
女性だけが味わうことができる苦労であり、幸せ。それが子を産むために備わった、排卵や月経、それに伴う体の変化です。
先日、そんな生理に関するある4コマ漫画がネットで紹介され、話題になりました。それはカップルの家デート(セックス予定)が、彼女の突然の生理到来により、実行不可能になってしまった際のやりとりを、面白おかしく紹介したものです。
彼の家に訪れた彼女は、開口一番申し訳なさそうに「今日生理なの」と彼に伝えセックスできないことを伝えます。彼は「仕方ないよ」とフォローを入れつつも、「本当にできないの?」と聞いたり、「少しなら」とか「ゴムをつければ」と、食い下がってきました。
結局彼は「じゃあ今日はもう帰る?」と一言いい、彼女は激怒というシュールなオチになるのですが、この漫画を読んだ人からは、「クズだと思う」「抜いてあげればいいんじゃん?」など、さまざまな声があがっています。
概ね漫画の男性キャラに対する否定的な意見が多かったようですが、男女平等が叫ばれている今でも、生理に対する認識の違いをこうも題材にされてしまうと、なかなか女としては眉をひそめる部分があります。
そもそも生理には重さに個人差がありますが、女性を気遣うためにも、改めてその仕組みをもう少しわかりやすく頭に入れておいては良いのかもしれません。今日はそんな考えのもと、生理の苦しみと痛みと仕組み、そしてその際の女心を、男性向けに解説します。
女性は28日で“生まれ変わる”と言われるわけ
生理の仕組みをまずはご説明すると、女性の体は約28日周期(人により個人差あり)で、妊娠に備えた動き方をしています。
28日の中で起きることは、前回の生理が終わってから約10日で卵子が排卵され、同時に卵子が受精した場合を想定して、子宮内の壁が厚くなります。しかし卵子が期間内に受精しなかった場合、壁は不要となり、28日目には生理となって、体の外へと排出されます。同時に、また新たな卵子の育成が始まっており、生理の10日後に次の卵子が誕生(排卵)されるわけです。
これが一応の生理の流れですが、男性にとっては「卵子」や「排卵」「受精」という言葉も、全くもってイメージできない用語かもしれません。
女の腹には、常にヤンキーの左官屋見習いがいる!
生理の仕組みをたとえるなら、女性の子宮には、“ヤンキーあがりの左官屋見習い”が住んでいます。左官屋とは、壁や床などを、コテを使って塗り仕上げる専門職種のこと。この左官屋を目指すヤンキーが、女性の腹の中には存在しています。
ヤンキーは28日間の修行で、一人前の左官職人に育つのですが、その中でさまざまな葛藤を経験していきます。たとえば、左官屋として入門してから約10日で、ヤンキーくんは社内研修を終え、職人として現場に出ることになります。現場に出た彼は、悩みながらも一人前になるために、子宮内に壁を塗り始めます。このとき技術が追いつかず壁が盛れないと、生理不順や生理前のイライラや情緒不安定が起きます。
しかし、ここでヤンキーくんを責めてはいけません!
なぜなら、ヤンキーくんを指導するのは司令塔である親方(脳)です。親方の指導方法や教育環境に問題があったからこそ、ヤンキーくんは一時的に力を発揮できないだけなのです。
そうしてヤンキーくんは、一人前になれるまで壁を塗り続けますが、28日目付近で自分の技術力のなさや将来に不安を覚え、癇癪を起こし始めます。
「やってられっか! こんな仕事!!」
ヤンキーくんは根性なしだったのです。
そうして彼は怒り出し、せっかく作った壁を、暴れて壊し始めます。
いかがでしょう。少しは女性の腹の中で大変なことが起きているということが、想像できたでしょうか。女子の体には28日周期で切れるヤンキーが住んでいる。そう想像するだけで、きっと男性はもっと女性に寛容になれるはずです。
生理中のセックスは気持ち良いのか? できるのか?
生理の周期を司る働きは、親方である脳からの命令で分泌されるホルモンが支配しているので、生活リズムや自律神経が健康な生理とは深く関わっているんですね。
そんな生理ですが、今回の話題になった4コマのように、生理中にセックスはできるものなのか。物理的な問題でいえばYESなのですが、子宮内ではヤンキーが癇癪を起こしており、非常にデリケートな状態になっています。そのため、セックスをするにはあまり好ましいとは言えません。
今回の4コマのキャラは彼女の怒りを買ってしまいましたが、多くの男性は同じ轍を踏まぬよう、ぜひお腹の中のいかれるヤンキーを沈め、良好な関係作りをつくっていきたいですね。
彼女の体調不良を見かけたら、ヤンキーを想像し、いたわること。ぜひ今日はそれだけ覚えておいてください。
(おおしまりえ)