山田裕貴「古屋(鈴木貴之)は、本当はめちゃくちゃ頭が良くて東大に行けるレベルなんですよ。でも、ケンカしたいから鬼邪高校に入っている」
平沼紀久「その設定、僕いま初めて聞きましたよ!」

この日、脚本家も知らないキャラクターの裏設定が、役者たちから続々と明かされた。

「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
左から、一ノ瀬ワタル、鈴木貴之、山田裕貴、黒木啓司、稲葉友、平沼紀久

2017年8月25日(金)におこなわれたトークイベント「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」公開記念~スペシャルイベント in アニメイト
8月19日(土)から公開中の映画「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」の脚本家・平沼紀久をはじめ、映画に出演している黒木啓司(EXILE/EXILE THE SECOND)、山田裕貴稲葉友鈴木貴之一之瀬ワタルが登壇した。

“三種の神器”は自主購入なWhite Rascals


2015年からドラマシリーズが放送され、映画はTHE MOVIE、RED RAIN(ともに2016年)に続いて3作目となるHiGH&LOWシリーズ。
劇中で、黒木、稲葉は女性を守るWhite Rascals(ホワイトラスカルズ)というスカウト集団のメンバー。山田、鈴木、一ノ瀬は鬼邪高校(おやこうこう)でケンカに明け暮れる高校生を演じている。
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
「White Rascalsのメンバーにゴールデンボンバーさんがいたが、キャラで勝ちたかった」と話した黒木啓司

White Rascalsのリーダー・ROCKYを演じる黒木。
プロデューサー・HIROからの「白がテーマ」というヒントから“ジャパニーズジョーカー”のビジュアルイメージを作り上げていった。

平沼「ROCKYは、初日の写真撮影日には衣装が決まっていました。けど、眼鏡、杖、手錠の“三種の神器”は啓司が自分で買ってきて、そのせいで撮影に遅れて来て」
黒木「眼鏡は原宿で、1200円くらいで」
平沼「『ナチュラルボーンキラーズみたいな赤い眼鏡をつけたいんだけど、売ってないんだよ!』って電話がかかってきましたもんね」
黒木『時計じかけのオレンジ』の白い集団だとか、僕の中で色んな映画をオマージュして全部入れ込んだのが、このWhite Rascalsだと考えています」
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稲葉は「黒木さんがボスとしていてくれるので、僕らは何しても成立する安心感があります」と黒木に信頼を寄せている

稲葉友は、White Rascalsの初期メンバー・KIZZYを演じている。HiGH&LOWで唯一、心は女性で身体は男性のキャラクターだ。稲葉は「この、おしゃべりちんこ」というセリフがアドリブで出せるほど、役柄を乗りこなしている。

平沼「KIZZYは、敵対する集団・DOUBTからWhite Rascalsに移る間の期間で、海外でちょっとこの辺(下半身)を取ってきたというね」
稲葉「作中で描写はないんですけど、演じるときは『おれがヒロインだ!』と思っています。KAITO(KIZZYの恋人)を演じた柳俊太郎とも話しましたが、実際に取ったのはどちらかわからない。
お客さんの想像力に任せて、グレーゾーンです」
平沼「僕は、稲葉を見た瞬間に『BLをやりたい!』という気持ちに駆られまして」
稲葉「そういう気持ちを駆り立てることができて、嬉しいです(笑)」

最近、稲葉は他のドラマでも女装した男性などを演じる機会が増えた上、どの役も高評価だ。稲葉を見て「BLをやりたい」と感じた平沼の衝動は正しかった。

プライベートの仲良し度が映画に反映されている鬼邪高校


続いて、「5回留年すれば一流」と言われる凶悪高校である鬼邪高の番長・村山良樹を演じる山田裕貴が、役の解釈を語ってくれた。
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山田は、「裕貴くんは普段のスキンシップとか距離が近い」と稲葉に指摘されて照れてい

山田「僕は、村山には3つの“きょうき”があると思っていて。気持ちの『狂気』と道具の『凶器』と喜びの『狂喜』、それを大事に戦っていたら村山になるのかなと。あとは古屋(鈴木貴之)と関(一ノ瀬ワタル)がまた違ったキャラクターを演じてくれるので、お互いに際立たせ合えていると思います」
平沼「実は村山は、僕が書いた中で一番成長してくれたキャラクター。山田くんの俳優としての力をいっぱい入れてくれて、村山を引き上げてくれました。あと、鬼邪高の3人はすごい仲良くて、それが画面から出ているよね」
山田「この3人はエキストラから俳優を始めているので、鬼邪高の雑草魂と合っていて、3人で引き上げている感じがあります」
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
撮影中やイベントのエピソードとして「(一ノ瀬)ワタルくんがすごく緊張しいなので、とにかくあんまり離れないようにいました」と話す鈴木。一ノ瀬は嬉しそうだった

鬼邪高の副番長・古屋英人を演じる鈴木貴之と、鬼邪高一の怪力で子犬のように村山を慕う関虎太郎を演じる一ノ瀬ワタル。

鈴木「村山を演じる裕貴くんのキャラクターが最初から際立っていたので、僕は古屋を演じるときに“普通の高校生”を意識していました。一般的な高校生より年齢は上だけど“普通の高校生”を軸に、あまりあり得ない設定には飛ばないようにしています」
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
キャプション:
山田、鈴木よりも年上なのに、2人からとても可愛がられている一ノ瀬。2人の話を常に楽しそうに聞いていた

