講師は、スーパー主夫として活躍する山田亮さん。

なぜ、食事付きの寮で料理教室?
同社の寮は食堂付きで、そもそも食事には困らない。それなのに、なぜ料理教室を開催したのか?

きっかけは、今回のイベントを企画した人事担当の森さんが、以前講師の山田さんが出演したブラウン主催のイベント「妻に一目置かれる!パパの為の時短料理テク講座」に参加したことなのだとか。
「『ママを助けたいパパの心得5箇条』などのおもしろい話もあって、これを会社でやってみたらおもしろいんじゃないかと思ったんです」(森さん)
もともと同社は社員同士のコミュニケーションを深めるために、こうしたイベント企画に積極的。
「数年前から、トップが社員の衆知を集めてイノベーションを起こしていこうという方針を示しており、そのために何ができるか考えたとき、人を集わせることが重要だと考えたんです」(森さん)
イベント頻度は、2年前は月に1回、昨年は月に2回、今年はさらに多いペースで年間30回程度を目指しているそう。企画の内容は多岐にわたり、これまでにはワインや日本酒セミナー、ぶどう狩り、BBQなどを実施してきたそうだ。
「寮でイベントは今回が初めて。寮で開催した理由は、2年前に寮を改装して各フロアに料理ができるスペースを作ったから。女性寮ではすでにそこで料理もできるのですが、実は男性寮はまだ使用を許可しておらず……。料理をする機会がほとんどない男性にも、まずはこういったイベントで料理や片付けを経験してもらい、今後、寮のキッチンを試しに使ってもらってもよいかなと思ったんです」(森さん)
今回の参加者は30名強。参加は寮生以外もOKで、20代から60代まで幅広い社員が集まった。

1品5分、25分で5品作れる時短レシピ
今回の料理教室は時短がキーワード。
最初に山田さんが「今日は5品を20~25分で完成させたいと思います」というと、「えー」と驚く参加者たち。
しかも、メニューは「フムス」「ポテトサラダ」「ワカモレ」「ドライトマトとナッツのパスタ」「ハンバーグステーキ赤ワインソース」。
「料理が初めてという方もたくさんいらっしゃるので、それほど難しいことはしません。今回はハンドブレンダーを大活躍させますので、初めてでも1時間あれば作れると思います」(山田さん)
山田さんは「ママを助けたいパパの心得5箇条」の1つとして、「“オレグッズ”を使ったサポート」を提案している。具体的には、枝切りばさみ、窓拭きクリーナー、ハンドブレンダーなど、自分がトキメク「オレグッズ」を見つけて家事をサポートしよう、というものだ。

今回はすべての料理に、山田さんのオレグッズであるハンドブレンダーを活用。ちなみに、ブラウンでは企業の料理イベントのためにハンドブレンダーの貸し出しもしているのだとか。
まずは、山田さんが手際よくお手本を見せたら、そのあとはテーブルごとに作業スタート!




参加者の中にはハンドブレンダーを初めて使う人もいて、「ちょっとやってみていいですか」など声をかけあい、初対面同士も打ち解けていた。
人と人の距離が縮まる!料理という共同作業

イベントに参加した理由は人それぞれ。「おいしいものが食べたくて参加しました」という新人の寮生もいれば、「寮は31歳までという年齢制限があるので一人暮らしに備えて」という先輩も。以前寮に住んでいたという男性は、「久しぶりに寮に来たかったのもあって参加しました。ハンドブレンダーがあれば、ほかにも短時間でいろいろ作れそう」とにっこり。
寮生以外には、「定年後に料理ができないといけないと思って」という年配の方もいれば、「時短料理をマスターしたくて参加しました」という2歳のお子さんのママも。
料理の後は、作った料理とお酒で懇親タイム。ゲームなどもやって大いに盛り上がっていた。
「今日は料理という共同作業のせいか、和気あいあいとした雰囲気になってよかったです。今後は、寮のキッチンもトライアル的に男性にも開放していきたいですね。ハンドブレンダーは寮のキッチンにも用意しようと思っています」(森さん)
社員同士の人間関係が希薄な職場も少なくないといわれる今だからこそ、なんだか新鮮だった今回のイベント。こうしたかたちの社員同士のコミュニケーションが、今後あらためて見直されていくのかもしれませんね。
(古屋江美子)