『逃げ恥』『カルテット』の火曜ドラマ枠で始まるのは、パワフルな女と優柔不断なゲス夫、そして可愛い息子のホームドラマだ。
放送に先駆けて、7月13日(木)にバンタンデザイン研究所にて試写会、舞台挨拶がおこなわれた。
登壇したのは主演の渡辺直美をはじめ、要潤、工藤阿須加、トリンドル玲奈、川原瑛都、そして斉藤由貴。

アパレルブランドのデザイナーをしながら夫と息子に全力で愛情を注ぐ鈴木カンナを演じるのは渡辺直美。放送開始前から「ハマり役」と期待大!
渡辺「連続ドラマ初主演ということで、すごく気合いが入っております。パワフルなママを演じます。よろしくお願いいたします」

腰を低めてうやうやしさを強調しながらの挨拶に、試写会に来たお客さんだけでなくマスコミ陣からも笑いが起こった。
そんな渡辺直美の夫・鈴木礼役を演じるのは、要潤。優しくてイケメンだけど、優柔不断で流されやすく、第1話ではさっそく浮気をしてしまう。
要「以前、インタビューで『日本中の女性を敵に回す覚悟で演じます』と言ったのですが、もう完璧にダメ夫を作れたと思います。浮気、マザコン、優柔不断。女性が嫌う三大要素を兼ね備え、手ごたえを感じています。これから街を歩くときは、背後に気をつけないと(笑)」

工藤阿須加は、カンナの息子・麗音が通う保育園のピュアなイケメン保育士・青田壮介を演じる。
工藤「暑い中での撮影なので、こどもたちの体調にも気を配りながら、かっこいい……って言っていいのかな?(笑) ほどほどにかっこいい保育園の先生を演じていきたいと思います」

前クールではドラマ『女囚セブン』(テレビ朝日系)で元ヤンシングルマザーを演じていたトリンドル玲奈。今作では、カンナの後輩の天然ゆるふわ女子・境川翔子を演じる。
トリンドル「今回は、カンナさんの後輩役ということで、カンナさんのような女性を目指して私も現場で頑張っています。よろしくお願いいたします。」

泣き虫で甘えん坊だけど、利発で賢いカンナの息子・麗音を演じるのは、子役の川原瑛都だ。一言一言しっかりと話す様子が可愛い。
川原「おはようございます。川原瑛都です、3歳です。すきなのりものは、しんかんせんです!」

渡辺に「よく言えました!」と褒められて照れる瑛都くんにもキュンとした。
最後に紹介されたのは、孫と息子を溺愛するがゆえに何にでも首を突っ込んでくる姑・鈴木柳子を演じる斉藤由貴。斉藤にとっては、人生で初めての「おばあちゃん役」になる。
斉藤「可愛くてもう歩くお人形としか思えない嫁と、イケメンの息子と、最高に可愛い孫ができて、本当に楽しく楽しく撮影しております。

ママに注目してほしいカンナさんファッション
カンナがアパレルブランドで働いているということもあり、『カンナさーん!』ではファッション、ヘアメイクなどのスクール事業を展開しているバンタンデザイン研究所がドラマ制作に協力している。
舞台挨拶では、出演者たちはドラマ第1話で着ていた衣装で登場した。

トリンドル「私が演じる翔子と私の共通点は、ファッションが好きなことだと思います。ドラマの中でも、可愛い服をたくさん着ています」
渡辺「カンナさんの場合は派手すぎるデザインが多いですが、翔子は毎回可愛くておしゃれで、たまに古着っぽいものを着たりもします。ファッションは、注目ポイントの1つです」
自分でもアパレルブランドのプロデュースをしている渡辺は、衣装に関して企画会議にも参加しデザイナーたちと意見を交わしている。