一ノ瀬「おれの役作りは! 村山が転校生で! 関と古屋も仲良くなくて番長争いをしているところで!」
黒木「声がでっか!(笑)」
一ノ瀬「へへへ、最初は仲が悪かった3人だけど、いまのおれは2人への愛でしか役作りをしていません」
平沼「山王連合会が“仲間と絆”っていうテーマで、鬼邪高校はまた別のイメージで書いていました。最初に山王に負けたときに関がすごく良い表情をしてきて、村山への思いを演技で出してきた。『村山さん』から『村山!』って呼ぶように変わった瞬間とか。そこから、作家たちのなかでも鬼邪高校のイメージが変わってきました」
一ノ瀬「いやー、ありがとうございます!」
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今回はMCとして登壇した脚本家の平沼。出演者たちの気持ちを理解し、ときにふざけながらも優しく見守るお父さん、お兄ちゃんのようだった

山田、鈴木、一ノ瀬のTwitterやInstagramには、よく3人で遊んだり旅行したりしている写真がアップされる。
リアルでの3人のほのぼのとした仲の良さを見ていると、映画でのピンチのシーンで胸が必要以上に痛む。でも仲良しSNSは見たい。幸せな悩みだ。

知りたかった「推しの好きな漫画」発表


今回は、イベント開催場所がアニメイトということで、出演者たちが好きな漫画・アニメについて語ってくれた。
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黒木の年齢を初めて聞いて動揺する山田と、落ち着いて対応する黒木

黒木「漫画は色々読んできましたが『ドラゴンボール』には勝てないですよね。最近は『ワンピース』とかもありますが、僕は38歳になる年なので……」
山田「え、もっと若いと思ってた! 32歳とか」
黒木「38歳がROCKYやってるからね、まだケンカするのかなあ(笑)。ドラゴンボールでいうとROCKYはベジータで、KAITOとKIZZYが人造人間17号と18号のイメージです」
稲葉「18号? あ、おれが女の子だ(笑)」
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役柄のせいなのか、稲葉は他のメンバーと比べてやや内股に座っているのが可愛い

稲葉は『鋼の錬金術師』、平沼は『ジャングルの王者ターちゃん』『HUNTER×HUNTER』を挙げた。

山田「いま『HUNTER×HUNTER』の話が出たので。クロロファンの方には怒られるかもしれませんが、僕、村山を演じているときはクロロに似ていると思うんですよね。だから、(僕に)クロロ役をお願いします!」
平沼「そういう売り方!?」
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何かあるとすぐに顔を見合わせて笑う鬼邪高2人。山田が話しているときもニコニコしてうなずいていた

鈴木「僕はやんちゃな漫画が大好きだったので『ろくでなしブルース』『クローズ』とか。中高の友だちも同じ漫画を読んできた人が多かったので、僕がHiGH&LOWで古屋を演じているのを見て、喜んでくれる人がいっぱいいます」
一ノ瀬「おれがキックボクサーになるために上京するときに持ってきたのが『狂四郎2030』っていう漫画と『行け!稲中卓球部』を全巻」
鈴木「もう1個薦めてくれたのは?」
一ノ瀬「『ベルセルク』! それを持って、おれは人生を一緒に歩んできました。つらくなったら漫画を読んで、勇気をもらいます」

どの漫画にも「ああ~」と納得の声が上がる。さすがアニメイトに来るお客さん、守備範囲が広い。
普段読む漫画なども役柄に繋がっていると思うと、自分の推しているメンバーが好きな漫画は読みたくなる。

サプライズハイタッチに狂喜乱舞。目指せ70万人動員!


最後に、登壇者を代表して黒木が挨拶をした。
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
最後の挨拶は、年長者の黒木啓司がおこなった

黒木「自分たちが愛情を込めた作品が、世の中にこうやって出回っていることを本当にうれしく思います。まだまだたくさんの人に見てもらえるようにプロモーションしていきたいと思うので、まあ動員50万人は、いや60万人、いや70万人はいきたいですね! ぜひみなさんも、良かったらツイートやLINEで色んな人に告知していただければと思います。これからも応援よろしくお願いします!」

なんと、最後はお客さんへのサプライズが!
登壇者6名がハイタッチでお見送りしてくれることが発表されると、200人規模のイベントスペースが嬉しい悲鳴でいっぱいになった。
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
ハイタッチお見送り。アイドル現場と違って手荷物検査などはなく始まったが、終始和気あいあいとして、ファンが幸せそうで良かった

2016年におこなわれた「HiGH&LOW THE LIVE」というライブのタオルをかけている人には、黒木が「THE LIVE行ったの?」と声をかける。
お客さんの1人が劇中の村山と同じ靴を履いていることに気付いた鈴木が「裕貴くん、村山と同じ靴!」と呼び止めてくれた。
一ノ瀬のハイタッチは、両手をぎゅっと握ってくれるパワースタイル。ファンが喜びに震えていた。うらやましい!
「HiGH&LOW THE MOVIE 2」公開記念イベントたっぷりレポ「BLをやりたい気持ちに」
出演者同士での飲み会もあるようで、そのエピソードももっと聞きたかった! またイベント開催してください!

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』はまだ公開されたばかり。
もし過去作を見ていなかったとしても、冒頭にこれまでのストーリーを説明してくれる映像が流れるので、初心者も安心。
YouTubeでも「ストーリー紹介動画」「アクショントレーラー」が公開されているので、70万人動員を目指して布教に利用していこう。

映画「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」 予告編
映画「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」予告編第2弾

(むらたえりか)

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』
配給:松竹
(c)2017「HiGH&LOW」製作委員会
公式HP:high-low.jp
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