HDMI端子に接続する本体と、リモコン。リモコンは単四電池2本で動作する
Fire TVシリーズは全部で3種類。Fire TV Stickと、Fire TV Stickの音声対応リモコン付き、そしてFire TV。Fire TVのみ4K配信や有線LAN、micro SDカードに対応している。
今回購入したのはFire TV Stickの音声リモコンなしの一番安いタイプ。発表時に配られていたAmazonプライム会員優待クーポンで3000円引きになったので、4980円のところを1980円で購入した。
HDMI端子に接続して使う
Fire TV StickはテレビのHDMI端子に接続して使う。まず注意しなければならないのは、電源。MicroUSBで電源を供給するのだが、本体の横についている。この部分が意外と固いというか、ケーブルが想像以上に邪魔になるため、他のHDMIケーブルと干渉しやすい。うまく接続できないときは、付属のHDMI延長ケーブルを使おう。
電源に使うMicroUSBケーブルおよびアダプタは、本体付属のものでないと「サポートされてないUSBポート」というエラーが出てしまうので、注意が必要だ。
HDMI端子に接続し、電源がつながっていればすぐに使うことができる。初期設定としてAmazonアカウントの登録、画面の調整、無線LAN設定を行えば、好きな動画をすぐに再生できる。
注目のASAP機能
Fire TV Stick独自の機能として注目されているのが、ASAP機能。Advanced Streaming and Predicitionの略で、過去の視聴履歴から事前に再生の準備をすることで、ボタンを押してから待ち時間がほとんど無しで再生されるというもの。
実際に使ってみると、まだ使い始めなので、それほどすごいとは感じていない。動画を見ると、その動画に関連した動画がホーム画面に表示されるようになる。ここが充実していくと、真価を発揮するのかもしれない。
他にも、全体的に待ち時間を軽減しようとする仕組みがあった。例えば一部の動画では、最初のうちは即座に低解像度で再生され、しばらく経つと自動的に高解像度になるという具合だ。高解像度のためにバッファリングする待ち時間がないので、ストレス無く見始められる。ただし、最初にちょっと画質が粗いものを見ることになるので、人によっては少し待ってでも高画質で見たいと思うかもしれない。
調子が悪くなったら再起動が必要
FireTVstickはAndroidで動いているので、付属のリモコン以外にもさまざまな機器を接続して使うことができる。Bluetooth接続のキーボードやマウスを接続して入力を楽にしたり、ゲームパッドを接続してゲームをすることも可能だ。
検索の入力を楽にするためにキーボードを登録してみたところ、カーソルキーなどでもリモコンと同様に操作することができて意外と快適だった。
だが、キーボードを接続して操作しているうちに、リモコンもキーボードも非常に利きが悪くなり、操作が困難な状態になることがたびたびあった。接続を解除したり、色々と試してみたが、最終的には再起動が一番有効だった。再起動すると、元通り快適に操作できる。
再起動は本体のメニューから「設定」を選び、「システム」の「設定」から行う。また、どの画面でもリモコンのホームボタンを押しっぱなしにすればすぐに「設定」を選べるので、とにかく調子が悪かったら再起動と覚えておくといい。
メモリが1GBしかないからかとも思ったが、2GBあるFire TVでも同様の症状は起きるようなので、メモリが原因ではないかもしれない。とにかく、不調になったら再起動が必須だ。
さまざまなアプリをインストール可能
Amazonビデオの再生だけではなく、YouTubeやniconico動画、Hulu、Netflix、GYAO!、NHK WORLDといった動画配信アプリにも対応している。Amazonビデオに見たい動画がないときには、これらのアプリを使うといいだろう。
niconicoアプリでは動画だけでなく生放送にも対応していた。個人的には将棋のタイトル戦を延々とテレビで流し続けられるのはありがたい。
個人的ついでにちょっと微妙だなと思ったのは、YouTubeアプリ。再生に不満があるわけではなく、検索時にキーボードが使えないのが少し気になった。
動画配信アプリだけではなく、ゲームにも対応している。ただ、タッチパネルで操作することが前提のゲームが多く、リモコンで遊ぶのはそれほど快適ともいえなかった。
ミラーリングも可能
iPhoneやAndroidの「Fire TV」アプリをインストールすることで、スマートフォンやタブレットをリモコンにできる。アプリは音声入力にも対応している。
画面の何もないエリアをタッチパッドのようにして操作する。十分以上に使いものになるが、慣れるまでは思ったところで止めるのが難しい。結局は付属のリモコンの方が操作性がいいと感じた。
ミラーリングにも対応していて、Android端末やWindowsPCの画面をそのままテレビに表示することができる。使う場合には、リモコンのホームボタンを長押しして、「ミラーリング」を選ぼう。
Amazonプライム会員なら買い
買いかどうかの判断だが、動画配信サービスを利用していて、なおかつそれをテレビで表示できる機器を持っていない人は「買い」だと思う。
Fire TV Stickは、Amazonのサービスをたくさん利用しているほど便利になる機器だ。Amazon Cloud Driveアプリを使ってスマートフォンで撮った写真を表示させたり、Amazon Musicで買った音楽の再生にも対応している。Amazonプライム会員だと、Amazonビデオの有料コンテンツを見ることができるのもポイントだ。Amazonのヘビーユーザーだったら、買って損をすると思うことはないだろう。
残念ながらKindleアプリには対応していなかった。本をテレビで読むということはできない。スマートフォン等でKindleを起動し、ミラーリングでテレビに表示させるしかないようだ。
3種類のうちどれを買うのがいいか。それぞれ本体の容量は8GBしかないので、外部ストレージを利用したい人はFire TVを買うといいだろう。また、4K配信を味わいたい人もFire TVだ。
Fire TV Stickの音声入力のあるなしはどちらを買えばいいかというと、個人的には音声入力はさほど必要ないと感じた。
今後は、AmazonビデオやNetflixやHuluのような配信サービスがますます充実していくと思われる。配信サービスをテレビの大画面で楽しみたい人は、こういう機器を1台は持っておくといいだろう。
(杉村 啓)