなかできなくて。
──キマグレンをやっているときにソロ曲として作っていたりは?
ISEKI:してないですね。提供はしてましたけど。自分のために書いた曲はないですね。
──するとキマグレンを始める前にやっていたことを、久しぶりにやるような感覚だったわけですか。
ISEKI:そういうことなんですけど、キマグレンの前はバンドだったりしたので、ソロで活動したことはなくて。だから一人っていうのは本当に初めてで。そういう意味ではライブもそうですけど、すべてが挑戦でした。
──「一人なんだから好きなことをやればいいじゃない」って言うのは簡単だけれど。
ISEKI:ははははは。そうなんです、意外とできないもんですね。
──始める前は、スッとできるんじゃないかと思っていました?
ISEKI:思ってました、できるだろうと。キマグレンでは主に作曲担当でしたけど、歌詞を提供したり、KUREIと意見を言い合いながら作っていたので。でも歌詞には自信はなかったですけど、メロディーはずっと作ってきたので心配はしてなかったんですね。ところがメロディーも作れなくなっちゃったんですよ。作ったメロディーが、いいかどうかの判断もつかなくなっちゃったんです。だからライブも1年間くらい、“ダメなライブ”だったと思う。
──ご本人がそう言うって、どんなライブだったんですか?(笑)
ISEKI:いやもう、喋りもまともにできなくなっちゃったしね(笑)。MCは今でもそんなに得意じゃないですけど、ホントにちゃんと喋ることができなくなっちゃって。
──それは、なぜだったんでしょうね。
ISEKI:きっと自信がなくなったんだと思います、ステージに立つことの。ゼロを通り越してマイナスから始まるようになって。結局、そのときにライブでやる曲がなくなっちゃったので、カバーをしはじめて、そこからどんどんやる曲が増えていったというか。
──そういうときにキマグレンの曲をやることも?
ISEKI:一切してないです。キマグレンの曲って、僕のなかでは2人でしか成立しないんですよね。KUREIはKUREIの歌があって、僕は僕の歌がある。それを重ねることでキマグレンが成立していたので。それを僕が全部歌っても音楽的にカッコいいと思えなくて。……それに、そこに向き合うことも今はまだできないかなぁ。
──そのあたりからカヴァー集というプランが出てきたんですか。
ISEKI:そうですね。今回ここに入ってる曲のいくつかはライブでもやってましたしね。そもそもカヴァーに行きついたのは、何をどうやっていくかっていう悩みに入ったことがきっかけで。そこで自分の原点に立ち返ってみよう、自分の武器ってなんだろうって考えてみたとき、「声……かな、声質かな」と思って。そのとき自分に合う曲を誰かの物まねとかではなくて、全部を僕色に染めてみたいって思ったんです。
──それでAORのカヴァー・ミニアルバムということに。
ISEKI:そうなんです。だからAORっていうのを意識し始めたのは、ここ数年のことで。いろいろと模索するなかで、昔から好きだったものがAORの影響を受けたJ-POPだったことに気がついたっていう感じなんです。それまではそういうことなんて全く考えもしなかったし、あくまでJ-POPとして聴いてたんですけどね。でも「そもそもAORが好きなのかも?」と思ってからは、ボズ・スキャッグスとかボビー・コールドウェルとかホール&オーツとか、洋楽のAORをすごく聴くようになって。ここ数年でAORってどういうものだろうっていうのは、けっこうひもときましたね。
──聴けば聴くほど。
ISEKI:どハマり(笑)。
──「AOR風味のJ-POPの名曲をカヴァーするシリーズ」ということも、最初の段階で決まっていたことなんですか?
ISEKI:決めていました。季節を意識したカヴァー作品を出していく企画にしたいと思っていたので。毎作1曲ずつコラボレーションしたオリジナル曲を入れるというのも、決めていました。
──いきなりオリジナルアルバムをバンッと出すのではなく?
