出演作はNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、「のだめカンタービレ(日本テレビ系)」、「ROOKIES(TBS系)」などが知られているが、初の連続ドラマ出演は人気シリーズ「ごくせん」の第2シーズンである「ごくせん 2005」だ。
今回はこの大人気ドラマ「ごくせん 2005」を振り返ってみよう。
極道の跡取り娘&熱血高校教師のヤンクミ
「ごくせん(日本テレビ系)」は、仲間由紀恵演ずる熱血高校教師の山口久美子(通称ヤンクミ)が、男子校の不良が集まる3年D組の担任となり、型破りな熱血高校教師として活躍する学園ドラマ。
ヤンクミは任侠集団の大江戸一家3代目である祖父の黒田龍一郎(故・宇津井健)に引き取られた極道の跡取り娘で、丸いメガネに赤いジャージがトレードマーク。そんな彼女が啖呵を切りながら問題児と向き合っていく姿が人気を集めた。
生徒役が豪華な俳優そろいの第1シーズン
第1シーズンは2002年春に放送。生徒役は松本潤、小栗旬、成宮寛貴、石垣佑磨、松山ケンイチ、上地雄輔と豪華な面々が集まった。
この第1シーズンが高視聴率だったことから、2005年1月にその続編である第2シーズン「ごくせん2005」が放送された。
レギュラー放送は第3シーズンまで続き、その後は単発ドラマや生徒役を入れ替えての映画も製作されたが、特に「ごくせん2005」は視聴率が全話25%を超え、最終回は30%超えを達成した。
Jr.だった亀梨・赤西をメインキャストに抜擢
「ごくせん2005」では、しばらく教職から離れていたヤンクミが黒銀高校で再び教鞭をとることになる。優秀な生徒ばかりのはずが、担当する3年D組はまたも落ちこぼれの集まり。
この2代目3年D組の不良生徒役として亀梨和也(KAT-TUN)、赤西仁(元KAT-TUN)が登場した。KAT-TUNのライブを見たプロデューサーが2人の存在感に着目して、主要な役どころにキャスティングしたという。
亀梨演じる竜は、父親は警察庁高官、豪邸で育つお坊ちゃまだが、口数が少なくクールな一匹狼。一方、赤西演じる隼人は3年D組の頭でリーダー的存在。短気で喧嘩っ早いが仲間思いの男である。
この2人は幼なじみの親友だったが、竜が他校との決闘の仲裁に入ったことから仲違い、犬猿の仲になってしまった。ヤンクミがそれを仲裁するところからシーズンが始まる。
ジャニーズJr.の中では、NHK「ザ少年倶楽部」やライブなどで“仁亀コンビ”と呼ばれ人気を集めていたものの、KAT-TUNは当時まだメジャーデビュー前。しかし、「ごくせん2005」で圧倒的な存在感を見せた2人の活躍で一般知名度もグンと伸び、一気に火がついた。
仲間内で最もモテない役だった小出恵介
「ごくせん2005」で、亀梨や赤西と同じ3年D組の主要メンバーだったのが、速水もこみち(土屋光役)、小池徹平(武田啓太)、そして小出恵介(日向恵介)だ。
小出恵介の役は、5人の仲間のうち、最もモテないが女好きという設定。「ニャ」といって猫のような仕草をするのが特徴だった。不良グループの中では一番平凡な役だといえる。
この役が“当たった”とは言えないかもしれないが、その後も小出はこのような「普通な人」の役を得意とし、数々の作品に出演。個性が強すぎないことからいろいろな役に染まることができるのも、立派な個性として評価されていた。
「ごくせん」出演から12年。亀梨、赤西、速水、小池、小出は、それぞれに当時は想像しなかっただろう道を歩いている。
ヤンクミが“更生”させたはずだった生徒、小出恵介。
「誰だって、ずっと順風満帆で行ける人間なんていやしないんだよ」
「大事なのは力の強さじゃなく心の強さなんだ」
いまこそ、ヤンクミが残した様々な名セリフを思い出してほしい。
(佐藤ジェニー)
※文中の画像はamazonよりごくせん 2005 DVD-BOX