
“いつも最前列を確保しているファン”というのは、アーティストによっては歓迎されない存在らしい。シンガーソングライターの七尾旅人さんが彼らに苦言を呈し、議論を巻き起こしている。
地方公演は「地元の子に譲ってあげて」
七尾さんは9月7日にInstagramに「お願い」と題したメッセージを投稿。「どの街で演奏してもほぼ毎回必ず最前列を占有してしまう40代くらいのお客さんが少々居ます」として、地方公演はその街に住む人々と「歌のやり取り」をするために開催していると強調。「観に来てくれること自体はありがたい」としつつも、「いい席は、時々しか観られない地元の子に譲ってあげてよ」と呼びかけた。
とくに東日本大震災の被災地での公演でも同じことが起こったのが腹に据えかねたらしく、「僕は、今夏まで精一杯がんばってきた宮城の子たちに、なるべく観やすい位置で観てほしかったし、自分自身も、彼らの顔を眺めながら、歌いたかったからです」と胸の内を明かした。
ロックバンド・ONE OK ROCKのボーカルであるTakaさんも、過去に同じ意見を述べている。今年1月25日、海外公演でも日本人ファンによって「最前列はいつも同じ景色」だとして、「なんのために海外で毎日頑張ってるのかわからなくなっちゃうし、ルールなんか作りたくないからもう少し考えてほしい。。。僕らが海外でライブをする意味を!」とInstagramで呼びかけた。また、歌手の沢田研二さんもコンサート中、最前列にいた観客に同様のクレームを伝えたという逸話がある。
地元のファン優先のシステム作りが必要?
ネット上では、彼らに同情する声と同時に「システムで解決するしかない問題ではないか」という指摘も上がっている。七尾さんのメッセージに対しても、「地元の人々のためのスペースを前方に設ければいいのではないか」「公演当日まで座席がわからないようにしてはどうか」といった提案が寄せられている。
アーティスト側の意見は理解できるが、確かに「システムで解決できるのではないか?」という疑問は沸いてくる。
(HEW)