ISEKI:やっぱりISEKIということよりも、キマグレンのイメージが強いと思ったので。まず僕はこれから、こういうことをやっていきたいんだよっていうのを、わかりやすく見せたいと思ったんです。名刺代わりになるような1枚というか。それにはオリジナルよりも、誰もが知っている曲のカヴァーのほうがいいのかなって。
──でもISEKIさんとAORっていうのも新鮮でした。
ISEKI:ですよね、今までそんな話してこなかったし。きっかけは数年前に『クリスマスの約束』っていうライブに出させていただいたとき、「ISEKI、お前さ、AORやったら? 声に絶対合うと思うんだよなぁ」って小田和正さんに言われたことで。そのときからAORっていうのをフワ~っと意識するようになって。さらに一昨年くらいに佐藤竹善さんとライブをさせていただいたときに「僕、AORやろうと思うんですよね」って話したら、「いいじゃない、合うと思うよ。じゃ、俺がそういう曲を集めたアルバム作ってやる」って、100曲くらい曲を集めて聞かせてくれて。あまりに曲が多くてまだ全部は聴き込めていない(笑)。中田裕二くんとかもAORの曲を送ってくれるし。そういう出会いにも後押しされたと思います。なんだろ、運命を感じますよね。そういう意味では、こういう作品に行きついたのも必然だったのかなって。
――インタビュー2へ
≪リリース情報≫
Solo Debut Album
『AOR FLAVA -mellow green-』
2017.06.28リリース
TKCA-74516 / ¥1,852
≪ライブ情報≫
【ISEKI LIVE 2017~COFFEE & SOUL vol.2~】
2017年9月30日(土)東京・渋谷 gee-ge[昼公演] ※SOLD OUT
2017年9月30日(土)東京・渋谷 gee-ge[夜公演] ※SOLD OUT
2017年10月14日(土)愛知・名古屋 sunset BLUE
2017年10月15日(日)京都・京都 SOLE CAFE
2017年10月21日(土)大阪・心斎橋ヒルズパン工場
2017年10月22日(日)広島・音楽喫茶 ヲルガン座
2017年10月28日(土)宮城・SENDAI KOFFEE
2017年11月3日(金・祝)福岡・LIV LABO
2017年11月5日(日)北海道・musica hall cafe
【AOR FLAVA-mellow green-』リリース記念ミニライブ&サイン会】
2017年6月28日(水)19:00~ タワーレコード川崎店 店内イベントスペース
2017年7月1日(土)13:00~ HMV栄 店内イベントスペース
2017年7月1日(土)17:00~ イオンモール大高店3F タワーレコード店舗前イベントスペース
2017年7月2日(日)14:00~ カンテレ扇町スクエア 1Fアトリウム
2017年7月2日(日)18:30~ タワーレコード難波店 5Fイベントスペース
2017年7月8日(土)12:00~ タワーレコード横浜ビブレ店 店内イベントスペース
2017年7月8日(土)16:00~ タワーレコード町田店 店内イベントスペース
2017年7月9日(土)14:00~ タワーレコード福岡パルコ店 店内イベントスペース
2017年7月9日(日)18:00~ HMV & BOOKS HAKATA 店内イベントスペース
2017年7月15日(土)(1)13:00~ / (2)16:00~ バンダレコードららぽーと海老名店 店内イベントスペース
2017年7月16日(日)(1)13:00~ / (2)16:00~ イオンタウン守谷店 1Fセントラルコート
2017年7月17日(月・祝)17:00~ タワーレコード広島店 店内イベントスペース
2017年7月23日(日)13:00~ イオンマリンピア 4F GGモール イベントスペース
and more!!
【Yamaha Acoustic Mind 2017~THE SESSION~】
2017年9月17日(日)赤坂BLITZ
2017年9月18日(月・祝)赤坂BLITZ
【AOR FLAVA~毎日がクリスマス10th anniversary ☆2017☆ SPECIAL LIVE~】
2017年12月25日(月)横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール
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