渡辺「太っている人はどんな服が動きやすいのかって、みんな意外とわからないので、一緒に考えたり提案させてもらったりしています。逆に、私は結婚もしていないしこどももいないので普段は着たい服を着ていて、こどもがいる女性はどんな服が着たいのかわかりませんでした。ドラマで息子の麗音と一緒に自転車に乗るシーンが結構あって、いま着ているようなパンツスタイルはお母さんにとってすごく楽だとわかりました。生活も仕事もしやすいこの服は、一番のお気に入りです」
ドラマ1話の中でも、4回は衣装チェンジしていたカンナさん。カラフルで元気が出る色合いで、楽だけどオシャレなシルエットの衣装が何度も変わるのは、見ていてとってもワクワクした。『カンナさーん!』は、ファッションのヒントとしても楽しめる。
現場のムードメーカーは子役の川原瑛都くん
渡辺「撮影現場は、外のシーンが多かったりして結構大変。そんな中で、やっぱり一番のムードメーカーはうちの息子の麗音です。ね、いつも楽しいよね」
川原「……はい!」
渡辺「みんなと一緒におしゃべりしているもんね」
川原「はい!」
渡辺「『はい!』って、なんか私が言わせているみたい(笑)」

家庭内はもちろん、保育園などこどもが多く登場する本作。
でも、照れてむにゃむにゃすることなく、質問されると前を向いて元気に「はい!」と答え続けた。今作でも、堂々とした演技が見られるに違いない。原作を読んでも、こどもが鍵になるシーンが多いので楽しみだ。

工藤「僕は兄弟が多くて全員が下なので、保育園のシーンでこどもたちと触れ合っていると、小さい頃の妹弟たちを見ている感覚でとても楽しいです。でも3~4歳は、はっきり言ってモンスター。良いときは良いけど、ぐずり始めるとどんどん連鎖してしまったり……。それを、良い方に良い方にと導いていきたいです」
渡辺「工藤くんはすごいんですよ。現場にはこどもたちが何十人もいて、朝から夕方までぶっ続けで撮影をしているので、集中力もなくなるじゃないですか。それを工藤くんは『よーし、みんな先生のことを見て。わかった人、はーい! じゃあもう一回踊ろう!』と言って、どんどんまとめていく。
工藤「いや、もうこどもたちの笑顔を見たらふっとぎ……、吹っ飛びますね」
渡辺「噛んでるから(笑)。言い慣れてないなあ」
工藤「ちょっと時間巻き戻してもらっていいですか(笑)」
「好青年」という言葉を具現化したらこういう人間になったのではないかと思うほど、嫌みなく真っ直ぐな工藤。最近の若手イケメン俳優には珍しく「特撮出身ではない」俳優だが、今作でママ人気もさらに上がるかもしれない。
毎週火曜22時は家(かどこか)のテレビの前へ

最後に、渡辺がドラマ初主演の心境を語った。
渡辺「こうして初主演ドラマの舞台挨拶で中心に立たせていただくことは、めちゃくちゃ気持ち良いです。でも、責任感もすごくあって、今日も足とかガクガクしています。至らない点もたくさんありますが、私なりに100%を出していきます。今、疲れている方もたくさんいらっしゃると思う、夏だし。大変じゃん、夏バテしてさ、そうめんしか食べられないみたいな(笑)。そういうときに『カンナさんを見たら元気がもらえる』ということもあると思うので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思います」
渡辺自身も、第1話で困難を笑顔で乗り越えていくカンナさんに勇気をもらったのだという。筆者は全く楽天的なタイプではないが、第1話の試写を見たら「私も頑張りたい」という気持ちが湧いて来て自分でも驚いた。
カンナさんと渡辺直美の相乗効果で、とんでもなく勢いとパワーがある作品に仕上がっている。
渡辺「毎週火曜日の22時は、必ず家で、あ、どこでもいいんですけど、ぜひとも『カンナさーん!』を見てください!」
初回は15分拡大版。7月18日(火)22時は、家(かどこかの)テレビの前に集合です。
(むらたえりか)