通販サイトではプレミアムがついているが、2018年以降も生産されることが決まっているので、なるべく定価で買うようにしたい
まずは本体から
本体で注目したいところは、完全にスーパーファミコンを縮小したものにしているところ。細かいところもそっくりに仕上がっている。
サイズはかなり近い
ミニスーファミの方がコンパクトにまとまっている
本物と違うのは、カートリッジを差し込むのではないので、差し込み口とEJECTボタンが機能していないところ。そして、テレビとの接続はHDMI、充電はMicroUSBと、各種端子が現在のものに改められている。
コントローラーをしまうギミックを再現したため、コントローラーも小さくしてしまったミニファミコンに対し、ミニスーファミではコントローラーは通常のサイズとなっている。接続端子はWiiのリモコンに接続するものと同じだが、Wiiのクラシックコントローラーなどを接続できるかはまだ試していない。
少しだけ気になったのは、コントローラーのボタンの感触。すこし、やわらかくてふにゃふにゃとした押し心地なのだ。記憶にあるスーパーファミコンのコントローラーはもう少しカッチリとしていたような気がするのだが、これは他のコントローラーの記憶が混ざっているのかもしれない。
リセット&リプレイ機能
ミニスーファミの最大の売りは、リセットボタンによる中断セーブとリプレイ機能だろう。
リセットボタンを押すことで、いつでもホーム画面に戻ることができる。このとき、それまでの間にプレイしていたシーンが一時的に保存された状態になっていて、いつでも再開できる。
さらに、一時保存を「登録」することで本体にセーブし、いつでも中断ポイントから再開することができる。
このデータは電源を切っても保持されているため、翌日にでもすぐに同じポイントから遊ぶことができる。そのため、多くの人が行ったであろう、親に今すぐゲームをやめなさいと言われても「(セーブできる)キリのいいところまであと少しだから!」と言って少しでも長く遊ぶ作戦ができなくなってしまった。
そして、この中断ポイントはさらに、リセットボタンを押す前の40秒ぐらいのデータも同時に保持している。「X」ボタンでリプレイを選ぶと、その40秒間のプレイが再生され、しかも任意の場所から再開できるのだ。これは中断ポイントとして登録しなくても、リセットをしたデータでリプレイ再生ができる。
これにより、たとえば『超魔界村』でそれまで順調だったのに敵の攻撃に当たってしまったときでも、すぐにリセットを押して数秒巻き戻し、次は避けるといったこともできる。
この機能はまだ使いこなせていないが、相当便利なものになりそうだ。
中断ポイントの注意点
中断ポイント機能は便利だが、セーブデータを保持するタイプのゲームで扱うときには注意が必要だ。というのも、中断ポイントはゲームの進行状況だけでなく、ゲーム内のセーブデータもまとめて保存されるからだ。
ちょっとわかりにくいので具体例をあげて説明してみよう。
たとえば、ゲームを進行して、セーブデータに6面までクリアした状態を保存したとする。3つのデータをセーブできるゲームだと、以下の状態だ。
セーブデータA:6面までクリア
セーブデータB:未使用
セーブデータC:未使用
そしてこの状態で7面に入った瞬間を中断ポイント1に登録したとする。
その後ゲームを進めていき、12面までクリアしたとする。ここでセーブすると、データは以下の状態になる。
セーブデータA:12面までクリア
セーブデータB:未使用
セーブデータC:未使用
ここで、中断ポイント1から再開すると、7面からスタートし、さらにセーブデータは
セーブデータA:6面までクリア
セーブデータB:未使用
セーブデータC:未使用
となってしまう。セーブデータは別枠で保存されていて、12面までクリアの状態を保存したままになるのではなく、中断ポイントに登録した時点のセーブデータに巻き戻ってしまうというわけだ。
一人で遊んでいるときはそれほど問題になることはないと思うが、家族など二人以上で遊んでいる場合には、場合によってはデータが巻き戻ってしまうかもしれないので注意が必要だ。そういう事態になる際には、「選択中の中断ポイントから再開するとゲームのセーブデータが上書きされます。」というメッセージが表示されるのでよく考えておこう。
その他注意点
リセットボタンによるリセットではなく、ホーム画面に戻らずにソフトのタイトルに戻りたいときには「L」「R」「SELECT」「START」を同時に1秒間長押しでソフトリセット可能だ。ゲームによっては1秒待たずにすぐにリセットされる。
各種ゲームのマニュアルは、ホーム画面上部の「説明書」を選ぶと出てくるQRコードを読み込み、こちらにアクセスして読むことができる。最近のゲームとは異なり、ゲーム中にオンラインマニュアルという形で出てこないし、操作のチュートリアルもほとんど無いため、事前に読むようにしたい。
画面はアナログテレビのようなモード、4:3、ピクセルパーフェクトを選べる。
ミニファミコンの30本収録に比べて21本と少なくなっているが、どれもこれも名作な上に長時間遊べるものばかりで、ラインナップに不満はない。全て遊び尽くすには相当の時間がかかるだろう。
全体的には快適に遊べているが、一部のソフト、遊んだ範囲では『超魔界村』で処理落ちが発生する場面があった。もっとも、スーパーファミコンの超魔界村を遊んだことがないので、同様の箇所で昔も処理落ちが発生していてそれを忠実に再現したのかどうかはわからない。
個々のゲーム、特に幻のゲームの復活となった『スターフォックス2』や、二人で遊んだ方が楽しいゲームなどのレビューは、週末にもう少し遊びこんでから行いたい。
(杉村 啓)