決して後出しジャンケンをするつもりではなく、石田ゆり子のことはずーっと、それはもう30年近く前から「イイ!」と思ってました。視界に入るたび、露骨にうっとりしてたし。


とは言え、彼女が演じた「土屋百合」による名言「自分に呪いをかけないで」が印象深い『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)を契機に再評価熱が高まったのが世間的な流れだし、世の反響に「そうでしょう!」と満足しながら、実は筆者のテンションも改めて上がってます。みんなの思いが燃料となり、相互作用で一丸となりながらナチュラルに全国の“ゆり子熱”が高まったという構図か、これは?

星野源が明かす“マイナス思考”の石田ゆり子


雑誌「AERA」の星野源による連載ページ「ふたりきりで話そう」に、4号続けて(8月7日号から9月4日号まで)石田ゆり子が登場。まさに、ふたりきりによる対談が掲載されました。
石田ゆり子と星野源の対談で好きな俳優を激白! 「ふたりきりで話そう」が凄い
「AERA」2017年8月7日号
2人の対談が掲載されたAERA(8月7日号から9月4日号までの4週分)は、現在もKindleなら購入が可能。

石田と星野と言えば、勝手知ったる間柄。「逃げ恥」では事情を知らない百合ちゃんが平匡(とみくり)におせっかいを焼く関係性がハラハラものだったし、現在WOWOWで放送中のドラマ『プラージュ』では、石田演じる「潤子さん」がオーナーを務めるシェアハウスに星野演じる「貴生」が生活中です。

というわけで、石田ゆり子の舞台裏を知る星野が彼女の“素”を明かしにいきます。
星野 ゆり子さんって控室とかで話をしていても、なんていうかこう。

石田 なに?
星野 謙虚というか、よくない言い方をするとマイナス思考じゃないですか(笑)?
石田 よく言われる(笑)。

たしかに「逃げ恥」を振り返る石田は、必要以上にネガティブ。人気者・石田ゆり子による自己評価の低さは異常です。
「ほら、脚本が面白かったの。私は大したことしてないのに」
「だってね、自分のことなんて他の人はそんなに興味ないだろうと思っているんです」(ともに、対談中の石田の発言)

なんで、そんな言い方! ゆり子派としては何とも歯がゆいが、そこが彼女の魅力でもあるわけで。胸が苦しくなってきた……。


真田広之と結婚するはずだった石田ゆり子


雑誌やネットニュースが石田ゆり子を特集する際、かなりの確率で「石田ゆり子が結婚しない理由は?」というテーマが論じられがち。写真週刊誌「FLASH」の8月15日号も、「石田ゆり子を丸裸! 『奇跡の47歳』カワイイ伝説」と題して彼女を特集しており、同号では女性雑誌編集者によるこんなコメントを紹介しています。
「『結婚できないのではなく、結婚しないだけ。ただ、結婚しない人生を選んできたことに対する覚悟や責任は強く感じている』と真剣に話されているのが印象的でした」

とは言え、始めから独身を志向していたわけではない。星野源との対談で、彼女は知られざるエピソードを告白します。
石田 芸能界に入る時に、今後なにをやっていきたいかと聞かれ、できたら女優業をやりたいと。それはね、当時、真田広之さんが大好きで(笑)。

星野 へえー!
石田 『里見八犬伝』という映画を観て、親兵衛という役の真田さんを好きになって、私は真田さんと結婚するんだと思い込んでたのね。本当に、バカだから。
星野 はははは。いやいや、正常な女子高生ですね。かわいいです、うん。
石田 だからこれは来たと思って。
真田さんに会えるチャンスが向こうからやって来たって。ほんとよ(笑)? その時にマネージャーさんにお願いをして、どうしても真田さんに会いたいと。そうしたら絶対に会わせてあげると言われて、芸能界に入ったのね。

真田広之と会うため……というか結婚するために始めた女優業であったが、やはり軽い気持ちで通用する世界ではなかった。前述「FLASH」にて、ある映画プロデューサーが以下のようなエピソードを明かしています。
「森田芳光の映画『悲しい色やねん』(88年)での演技を現場で酷評され、逆に『俳優という仕事をしがみついてでも続けていこう』という強い気持ちになったそうだ」

超体育会系・石田ゆり子


今では女優として確固たる地位を築いた彼女だが、実は新境地を開拓させたいと密かに思っている模様。


石田 自分がやったことのないことをやりたいんです。でもこれ話したら、笑われるだろうなあ(笑)。
星野 なんでなんで(笑)。
石田 あのね、私ね、アクションができる女優になりたい。
星野 すごいですね! 素晴らしすぎます!
石田 昔からアクションのできる人が好きなんです。それは真田さんが好きだったというところに戻るんだけど(笑)。


そういえば、彼女は小学生時代に水泳平泳ぎでジュニアオリンピック第8位になった経歴の持ち主。元は超体育会系です。彼女が敵をバッタバッタとなぎ倒していくシーンは観てみたいな……。絶対、素敵!

星野 素敵です。ゆり子さん、その魅力をちゃんと自覚してくださいね。
石田 やめて(笑)!
星野 すごい人気なんですから。
石田 褒めないで! 褒められると、どうしたらいいかわからなくなるんだから(笑)。

対談中「すみません」「なんかもう、私なんて」とネガティブな言葉を口にしまくり、マイナス思考がダダ漏れしていた石田ゆり子。
すみません、可愛すぎるんですが。
(寺西ジャジューカ)